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世界の巨大恐竜博2006 記念シンポジウム
中国・熱河と日本の恐竜たち 真鍋真 スライドはオヴィラプトロサウルス類の末節骨

1「中国・熱河と日本の恐竜たち」真鍋真 氏

 手取層群について紹介したい。(スライド:15千万年前の世界地図) 北米とアジアは海で隔てられていたが、アジアでは日本と中国は陸続きだった。だから中国と同じ動植物があったと考えるのが普通だ。

(スライド:手取層群の各層の年代と県、産出化石の表) 今日は1.36億年前の桑島層について紹介したい。当時の環境は、河口や入り江、湿地があった。(スライド:化石壁の写真、オヴィラプトロサウルス類の指先(末節骨) 写真)

熱河層群と、産出する生物は同じか違うか?

魚類のシナミア:日本と熱河両方から見つかっている。

コリストデラ類:熱河のモンジュロスクスと同属が日本でも見つかっている。

ハイファロサウルス類:熱河のものに近縁なショウカワ・イコイが日本いる。

トカゲ:日本のサクラサウルスは熱河のヤベイノサウルスに近い。

ドリコサウルス類(胴の長いトカゲ。モササウルス類に近いのではないか?)

まとめると、日中の相違は

・2属が共通、2属が近縁。

・手取層群はトカゲ類の多様性が高い

・日本ではトリチロドンが発見されている。

ただし、これらの相違は当時の大陸縁辺部であった日本と内陸部であった中国の違いなのかもしれない。違いよりも共通性のほうが重要ではないだろうか。

質問 

小林:鳥羽竜と熱河の関係は?

真鍋:熱河でも竜脚類の歯は見つかっているらしい。日本では各地で竜脚類の断片が出ているが、この歯が鳥羽竜の歯ではないかと言われている歯を見ると、石川県の歯に似ている。