(前歯)
T-REXのもう一つの特徴として、前歯があります。アロサウルスの前歯は
他の歯と長さはそう違わないが、T-REXの前歯はずいぶん違う。T-REXの
仲間の特徴として、前歯が小さいということがあります。
会場にあるディロングという、ティラノサウルス類の原始的なかたちと言われ
るものが、なぜそうなのかという一つの理由に、その前歯がやはり小さいと
いうことがあります。ヴェロキラプトルと同じくらいの恐竜なんですが、ヴェロキ
ラプトルでは前歯の方が大きいくらいになってしまう。
T-REXの前歯の特徴としてよく言われる事に、断面が「D」字形をしていること
があります。ここがセレーションと言って、ステーキナイフのようなぎざぎざが
付いていますが、普通は歯の両側に付いていますが、前歯は内側に2本付い
ています。
アロサウルスも結構「D」字形しているのですが、T-REXほど極端な「D」字
形はしていない。T-REXは「D」字をもっと押しつぶしたような断面をしている。
こちらに岐阜県和泉村から見つかった、小さな歯1本が展示されていますが、
これはT-REXの仲間のかなり古いタイプのものと言われています。歯1本で、
なぜそんな事がわかるかというと、断面が「D」字形をしている事が決定的な
証拠となっています。 |