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世界の巨大恐竜博2006 記念シンポジウム

2「大きな爪と羽毛を持った恐竜〜様々な形への進化」
  徐星 氏

 一般の方が恐竜に興味をもつ理由は、まず体が大きいからだろう。(スライド:マメンキサウルス)新疆ウイグル自治区では、頚椎1個が1.4mの化石が出ている。また、シャントンゴサウルスは大腿骨長2mある。しかし、(スライド:メイ) メイのように小さい恐竜の進化の過程を研究する上で重要。

 鳥は系統の中でどこに位置するのか?2030年前は、ジュラ紀中期の恐竜から鳥になったのだろうという仮説だった。現在、(スライド:獣脚類の系統) コンプソグナトゥス類以降の獣脚類には羽毛が生えていたと考えられる。

(以下、スライドの説明)
1996年シノサウロプテリクスが発見された。非常に美しい化石で、黒い毛のようなものがある。最も原始的な羽毛様のものだ。
シノルニトサウルス:羽毛を持っているだけでなく、骨格の構造から、鳥のように羽ばたくことができた。
ミクロラプトル:非常に今日の鳥に近い羽毛。前肢は鳥のように羽ばたくことができた。後肢にも羽毛を持っていた。
インキシボサウルス
(スライドにラビットの漫画も):前上顎歯がウサギに似ている。ウサギのように植物を噛みちぎった。
メイ:体を回して頭を翼の下にたくし込んでいる。鳥と同じように寝ている。
ディロング
(頭蓋) :ティラノサウルス類の特徴を持った(断面がD形の)前上顎歯がある。小さい恐竜で2mくらい。原始的な羽毛がある。
ガンロング:最も古いティラノサウルス類。ジュンガル盆地で発見された。

 (次にテリジノサウルス類、ネイモンゴサウルス、エルリアンサウルスなどを説明しました。さらに、テリジノサウルスの爪レプリカを手に持ち)この鋭い爪を持った恐竜は凶暴だったのだろうか?この恐竜の下顎は細く長い。細い歯は肉食でなく植物食であることを示している。腸骨が外に曲がっている。腹の大きな構造を示し、植物を多量に食べたことがわかる。さらに、鳥と近縁関係が認められる骨がある。鎖骨と肩甲骨は鳥の形に似ていて、羽ばたくような動作ができた。ベイピアオサウルスには羽毛がある。

 羽毛恐竜はこのように鳥に近いもので、多様な種類がある非常に大きなファミリーだった。この中から鳥が進化してきた。

質問・コメント

真鍋:中国ですごく多様な恐竜が出る理由は何かあるのか?

徐:発掘に従事する人がすごく増えているからだ。

  化石発見はラッキーでもあった。日本からもラッキーな人が、より美しい化石を見つけるかもしれない。