(立体視について)
顎の大きさを言ったとき言い忘れたのですが、大きな筋肉があるために、
T-REXは顔が広がって眼が前を向いて両眼視ができるというのですね。
人間のように両眼で立体感がでてくることにより、獲物を捕まえるときに立
体的に見ることができ、その話が主流です。パンフレットにもそう書いてあ
るはずです。
立体的に見ることができるのが、狩をしていた証拠だと言われます。僕は
素人として思うのですが、果たして、両眼視したかもしれないが、立体的に
見えたのかどうかという気がします。皆さんはT-REXのような鼻面がない
ので立体視できると思うのです。
もし、T-REXのような鼻面があったら、前方に獲物がいても立体的に見る
ことができたかどうか、たぶん出来ません。視野は鼻より上になりますから、
上にあるものは立体的に見えたと思います。鼻より下にあるものは、ほと
んど立体視は不可能になります。
では、立体視しなかったのかというと、僕はそれも疑問に思います。実は
T-REXは恐竜の歴史の中で一番最後、恐竜が絶滅する最後の百万年間
に生きていた動物であって、その前の1億数千万年間、ちゃんと狩をする
恐竜はいたと思うのですね。
眼が前を向いていなくても狩は出来たと思うのです。現代の鳥でもそうで
す。現代の鳥が木に止まろうとすると、木の立体感をつかめないと枝をつ
かめない。といって、現代の鳥の眼が全部前を向いている訳ではない。
恐竜でも眼が前を向いていなくても立体感はできたのではないか、鳥は
よくものを見るとき右眼で見て左眼で見るという、その瞬間に頭の中で立
体像を作れると思う。眼が前についているから立体視できたという説には
疑問を持っている。
もう一つ疑問をもつ理由があります。先ほど言った頑丈な頸です。ものす
ごい頑丈な頸で、これに筋肉が付くとあまり頸を曲げることができないんで
すね。人間は頸を曲げ、眼球を動かすことができるので、結構軽く後ろを
向いただけで後ろを見ることが出来るのですが、T-REX、爬虫類や鳥の眼
球は、実は、ちょっと扁平な形をしていて丸くないんです。
眼を人間のようにグルグル回すことは出来ないので、もし、T-REXの眼が
前を向いていたとすると、あまり動かない眼と頸では後ろを見ることができ
ない。後ろに注意がいかない生物になってしまいます。そうなると、こんな
成体になれば敵はいませんが、生まれたときは高さ30cm長さ90cmの恐竜
でしかないと言われます。その程度の体の時は、世界は敵だらけだった訳
ですね。
もちろん、T-REXにとって最大の敵はT-REXだと僕は思ってますけど。大人
のT-REXに追いかけられることは当然あると思う。その時、後ろの見えない
生物は、生物として相当大変な生き方をしなければならない。そうすると、
眼は結構後ろが見えるくらい横に付いていたのではないかな、僕の考え方
です。もしくは、眼が飛び出ていた。
でも、ここで一つあるのは、飛び出ていたと考えたくないと僕は言うのです
ね。それは、さっき言った、「恐竜が好きなのはかっこいいから好きなんだ」
ということ。そうすると、眼が飛び出たT-REXは僕はちょっと好きになれない。
そこで、この説はあまり他人には言わないようにしている(あ、ここで言っちゃ
いましたけど)。そういったことで、恐竜の中でいろいろ膨らませていく、そして
今生きている生物の特徴などを観察する、そういう中で、SUE、この恐竜ひと
つにとっても、今話し始めて時間が大幅に超えているのですが、まだまだ話
すことは山ほどあって、あとは真鍋先生に任せるしかないですけど、
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