(肋骨などの変形)
次に注目していただきたいのは、肋骨のここですね(肥大している部分を
指す)。これは何かというと、骨が折れたのかもしれないし、骨に傷がつい
たのかもしれない。感染症を起こして骨が変形してしまったというものです。
T-REX同士で戦ったのかもしれないし、パキケファロサウルスにぶつけら
れたのかもと、完全な想像ですが。腰のあたり、ここにもずっと傷がありま
す。これは骨の相当な圧力が加わって折れた・変形したのではないかと
いわれています。
ピーター・ラーソンさんの説では交尾時に上にのしかかられて圧力がかかっ
て折れたのではないかといいます。実は、そのへんはまだはっきりしていま
せん。
SUEがオスかメスだったか、発見当初から言われていまして、メスといわれ
ています。なぜメスでないかと言われたかというと、最初この骨(第一血道
弓)が見つかっていなかったのかな。うろ覚えですみませんが、卵が出る空
間が、ここに坐骨という骨があるそれとこの間に卵が出る空間が大きく広がっ
ていたという説が当時あった。
それともう一つあるのが、腰骨の幅が広くて産卵に適している、メスだった
のではないかという説がある。SUEは最初単純に体の大きさからオスでな
いかと考えられ、次に、今申し上げた事からメスでないかと考えられました。
鳥の中でもワシやタカはメスの方が大きいのですね。それはおなかに卵を
抱えて育てなければならない、そうするとオスよりメスの方が体が大きくな
る。もしかしたらT-REXもメスの方が体が大きかったのではないか。
ただ、ここで一つ疑問なのは、鳥は確かに飛ぶためにメスが大型ですが、
地面を歩くT-REXにその必要があったかどうかはまだわからない。僕は、
メスである可能性が高いくらいに考えておいた方がいいと思う。
確実にSUEがメスだったとはまだ言えない。 |