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総合監修者ごあいさつ
長谷川善和さん(群馬県立自然史博物館 館長)

 2006年に別の会場で恐竜展を開催した。それから約3年近く、主催者の皆さんが準備をした。日本経済新聞社が主催する恐竜展は今回が3回目になるが、今回が一番、力が入っている。開催準備にご協力をいたただいたアメリカや中国の研究者の方々、また関係者の皆様に心から敬意を表する。

 本展は、恐竜学の発展を志す私たちにとって、大変意義ある展覧会である。出席の先生方には、非常に忙しい中、ご協力をいただいた。本展の特徴は、わかりやすいこと、親しみやすいこと、中でも地球環境問題とも関連して、「砂漠の奇跡」というタイトルがついている。

 生命発生から30億年。ダーウィン生誕200年。オーウェンが恐竜研究を始めてから約170年になる。また、カーネギー発掘地で発掘が始まって約100年。いろいろ節目の年になる。本展では約300点の恐竜を見ていただいている。

 日本でも、ここ20年くらいの間に恐竜は30から40種類出ている。私たちが学生の頃は、恐竜が出るとは思っていなかった。私も手がけたものでは、群馬県から魚食性のスピノサウルス類の歯が出ている。

スピノサウルス(模式標本) は、戦争でなくなった。しかし今回、骨格の復元もできた。もう一つ(本展展示の見どころ) は恐竜ミイラ化石。ミイラ化石が1億年の時間をおいて私たちの前に現れたのは感動的。日本に持ってくることは当初決まっていたが、クリーニングが進むにつれ、壊れそうになり、日本に移送できるかどうか危なかったが、関係者の努力により見せてもらえることになった。中国では、体長35m、非常に巨大なマメンキサウルスが復元された。羽毛恐竜でも、とんでもなく巨大なものが見つかった。興味のあるものがいろいろ出ているので、どうぞ後ほど見ていただきたい。




挨拶を述べる長谷川善和館長