2「大型恐竜の大陸・中国における竜脚類の進化」
董枝明 氏
ジュラ紀には中国と他の大陸はつながっていて、全世界の恐竜の種類は同じだった。例えば北米で発見されたディロフォサウルスは中国でも雲南省と四川省南部から発見されている。
ジュラ紀中期には大陸は分裂したが、大陸の南北の分裂はジュラ紀前期のあとに近い方と考えられる。竜脚類はとても長いクビ、尾があり、最大の陸生動物だった。最大級のものは長さ30m、80tもあった。中国の河南省でも30mくらいの恐竜が見つかっている。また四川省自貢からはジュラ紀の恐竜29属が見つかっている。
伝統的な分類では竜脚類の分類は3つに分かれる。頭の大きいタイプ、カマラサウルスなど。頭の平たいタイプ、ディプロドクス類。それにティタノサウルス類は南で発見されている。
中国の竜脚類の分布は、四川省、雲南省それにジュンガル盆地だ。古テチス海の沿岸だったチベットからも出ている。
(このあと、スライドによる恐竜の説明が続きました。ルーフェンゴサウルス、シュノサウルス、オメイサウルス、マメンキサウルス下顎、ベルサウルス、自貢のボーンベッド、クラメリサウルス、オメイサウルス、チュアンジエサウルス産状、同骨格、肩甲骨、ユンナノサウルスなどです。)
体は大型化する進化をしていった。パワーも必要だが同時代に植物も大きくなっていった。体重は重くなったが、頚椎は空洞化が進み、あまり重くならなかった。(スライド)甘粛省で見つかった椎骨。神経棘がY字形に分岐して軽量化している。(スライド)マメンキサウルスの頚肋骨。4.2mある。
(スライド:中国の竜脚類の分岐図) マメンキサウルスは当初ディプロドクス類に分類していたが、最近カマラサウルスに近いことがわかった。竜脚類の生活は、昔、水中で生活するという説もあったが、陸上で生活していた。(スライド:尾の先端の塊) このように重りのある恐竜がいたことも、水中でなく陸生だった証拠だ。
コメント・質問
真鍋:中国ではジュラ紀の気候はどうだったのか?
董:ずいぶん乾燥していたと思う。恐竜は大河のある所に生息していたと思う。
ハント:三畳紀からジュラ紀の気候の乾燥化が恐竜の多様化に影響を与えた。ジュラ紀の後期になると、小さな2〜3mくらいの恐竜も増えた。北米においては、他地域ほど乾燥は速くなく、三畳紀終わり頃になって恐竜は増えてきた。
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