3「スーパーサウルスと巨大化の時代〜モリソン層の恐竜たちと地球環境」
ケネス・カーペンター 氏
スーパーサウルスは最初、ジム・ジェンセンにより肩甲骨が発見された。さらに1994年にワイオミング州で発見された。(スライド:骨格図。発見された骨だけのものと、全て復元されたもの) 発見されていない骨は近縁のアパトサウルスとディプロドクスのものを使った。33m、アフリカゾウ8頭分、4万kgの体重。
胴椎の特徴には、骨に穴(空洞)があいていることがある。これにより軽量化している。鳥の骨と似ている。鳥の気嚢と似たシステムがあり骨に空気をためて呼吸していたのかもしれない。
頭蓋は見つかっていない。アパトサウルス、ディプロドクスの頭蓋を参考にした。口の前の方にしか歯はない。シダ・トクサ・針葉樹などの歯を食いちぎって1日に500kgくらい食べた。
卵は見つかっていない。アルゼンチンで発見された竜脚類の卵と胚を見ると、小さくてクビは短い。成体との体格差が非常に大きいので、子育てをしたとは考えられない。(スライド:スーパーサウルスの成長曲線) 孵化からしばらくの間は早く成長し、あとはゆっくりした成長になる。幼体時にはヒトと同じような代謝だったかもしれない。
スーパーサウルスはコロラド、ワイオミングの2箇所で発見されている。その場所の岩石を見ると、当時の環境を想像できる。氾濫原で川、湖、池があったのだろう。ジュラ紀と現代では環境が違う。古竜脚類の食べていた葉は栄養価が低かった。そのため胃腸が大きくなり、2足歩行では体のバランスが取れなくなり、4足歩行になった。
北米の乾燥地にスーパーサウルスは生息していたが、やはりその食物となる葉は栄養価が低かった。ジャングルではなく乾燥気候の湖の近くでシダ類の葉などを食べていたのだ。この恐竜が生きていたらどうだったろうと、その気持ちを想像してみてください。
コメント:質問
真鍋:スーパーサウルスには十分な食べ物があったのか?
カーペンター:それほど十分には無かったと思う。岩石をみると400種ほどのシダ類があった。そういうものを食べていた。長いクビを横に動かし、一日中歩きながら食べていた。
董:大きな竜脚類はいろいろなものを食べていて、石を突き抜けて生えていた植物を食べていた。また胃石を使って消化をしていた。
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