「ギガントラプトル」は、全長約8 メートルの巨大な羽毛恐竜です。2005 年に中華人民共和国・内モンゴル自治区に広がるゴビ砂漠で発見されました。

 これまで知られてきたオヴィラプトルをはじめとする羽毛恐竜は、体長2〜3mの小型恐竜でした。しかし、この「ギガントラプトル」の発見により、定説を覆す超巨大サイズにもかかわらず、羽毛をもつ獣脚類恐竜の存在が明らかになったのです。獣脚類は肉食恐竜と捉えられがちですが、その中でオヴィラプトル類は歯を退化消失する傾向にあり、植物食への転身を図ったグループだと考えられています。本博では、これほど大型の体を持ちながら、歯のない植物食性の獣脚類として進化したギガントラプトルが具体的にどんな植物などを食べていたのか、また植生など、当時のゴビ砂漠の環境がどれほど豊かだったかについて考察を深めていきます。

 また、ギガントラプトルは獲物を襲う必要性が低かったにもかかわらず、前肢には大きなカギ爪を持ち、後肢の長い脛骨からは、体の割には俊足だったであろうことを示す、強力な筋肉が付着していた窪みが発見されています。この事実は、全長8m ものギガントラプトルにとって、さらに脅威となる大型の捕食性獣脚類が同時代の同地域に存在したことをも窺わせるもので、当時の生態系を考える上でも大変興味深いものとなります。

 「恐竜2009」では、この「ギガントラプトル」の復元骨格を初公開し、不思議な体を持つこの恐竜の魅力を紹介します。

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定説を覆す!超大型羽毛恐竜「ギガントラプトル」全身骨格初公開