(尾椎の棘突起をかじり取られたエドモントサウルスの標本写真)
(真鍋)
ちょうど今、後ろに写真が出ていますけど、それをご説明いただけますか?
(所)
これは、エドモントサウルスという、T-REXと同時代にいた植物食恐竜の尾
の骨の上の部分です。これをデンバー自然史博物館で見たんですが、かな
り大きな個体で、この上までT-REXと同じ高さと考えていいです。
植物食恐竜のこの部分をかじることが出来たのは、T-REX以外いないのでは
ないか、(棘突起部に)T-REXが噛み付いてかじりとったのではないかという言
われ方をしています。
ただ、これも考え方次第で、T-REXは狩をしていたと考えることもできるが、僕
みたいなへそ曲がりは考え方が違って、これはいつかじられたのだろう、これ
は治った跡があるので、かじられた後生きていたことは間違いないが、この恐
竜が子供の時にかじられたのなら、T-REXである必要はないし、映画に出てく
るヴェロキラプトルのように、飛び掛って傷をつければ、体の小さな肉食恐竜で
もできたのでないかなと、そんなことを考えたりもします。
狩をした決定的な証拠という言われ方をするが、その辺はどうなのかな?皆さん
はどう考えますか。T-REXハンター説とスカベンジャー説がありますが、T-REX
を好きな人はT-REXハンター説をすごく支持しますね。ジャック・ホーナーのよう
な植物食恐竜を研究する方は、屍体を食べていたんじゃないの?と言ったりして
T-REXハンター説派から激怒されるんですけど。
やっぱり、さっき言った、かっこいいということが引っかかるんですよ。人間は恐
竜のことを格好良くイメージしすぎるから、好きなのかもしれない。その辺、すご
く気をつけなくてはいけない危険があると、僕は思う。格好いい、それは想像の
中でデフォルメしているだけかもしれない。そこを気をつけないと、科学的な復
元は難しいと、僕は考えたりします。言いたいことの半分も言えなかった気がし
ますが、ここで終わりにします。
|