4「大きくなった恐竜と大きくなれなかった恐竜たち〜ジュラ紀のヨーロッパ」
オクタビオ・マテウス 氏
全ての恐竜が巨大だったわけではない。大小は相対的なもの。5mmのバクテリアは大きいが、7mの竜脚類は小さい。大小は恐竜の分類にあまり関係ない。
ジュラ紀後期、大きな竜脚類アパトサウルスなどが出てきた。モリソン層はポルトガルと似ている。
ヨーロッパで一番大きい恐竜を探すと、幅1.2mの竜脚類の足跡、長さ1.7mの竜脚類上腕骨、カマラサウルスに似た恐竜で前肢が4mくらいあるものがある。スーパーサウルスより大きいかもしれない。ここに来るつい数日前に見つかった骨はヨーロッパでも最大級の竜脚類だろう。上腕骨長が2.2mある。9月に発掘予定だ。
一方、巨大であることのデメリットもある。当時のヨーロッパは島だったので食料もあまりない。大きな竜脚類は小さな島では住めない。ドイツでは小さな竜脚類エウロパサウルスが15体以上、群れで見つかっている。成体でも6.2mしかない。
第一部全体に対し、質問・コメント
真鍋:20mを超える大きな体をどのように竜脚類は支えていたのか。骨の中の空洞だけで支えられるか。筋肉に秘密があるのか。
カーペンター:脚がとても太くて強かった。その脚が全て体の下についていた。筋肉があまりなくても、じん帯や腱がつながっていれば支えていられる。体を支えるために水中で生活していたという説もあるが、皆さん、プールで首までつかって呼吸してみてください。水面下わずか下に肺があるだけなのに、呼吸は難しくなる。竜脚類にとってはよけい困難になる。だから陸上で暮らしていた。
マテウス:背骨を押してみると、厚さがかなり薄い所もある。一方、脚はかなり頑丈。背骨は骨そのものが軽い。研究者は恐竜の体重を重く見積もりすぎる気がする。
董:生物の持つ力は想像を絶すると思う。大腿骨は昔丸かったが、後期には平たくなった。力学的な理由があったと思う。板状にして筋肉の付く面積を増やし、力学的にも進化したのだろう。
会場からの質問
子ども:竜脚類の骨は鳥に似て空洞があったというが、獣脚類に似た骨はあったか?スーパーサウルスはジャングルにいなかったそうだが、頭を上にあげていられなかったのか?
マテウス:竜脚類の骨には、とても空洞があった。手足の骨はそうでもない。鳥と竜脚類は同じシステムで進化した。こういう特徴はT-REXにも見られた。
カーペンター:頭を上に上げていられないという質問だったが、スーパーサウルスの頭は下の葉を食べた。9mくらいの高さまでなら食べられただろう。
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