英国で約80万年前の古人類足跡記載 2.08.14
  東京新聞 英自然史博物館ニュース
  英ノーフォーク州Happisburgh(発音はHaysboroughヘイスボローでしょうか)の
 海岸にある考古発掘サイトで発見されたものです。年代は約80万年前(78~100
 万年前)で、これまでのヨーロッパの記録を少なくとも35万年遡るもの。もちろん
 アフリカ以外では最古です。足跡は約12㎡の範囲に子どもから大人まで少なくと
 も5人の集団であることがわかりました。恐らく家族で、足跡の向きから南に向かっ
 ていたということです。また足跡のサイズから彼らの身長が0.9~1.7mであること
 もわかりました。足跡が残された場所は当時、河口域の泥につけられたそうです。
 波の浸食のため、足跡は壊されてしまいましたが、3Dイメージとして保存されて
 います。
 英自然史博物館はこれにあわせ、Britain: One Million Years of the Human Story
 という特別展を2月13日から開催します。
 Ashton N, Lewis SG, De Groote I, Duffy SM, Bates M, et al. (2014)
 Hominin Footprints from Early Pleistocene Deposits at Happisburgh, UK.
 PLoS ONE 9(2): e88329. doi:10.1371/journal.pone.0088329 論文

人類の祖先の化石などを3Dプリント:Africanfossils.org 11.25.13
  ケニアのトゥルカナ湖周辺で発見された古人類化石などの3Dデータが収蔵され
 ています。

グルジアから発掘された原人化石により、初期ホモ属は同一種だったこと判明 10.18.13
  サイエンス10月18日号ハイライト(PDF) 時事 チューリッヒ大 ナショナルジオグラフィック(日)
  グルジアのドマニシ遺跡から発掘された約180万年前の完全な頭骨により、これまで別種
 と思われていたホモ・ハビリス(Homo habilis)、ホモ・ルドルフェンシス(Homo rudolfensis)、
 ホモ・エレクトス(Homo erectus)などに分類される最古のホモ属は実は同一種であったこと
 がわかりました。
 これまで、各種に固有の特徴と思われていたものが、この頭骨には混在していました。
 アフリカに起源を持つ初期のさまざまなホモ属の化石は実は1つの種、最も妥当なところでは
 ホモ・エレクトスが進化した種族の変形であるとしています。
 David Lordkipanidze, Marcia S. Ponce de Leon, Ann Margvelashvili, Yoel Rak,
 G. Philip Rightmire, Abesalom Vekua, and Christoph P. E. Zollikofer.(2013)
 A Complete Skull from Dmanisi, Georgia, and the Evolutionary Biology of Early Homo
 Science 18 October 2013: 326-331.DOI: 10.1126/science.1238484 アブストラクト

ピルトダウン人発表100周年 12.18.12
  BBC 英自然史博物館
  あの贋作、ピルトダウン人が発表されてから、今週で100周年になるそうです。恐竜関係ではアーケ
 オラプトル以後、研究材料の吟味はより慎重になったように思いますが・・・

ラオスから東南アジア最古の現代人頭骨記載 8.21.12
  AFPBB イリノイ州立大ニュース 同大スライドショー
  ラオス北部、アンナン山脈の洞窟から発見された頭骨が、46000~63000年前のものと判明
 しました。これは東南アジア最古の記録で、これまで考えられてきたより、同地域に現代人が
 到達したのは2万年早かった可能性があるそうです。また現代人がアフリカからアジア沿岸を
 経てオーストラリアに向かった波の一部は、内陸部へも向かったことが明らかになったそうで
 す。
 Demeter et al.,(2012)
 Anatomically modern human in Southeast Asia (Laos) by 46 ka
 PNAS August 20, 2012 doi: 10.1073/pnas.1208104109 アブストラクト

200万年前のアフリカには3種のホモ属が 8.09.12
 トゥルカナ盆地協会 同標本3D画像 ユーレカアラート ナショナルジオグラフィック(日)
 1972年に発見された標本KNM-ER 1470に基づき記載されたHomo rudolfensis は、その保存
 状態の不完全さから、独自の種なのか、同時代に周辺地域に生息していたHomo habilis
 Homo erectus
に含まれてしまうのか、議論が続いていました。
 今回、ネイチャーで発表された新しい標本により、この議論に決着がつきました。ケニヤ北部の
 Koobi Foraで2007年、2009年に発見された、2個の下あごと幼児の顔面下部標本からです。
 これらは1972年の標本と同じく、下顎の歯列弓が四角形に近い形をしていたのです(現代人の
 歯列弓は湾曲した形です)。また幼児顔面下部も1972年の標本によく似ていることが明らかに
 なりました。
 したがって、約200万年前のこの地域には3種のホモ属が同時期に存在していたことが明らか
 になりました。
 Meave G. Leakey, Fred Spoor, M. Christopher Dean, Craig S. Feibel, Susan C. Anton,
 Christopher Kiarie & Louise N. Leakey (2012)
 Previous article Next article New fossils from Koobi Fora in northern Kenya confirm
 taxonomic diversity in early Homo
 Nature 488,201?204(09 August 2012)doi:10.1038/nature11322 アブストラクト

アウストラロピテクス・セディバの食生活 7.05.12
  南アフリカのマラパ地方の遺跡で見つかったアウストラロピテクス・セディバ(約200万年前)
 ( Australopithecus sediba )の化石標本の歯石からC3植物化石が発見されました。調べた
 2個体では炭素同位体と歯の微小摩耗状態からほとんどC3植物を食べていたことがわかり、
 初期ヒト族の摂食パターンの範囲が広がったそうです。
 Amanda G. Henry, Peter S. Ungar, Benjamin H. Passey, Matt Sponheimer, Lloyd Rossouw,
 Marion Bamford, Paul Sandberg, Darryl J. de Ruiter & Lee Berger(2012)
 Previous article Next article The diet of Australopithecus sediba
 Nature 487,90?93(05 July 2012)doi:10.1038/nature11185 アブストラクト
 参考:教えてgoo 

エチオピア、アファールから340万年前の新種と見られる古人類化石 3.29.12
  NHK 47ニュース クリーブランド自然史博物館 ネイチャービデオ
  米クリーブランド自然史博物館ほかのチームが、アファールのWoranso-Mille 地域で発掘した、足の
 化石です。2009年にBurteleというサイトで採集したものです。この時代、約320万年前には「ルーシー」
 でよく知られるアウストラロピテクス・アファレンシスが直立2足歩行をしていました。しかし、今回発見
 された足は、ものを掴むことが出来る一方、土踏まずの構造がなく、440万年前のアルデピテクス・ラミ
 ダスのように木の上で生活するのが得意で、長距離歩行は不得意だったろうといわれています。
 この地域の古環境について、ワニ・カメ・魚の化石が近くから産出し、堆積環境から、河川やデルタチャ
 ネルが入り混じった地域だったということです。そのことから、オープンな森林やブッシュの地域が隣接
 し、同時代に新種の古人類は森林に生息する一方、ルーシーの仲間は地上に棲んでいたことが強く示
 唆されるとしています。
 Yohannes Haile-Selassie, Beverly Z. Saylor, Alan Deino, Naomi E. Levin, Mulugeta Alene
 & Bruce M. Latimer (2012)
 A new hominin foot from Ethiopia shows multiple Pliocene bipedal adaptations
 Nature 483,565?569(29 March 2012)doi:10.1038/nature10922 アブストラクト

北京原人の頭骨は秦皇島の地下に(?) 3.27.12
  中国網(日本語版) Witwatersrand大
  1947年、国共内戦のさなか秦皇島で米海兵部隊にいたRichard Bowen 氏の記憶によると、 Camp
 Holcomb でシェルターを作るために掘削作業を行っているとき、北京原人頭骨の入った箱を発見し、
 しばらくは機関銃の台として利用したというのです。彼の推測では、その後箱を元あった場所に埋めた
 可能性が高いそうです。現在その場所は繁華街の駐車場になっているそうです。はたしてその地下に
 北京原人は眠っているのでしょうか。
 Berger LR, Liu W, Wu X.(2012)
 Investigation of a credible report by a US Marine on the location of the missing Peking Man fossils.
 S Afr J Sci. 2012;108(3/4), Art. #1122, 3pages.
 http://dx.doi.org/10.4102/sajs.v108i3/4.1122

中国で発見の化石、未知の人類か 3.16.12
  ナショナルジオグラフィック(日) ニューサウスウェールズ大 同大科学部
  中国雲南省の馬鹿洞で発見された、約1万1500年前の人類化石は、突出した顎と眉弓をもち、現生
 人類と共存していた全く新しい種の可能性もあるということですが、それに賛成しない意見も多くあるよ
 うです。
 Curnoe D , Xueping J , Herries AIR , Kanning B , Taçon PSC , et al. (2012)
 Human Remains from the Pleistocene-Holocene Transition of Southwest China Suggest a Complex
 Evolutionary History for East Asians.
PLoS ONE 7(3):e31918.doi:10.1371/journal.pone.0031918
 論文

石器によると見られる痕のついた、339万年前の動物の骨 8.12.10
  ネイチャーニュース  朝日 毎日 読売 Greg Laden's Blog
  ユーレカアラート アリゾナ州立大 マックス・プランク協会(独)()
  参考:Dikika Research Project
  人類が石器を使った最古の直接証拠は約250万年前のエチオピアのゴナ遺跡から
 出ています。今回、石器を使って肉切り離したたと見られる傷がついた骨が、ゴナ近
 傍のボウリ遺跡(339万年前)から複数発見されました。走査電顕で見ると、切り離す
 すために石器でつけられた明瞭な切り痕、および骨髄を取り出すために叩いた痕が
 認められたそうです。これが、人類の祖先が石器を使用した明確な証拠とされれば、
 石器使用は80万年以上遡ることになります。
 Shannon P. McPherron,Zeresenay Alemseged,Curtis W. Marean,Jonathan G. Wynn,
 Denne Reed,Denis Geraads,Rene Bobe& Hamdallah A. Bearat
 Evidence for stone-tool-assisted consumption of animal tissues before 3.39
 million years ago at Dikika, Ethiopia
 Nature Volume: 466, Pages: 857-860 DOI: doi:10.1038/nature09248

ヒト上科と旧世界ザルの共通祖先 7.15.10
  時事 ネイチャーニュース ミシガン大ニュース NSF
  サウジアラビア、約2900~2800万年前の地層から発見された頭骨部分化石が、ホミ
 ノイドと旧世界ザルの共通祖先とわかりました。これまで両者の共通祖先はアラビアか
 らアフリカに生息し、分岐は3000~3500万年前と見られていましたが、その年代の化
 石はあまり見つかっていませんでした。それより分岐は新しいことがわかり、分岐年代
 2900~2400万年前になると見られています。
 Saadanius hijazensis と命名されています。
  Iyad S. Zalmout, William J. Sanders, Laura M. MacLatchy, Gregg F. Gunnell, Yahya A. Al-Mufarreh,
  Mohammad A. Ali, Abdul-Azziz H. Nasser, Abdu M. Al-Masari, Salih A. Al-Sobhi, Ayman O. Nadhra,
  Adel H. Matari, Jeffrey A. Wilson & Philip D. Gingerich

 New Oligocene primate from Saudi Arabia and the divergence of apes
 and Old World monkeys
  Nature Volume: 466, Pages: 360--364 DOI: doi:10.1038/nature09094
 参考:霊長類の進化とその系統樹

二足歩行の獲得は通説よりも早かった?6.22.10
 ナショナルジオグラフィック(日)
 クリーブランド自然史博ニュース
  アウストラロピテクス・アファレンシスの新しいオス個体の骨格が発見・記載されまし
 た。アファール語で「大男」を意味する「カダヌームー(Kadanuumuu)」と名づけられた
 そうです。この分析から、これまで考えられていたより二足歩行獲得の時期が早まる
 可能性があるそうです。
  Yohannes Haile-Selassie, Bruce M. Latimer, Mulugeta Alened, Alan L. Deinoe, Luis Giberte,
  Stephanie M. Melillof, Beverly Z. Saylorg, Gary R. Scotte, and C. Owen Lovejoya,

  An early Australopithecus afarensis postcranium from Woranso-Mille, Ethiopia
  PNAS  doi: 10.1073/pnas.1004527107 アブストラクト

南アフリカからアウストラロピテクス属新種 4.09.10
  47ニュース 東京新聞 時事
  南アフリカの首都プレトリア近郊の洞窟から女性と少年の骨格が発見され、アウストラ
 ロピテクスの新種、セディバとして記載されました。
 約190万年前という新しい時代のものです。初期のヒト属に似る特徴をもっているそうで
 す。
 Lee R. Berger, Darryl J. de Ruiter, Steven E. Churchill, Peter Schmid, Kristian J. Carlson,
 Paul H. G. M. Dirks, and Job M. Kibii
 
 Science 9 April 2010: 195-204.DOI: 10.1126/science.1184944 アブストラクト

南シベリアから未知の人類ミトコンドリアDNA 3.25.10
  読売新聞
  ロシア・南シベリアのアルタイ山脈にあるデニソワ洞穴で2008年に発見された小指
 の骨から取り出されたミトコンドリアDNAを分析したところ、現代人やネアンデルタール
 人と約100万年前に分岐したことがわかりました。
 デニソワ人と名づけれられましたが、現代人と形態を比較できる骨は残っていないそう
 です。
 デニソワ人が現代人やネアンデルタール人の祖先と別個に、出アフリカしたこと、また、
 その人類が比較的最近まで現代人やネアンデルタール人と同じ空間に同居していた
 ことが明らかになりました。
 
 Johannes Krause, Qiaomei Fu, Jeffrey M. Good, Bence Viola1 Michael V. Shunkov,
  Anatoli P. Derevianko & Svante Paabo

 The complete mitochondrial DNA genome of an unknown hominin from southern
 Siberia
 Nature advance online publication 24 March 2010 | doi:10.1038/nature08976
 アブストラクト

ホビットの起源、100万年前までにはフロレス島に 3.18.10
  ヤフー(時事) Wollongong大
  Homo floresiensis の祖先がフロレス島にいつから住んでいたか、これまでの研究
 では約88万年前とされていました。今回の研究チームはSoa盆地で発見された石器を
 覆う火山噴出物地層の年代を40Ar/39Ar 法を用いて調べました。その年代は、100万
 年前であることが判明。また堆積層の最下部は180万年前であることから、調査チー
 ムは、Homo floresiensis の祖先が同島にたどり着いたのは180~200万年前でないか
 としています。
 ネイチャーadvance online publication 17 March 2010 | doi:10.1038
 Adam Brumm, Gitte M. Jensen, Gert D. van den Bergh, Michael J. Morwood, Iwan Kurniawan,
  Fachroel Aziz & Michael Storey

 Hominins on Flores, Indonesia, by one million years ago
 アブストラクト

サイエンス ブレークスルーオブザイヤー 12.18.09
   A Tale of Two Paleontologists.
  Ardipithecus ramidus ラミダス猿人の発見・研究にかかわった二人の古生物学者
 を取り上げています。
 Special Online Collection: Breakthrough of the Year 2009でもラミダス猿人関係を
 トップで取り上げています。

最古の人類祖先、ラミダス猿人の全身骨格化石発見 10.02.09
  ユーレカアラートプレスリリース(日) 朝日新聞 読売新聞
  Los Alamos National Laboratory ケント州立大ニュース
  ラミダス猿人Ardipithecus ramidus は、約440万年前に遡る、現生人類につなが
 る最古の猿人です。あの「ルーシー」より100万年以上古い時代です。1994年、主
 に頭骨や顎、歯などにより記載されていました。
 今回、東大の諏訪元教授らのグループが全身骨格からその全体像を復元し、さら
 に、その生態から生息環境まで明らかにしました。

 サイエンス10月2日号はこの特集です。冒頭の概要論文では、「アルディ」と呼ばれ
 る体重50kg、身長120cmの女性の頭蓋骨、四肢、骨盤を含む部分的な化石骨など、
 110 を超えるArdipithecus の標本の発見を紹介しています。ほかに、Ardipithecus
 の生息環境を記述した3本の論文、Ardipithecus の特殊な生体構造を分析した5本
 の論文、今回の新しい科学情報が人類の進化に対して示唆するものを考察する2本
 の論文が掲載されます。

 プレスリリースによると、「これまで一般に、チンパンジー、ゴリラ、その他の現生アフ
 リカ類人猿はヒトとの最後の共通祖先の特徴を多数持っている⎯言い換えれば、祖
 先であると考えられている種は、ヒトよりもチンパンジーに似て、たとえば木の枝に
 ぶら下がって移動するのに適応し、前肢を地面に付けて歩いていると思われていた。
 しかし、Ardipithecus に関する研究ではこの説を問う結果が出た。Ardipithecus
 森林地帯に住み、中新世の霊長類と同様に四肢を枝に這わせて木を登り、地上では
 直立二足歩行を行っていた。チンパンジーのように前肢の指を地面に付けて歩いた
 り、木の枝をぶら下がって移動しながら大半の時間を過ごしたりすることはなかった
 と思われる。結論として、今回の研究結果がヒト科とアフリカ類人猿はそれぞれが別
 の進化経路を辿ったことを示唆していることから、もはやチンパンジーをわれわれの
 最後の共通祖先のモデルとみなすことはできない。」としています。

ケニアで150万年前のヒト属の足跡 2.27.09
  時事 Rutgers大ニュース サイエンスナウ ナショナルジオグラフィック(日)
  AFPBB
  ケニアのIleretで発見された151万年から153万年前の足跡は、375万年前の
 ラエトリの足跡に次いで古いものになります。しかし、ラエトリの足跡は、アウスト
 ラロピテクスにより残されたであろうもので、土踏まずは弱く、親指は他の指に対
 し、角度をもって離れているなど樹上生活の名残があります。今回報告された足
 跡では、足指はどの指も平行、かかとに丸みがあり、土踏まずがはっきりしている
 など、現代人に繋がる特徴が表れています。足跡の主は、ホモ・エルガステルか
 ホモ・エレクトゥスではないかとされています。
 Matthew R. Bennett, John W.K. Harris, Brian G. Richmond, David R. Braun, Emma Mbua, Purity
 Kiura, Daniel Olago, Mzalendo Kibunjia, Christine Omuombo, Anna K. Behrensmeyer, David Huddart,
 and Silvia Gonzalez
 Early Hominin Foot Morphology Based on 1.5-Million-Year-Old Footprints from Ileret, Kenya

 Science 27 February 2009:Vol. 323. no. 5918, pp. 1197 - 1201
 DOI: 10.1126/science.1168132 アブストラクト

前人類「ルーシー」をデジタルスキャン 進化の謎解明を目指す 2.09.09
  ITmedia テキサス大オースティン校ニュース
  テキサス大オースティン校、人類学教授のジョン・カッペルマン達のチームは、現在
 米国内を巡回展中のアウストラロピテクス「ルーシー」の骨格を高解像度CTスキャン
 しました。これにより、デジタルルーシーが出来上がり、さらに最も研究される標本とな
 るのでしょう。
 画像リンクを見るにはUsername: utnewsmedia、Password: 49lvnw75 要入力です。
 参考:eLucy

出生時から大きいホモ・エレクトスの脳 11.14.08
  ナショナルジオグラフィック(日) インディアナ大ニュース
 2001年、エチオピア、アファールのGona研究エリアで発見された、120万年前のホモ・
 エレクトス女性の骨盤を調べた結果、新生児の頭骨は、これまで想定されていたより
 30%大きかったことがわかったそうです。
 Scott W. Simpson, Jay Quade, Naomi E. Levin, Robert Butler, Guillaume Dupont-Nivet,
 Melanie Everett, Sileshi Semaw
 A Female Homo erectus Pelvis from Gona, Ethiopia
 Science 14 November 2008: Vol. 322. no. 5904, pp. 1089 - 1092
 DOI: 10.1126/science.1163592

人類の出アフリカはサハラ砂漠の古代の川伝いに? 10.14.08
  BBC ニューサイエンティスト ブリストル大ニュース
  人類の出アフリカといえば、最近は海岸沿いに紅海を渡るというルートと考えられて
 いるようです。ブリストル大のAnne Osborneこの研究では衛星レーダーからやっと判
 別できる、リビアのサハラ砂漠中にある古代の川沿いに、約12万年前、地中海に達し
 たということです。
 PNAS (DOI: 10.1073/pnas.0804472105)

北米大陸への人類移住は1万4300年前、大便化石調査で判明 4.07.08
  AFPBB
  オレゴンの砂漠地帯にある古代の洞穴から発見された人間の大便の化石から
 採取したDNAを放射性炭素による年代測定法で調べたところ、約1万4340年前と
 判明。北米大陸への移住がこれまで考えられていたより1000年以上前に行われ
 ていたことが明らかになりました。
 オレゴン大ニュース コペンハーゲン大ニュース
 M. Thomas et al.
 DNA from Pre-Clovis Human Coprolites in Oregon, North America
 Science Express Published online April 3 2008; 10.1126/science.1154116
 アブストラクト

ヨーロッパ最古の人類 3.27.08
  読売 BBC ナショナルジオグラフィック 
  スペイン、アタプエルカのシマ・デル・エレファンテ遺跡のTE9層(約120~110万年前)で
 石器、加工の跡のある動物化石と共に人類の下顎化石が発見されました。
 これまでヨーロッパ最古に人類の年代について、はっきりしなかったのですが、従来考え
 られていたより早くヨーロッパに到達したようです。

 Eudald Carbonellほか
 The first hominin of Europe
 ネイチャー3月27日号Nature 452, 465-469 (27 March 2008) | doi:10.1038/nature06815

太平洋パラオ諸島でまた「ホビット」を発見 3.12.08
  AFPBB ナショナルジオグラフィック Witwatersrand大ニュース ネイチャーニュース
  ナショナルジオグラフィック日本版
  インドネシアのフロレス諸島で発見されたホモ・フロレシエンシスについては、今だ議論が絶
 えません。今回パラオ諸島で発見された、身長1mあまりの人類化石は、これに特徴が似てい
 るそうです。900から2900年前というと、ごく最近ですね。

 Berger LR, Churchill SE, De Klerk B, Quinn RL (2008)
 Small-Bodied Humans from Palau, Micronesia.ダウンロードできます。
 PLoS ONE 3(3): e1780. doi:10.1371/journal.pone.0001780

ネアンデルタール人がその生涯で移動を行った直接証拠 2.17.08
  マックスプランク協会
  ギリシャ南部Lakonisにある海岸石灰岩洞穴で発見された第3臼歯が、初の証拠となりまし
 た。親知らずともいうこの歯、7から9歳の間に形成されるそうですが、ストロンチウム同位体
 による分析により、形成された間に火山性基盤の地域にいたことがわかりました。
 ネアンデルタール人が移動をしたか、狭い地域で生活したか議論があるそうです。この発見
 により、少なくとも20km以上移動したことが明らかになったそうです。
 
中国で10万年前のヒトの頭骨を発見 1.24.08
  AFPRB 中国国家文物局ニュース 河南文物網ニュース
  中国国家文物局河南文物局が22日北京で発表したところによると、河南省許昌灵井遺
 跡から約8万から10万年前のヒトの頭骨が発見されたそうです。許昌人と名づけられました。
 260㎡の遺跡から、旧石器や骨器、動物化石など約3万点も発見されています。
 
古人類化石が発見 中国人祖先は三峡地区に誕生 11.15.07
  北京週報
  
人類化石の発見目指す/南城市の洞穴 11.09.07
  沖縄タイムス
  新たな人類化石の発見を目指す研究者らの発掘調査が南城市の「ハナンダー洞窟」で行わ
 れているそうです。

「ホビットはヒトの新種」説を裏付ける新たな証拠、手首構造の分析で 9.25.07
  AFPBB News
  「ホビット」の手首の構造が極めて原始的で、現代のサルか原始人類に似ていることが判明

グルジア原人:チンパンジーと現代人の特徴 177万年前 9.20.07
  毎日新聞 ネイチャーニュース チューリッヒ大ニュース(独語)
  ドマニシで発見された原人の体幹、体肢化石から、原始的な特徴と派生形質が混在していることが
 わかりました。原始形質としては、小さい体サイズ、低い大脳化指数、上腕骨のねじれがないことなど
 がみられ、派生形質としては、現生人類に近い身体比率、長距離移動能力を示す下肢形態などがみ
 られるそうです。
 ネイチャー9月20日号
 David Lordkipanidze et al. 2007
 Postcranial evidence from early Homo from Dmanisi, Georgia
 Nature 449, 305-310 (20 September 2007) | doi:10.1038/nature06134
 参考:Dinosaurs & Fossils

人とゴリラ、分岐は1200万年前 人類進化史書き換え 8.23.07
  朝日新聞 読売新聞 毎日新聞
  ゲノムによる解析ではヒトとゴリラの祖先の分岐は800万から600万年前といいますが、
 アファール地溝帯南端のチョローラ層の堆積物(1050から1000万年前)から産出した
 Chororapithecus abyssinicus という大型類人猿の歯の形や特徴が現生のゴリラと同様
 であることが判ったそうです。これがゴリラの祖先なら、これまでの説より分岐は少なくと
 も200万年遡ることになるそうです。
 ネイチャー8月23日号
 Gen Suwa(諏訪元), Reiko T. Kono, Shigehiro Katoh, Berhane Asfaw & Yonas Beyene
 A new species of great ape from the late Miocene epoch in Ethiopia
 Nature 448, 921-924 (23 August 2007) | doi:10.1038/nature06113
 参考:初期人類における種分化と同所性について11.03.00

「世界最古の人類の足跡」を発見 エジプト8.22.07
  CNN.co.jp
  エジプト西部のシーワ・オアシスで約200万年以上前の足跡だそうです。

ヒト進化の道変わる? ハビリス、人類祖先の兄弟分か 8.09.07
  朝日新聞 ネイチャーニュース
  ホモ・ハビリスとホモ・エレクトスは50万年間共存していたことが化石記録からわかったそう
 です。両者は祖先・子孫の関係でなく、兄弟分の関係だったのかも。

 F. Spoor, M. G. Leakey, P. N. Gathogo, F. H. Brown, S. C. Antón, I. McDougall, C. Kiarie, F. K. Manthi & L. N. Leakey
 Implications of new early Homo fossils from Ileret, east of Lake Turkana, Kenya
 ネイチャー8月9日号 p688 doi:10.1038/nature05986

祖先集団のボトルネック効果が現生人類の表現型変異に及ぼした影響 7.19.07
  ネイチャー7月19日号 doi:10.1038/nature05951
  Andrea Manica, William Amos, François Balloux & Tsunehiko Hanihara
  The effect of ancient population bottlenecks on human phenotypic variation
  膨大な遺伝子データにより進展可能となった解剖学的新人の古代人口の統計解析を
 参考にして、頭蓋骨計測値の大規模データベースが新たに分析され、アフリカ単一起
 源が疑う余地なく裏付けられたそうです。

省エネだから2足歩行? 米研究者ら酸素消費量調べ推論 7.18.07
  朝日新聞 CNN.co.jp アリゾナ大ニュース
  ヒトの2足歩行の酸素摂取量はチンパンジーの1/4程度という結果がでたそうです。
  Michael D. Sockol, David A. Raichlen, and Herman Pontzer
   Chimpanzee locomotor energetics and the origin of human bipedalism
  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0703267104
  
エチオピア、アファール地方でアウストラロピテクスのギャップを埋める顎化石
  7.18.07 MSNBC ナショナルジオグラフィック
  カーネギー自然史博物館ニュースリリース 同写真

  アファール地方のWoranso-Milleというところで発掘をしていたカーネギー自然史博
 物館のチームは、アウストラロピテクスの2つの年代の離れた種、Australopithecus
 anamensis
(4.2 - 3.9百万年前) と Australopithecus afarensis (3 - 3.6 百万年前)
 のギャップを埋める顎化石(3.5-3.8百万年前)を発見したそうです。
 
スペインで120万年前の人類の歯発見 6.30.07
  ヤフーニュース(AFP)
  西ヨーロッパ最古だそうです。

中国人の祖先、アフリカからのみではない 科学院
  人民日報日文版
  フジサンケイビジネス

成長パターンが同じ最古の化石=16万年前の人類、現代の子と-国際チーム
  3.13.07
  時事ドットコム

インドネシア・フロレス島の"ホビット"の洞穴、再発掘へ 1.26.07
  BBC
  フロレス島で発掘された"フロレス原人"が本当に新種なのか、まだ論争は続いています。インド
 ネシア当局は、2005年以来、洞穴の発掘を許可してきませんでした。しかし、当初の発掘メンバー
 の一人、Richard Roberts によると、発掘の政治的ハードルは取り除かれたようです。

Little Foot の年代は100万年若かった 12.09.06

日本人の起源探る/南城の洞穴 国・県調査 「港川人」超す発見期待 11.21.06
  沖縄タイムス
  通称「ハナンダー洞穴」の調査でリュウキュウジカなどの化石が数百点出ているそうです。

「旧人」ゲノム解析へ、化石人骨でDNA解析に成功 11.16.06
  読売新聞 毎日新聞 朝日新聞
  ネイチャーNeanderthal DNA

旧人と新人ハーフ?の化石 米などのチーム ルーマニアで発見35000年前の人骨 10.31.06
  西日本新聞  BBC ライブサイエンス ナショナルジオグラフィック

'ホビット'は新種人類ではなかった 10.11.06
  ユーレカラート
  フロレス島から発見された化石を比較すると新種人類ではなかったようです。

有力情報は「皇居の地下室」? 北京原人化石の行方やいかに 9.28.06
  産経新聞
  人民日報 「『皇居の地下室』は産経新聞の報道を根拠に」としています。

アファール猿人、最古の子どもの化石、エチオピアで発見 9.21.06
  Australopithecus afarensis の3歳の女児です。エチオピア約330万年前の地層から。直立歩行
 できる特徴ともつと同時に木登りも得意だったようです。
 毎日新聞 読売新聞 朝日新聞
 ネイチャー Hominid evolution and development ネイチャーニュース
  Geological and palaeontological context of a Pliocene juvenile hominin at Dikika, Ethiopia
  Jonathan G. Wynn, Zeresenay Alemseged, René Bobe, Denis Geraads, Denné Reed and Diana C. Roman
  doi:10.1038/nature05048
 ニューサイエンティスト ナショナルジオグラフィック 

ネアンデルタール人、、“現代人”と長く共存…遺跡発見 9.14.06
  読売新聞
  約3万年前までに地上から姿を消したと考えられていたネアンデルタール人が2万8000~2万
 4000年前まで生存していたことを示す生活跡が、イベリア半島で発見されたそうです。
 ネイチャーニュース

インドネシアの身長1mの化石 「ヒトの新種」に異論 8.24.06
  朝日新聞 ネイチャーニュース ペンシルバニア州立大ニュース
  インドネシア、フローレス島で発見された ホモ・フロレシエンシスは、新種ではなく 病気で大きくなれな
 かった現代人(ホモ・サピエンス) とする論文がPNASに出ます。議論に決着がつくのは、まだ先かもしれ
 ません。
 PNAS Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0605563103 オープンアクセスです。
 Pygmoid Australomelanesian Homo sapiens skeletal remains from Liang Bua, Flores: Population affinities
  and pathological abnormalities
 T. Jacob, E. Indriati, R. P. Soejono, K. Hsü, D. W. Frayer, R. B. Eckhardt, A. J. Kuperavage, A. Thorne, and M. Henneberg

ネアンデルタール人のゲノム解読へ 7.22.06
  CNN.co.jp 毎日新聞
  米の454ライフサイエンス社と独のマックス・プランク研究所が共同で。人類の脳の進化などをめぐる
 なぞを解く上で、大きな成果が期待されるとのことです。
  CNN ネイチャーニュース

ヒトの祖先とチンパンジー、交雑の可能性 5.18.06
  ネイチャーAdvance online publication
  Genetic evidence for complex speciation of humans and chimpanzees
  Nick Patterson, Daniel J. Richter, Sante Gnerre, Eric S. Lande and David Reich
  ヒトとチンパンジーのゲノム比較により、いったん分岐したあとも長期にわたり交雑し、最終
  的に分岐したのは定説より100万年以上おそいことがわかったそうです。
  MSNBC ネイチャーニュース ニューサイエンティスト
  Broad Institute of Harvard and Massachusetts Institute of Technology
  読売新聞

人類の進化、440万年前のラミダス猿人から道筋 4.13.06
  朝日新聞
  アウストラロピテクス属の中で最も古いアナメンシス猿人の化石を、エチオピア北部
 ラミダス猿人と同地域で発見。
 ネイチャー4月13日号掲載
 Asa Issie, Aramis and the origin of Australopithecus
 Tim D. White他 Nature 440, 883-889 (13 April 2006) | doi:10.1038/nature04629
 カリフォルニア大バークレー校ニュース
 カリフォルニア大バークレー校人類進化研究センタープレスリリース

エチオピアでホモ・エレクトスとホモ・サピエンスの間隙を埋める頭蓋発見 3.24.06
  アジスアベバから約500km南東、Gawisという都市近郊で。20から50万年前のもの。
 エチオピア研究者Sileshi Semaw(インディアナ大)
 ヤフーニュース(ロイター) MSNBC ライブサイエンス ナショナルジオグラフィック
 参考:Stone Age Institute

250万年前の猿人、死因はワシの襲撃?論争に決着か 1.16.06
  13日付読売新聞
  ディスカバリーチャンネル ライブサイエンス MSNBC CNN
  American Journal of Physical Anthropology

ヨーロッパで最後のネアンデルタール人、年代遡る 1.08.06
  ワシントン大セントルイス校ニュース
  1998年から99年にクロアチアのVindija洞穴から発掘されたネアンデル
 タール人骨は、当時の年代測定で28,000から29,000年前とされていまし
 た。が、再測定で年代が32,000から33,000年前に遡りました。
 このあたりの年代は、ネアンデルタール人とクロマニヨン人が同居してい
 たかどうかを考える際に重要です。
 PNAS1月5日付

消えた北京原人、やはり米軍施設に? 43年憲兵隊報告 1.02.06
  朝日新聞
  米に避難させるため、米軍施設に

2万年前の人類の足跡発掘、豪で化石457個 12.24.05
  22日付日本経済新聞

三峡古人類化石、歴史を改変する可能性が 11.24.05
  長江の三峡地区で初めて古人類の頭蓋骨の化石を発見したそうです。6万
 ~2、3万年前の頭蓋骨と実証されれば、東アジア人の進化史は改変される可
 能性があるそうです。
 人民日報日本語版 チャイナネット
 人民日報

1000万年前の類人猿化石発見 ケニアで下あご部分 11.03.05
  朝日新聞

北京原人の頭骨は皇居地下室に? 10.30.05
  人民日報ほか
  2001年に米で発行された「黄金武士」という本の紹介の体裁をとっています。中身は
 日本が中国の財宝や貴重な図書や北京原人も含め持ち帰り、皇居の地下に収められ、
 一部は米に渡って冷戦の資金になったという説。
 それらしき本をアマゾンで探してみましたが、2003年にハードカバーで発行された、
 Gold Worriorsという本が近い内容ですが、発行年が違います。
 こういうニュースは他の社会情勢と考え合わせてみるほうがいいでしょう。

類人猿の共通祖先?ケニアで1千万年前の化石発見 10.29.05
  1000万年前の大型類人猿化石だそうです。11月4日から横浜市開港記念館で開催
 される、第59回日本人類学会大会で中務真人(なかつかさ・まさと)京大助教授(自然
 人類学)が発表するそうです。
 読売新聞
 京都大学理学研究科 中務研究室
 京都大学自然人類学研究室

Homo floresiensis の新標本 10.1105
  豪、サウスウェールズ、ニューイングランド大のMichael Morwoodらは、フロレス原
 人の新標本を発表したそうです。昨年記載された頭蓋(LB1)のの顎や肢骨などです。
 この発見により、フロレス原人が現代人の矮小化したものではないことが明らかに
 なったとしています。また、発掘サイトから切削痕のあるステゴドンの骨も発見され
 これはフロレス原人がステゴドンを解体したことを示唆するとしています。
 また、焦げた石は動物の骨もあり、彼らが火を点すことを知っていたことを示唆する
 としています。
 ニューサイエンティスト BBC ネイチャー

ネアンデルタール人と現生人類は欧州で共存と 英科学者ら 9.12.05
  CNNco.jp

北京原人捜索プロジェクト7月開始 6.10.05
  読売新聞
  人民日報日本語版 新華社

「小型人類」今も生存 フロレス島の化石で研究者 4.29.05
  ホモ・フロレシエンシス発掘地近くの村には体形が極めて小さい人ばかりが住
 む村があり、化石は現代人ホモ・サピエンスだという見解が発表されています。
 川北新報

最古のヒトはこんな顔? 700万年前の化石で復元 4.07.05
  ネイチャー4月7日号Virtual cranial reconstruction of Sahelanthropus tchadensis
  700万年前の猿人Sahelanthropus tchadensis 愛称トゥーマイ"Toumai"の 復元像
  が発表されました。愛地球博グローバルハウスで7日から展示されるそうです。
  ヒトの祖先である確信がいっそう強くなったとのこと。
  朝日新聞 BBC

歯なしの原人化石発見、177万年前に介護の芽生え? 4.07.05
  ネイチャー4月7日号The earliest toothless hominin skull
  歯を失ったあとも数年生きていたそうです。
  読売新聞

ネアンデルタール人の完全に関節した骨格復元 3.13.05
  Neanderthal reconstructed G.J. Sawyer, Blaine Maley
  The Anatomical Record Part B: The New Anatomist Vol. 283B, Issue 1 , pp. 23 - 31

  ネアンデルタール人の骨格を今まで厳密に科学的に復元してはいなかったようです。
 今回、G.J. Sawyerらの手により復元された骨格は、フランスで1909年に発見された、
 Ferrassie 1という標本に基づき、欠けた部分は他の標本で補っています。

 これで現代人と形態的な相違が明らかになります。
 明らかになったことの一つに、胴体の形があります。これまで胴は樽型と示唆されてい
 ましたが、肋骨の形から、ベル型であることがわかりました。また身長もこれまで考えら
 れていたより少し低く、163.8cmということです。
 ユーレカラート ナショナルジオグラフィック

最古の二足歩行猿人? 400万年前の化石 3.07.05
  CNN日本  BBC MSNBC

小さい脳でも能力は高い? インドネシアで発見のヒト 3.04.05
  サイエンスエクスプレス Dean Falk
  朝日新聞 読売新聞 ライブドア ナショナルジオグラフィック
  BBC ニューサイエンティスト ネイチャーニュース
  Homo floresiensis

チンプとゴリラは300-400万年前にウィルス感染。だがヒトは?
  チンパンジーとゴリラの祖先は300-400万年前にウイルス感染があり、
 現在DNA上にレトロウイルスのとして存在しているそうです。しかしヒトと
 オランウータンには無いそうです。これは何を意味しているのでしょう。
 Lineage-Specific Expansions of Retroviral Insertions within the Genomes of African
 Great Apes but Not Humans and Orangutans PLoS Biol 3(4): e110
 論文ダウンロードできます。

現生人類化石、最古は19万5000年前? 2.17.05
  ネイチャー2月17日号 Nature 433, 733 - 736 (17 February 2005); doi:10.1038/nature03258
  Stratigraphic placement and age of modern humans from Kibish, Ethiopia

  IAN MCDOUGALL, FRANCIS H. BROWN & JOHN G. FLEAGLE
  1967年にエチオピアのオモ川付近で発見されたOmo I と Omo IIと
 呼ばれる頭蓋が産出したキビシュ層の年代を40Ar/39Ar 法より、検討
 した結果、現生人類の登場は19万5千年前まで遡るとしています。
 ネイチャーニュース 読売新聞

インドネシアで身長1mの新種Homo属骨格 10.28.04

北京原人の化石 再び出土の可能性 10.20.04

北京原人遺跡 未発掘層を求めてボーリング調査 10.12.04

<猿人>600万年前に二足歩行 骨のCT分析で判明 9.03.04

Ardipithecus(ラミダス猿人)の亜種、独立した種に 3.05.04
  2001年、エチオピアの中部アワシュ、から発見された520から580
 万年前の化石は、発見されラミダス猿人の亜種 Ardipithecus ramidus
 kadabba とされていました。今回、2002年にアワシュのAsa Koma地域
 3から発見された、約560万年から580万年前の小臼歯などの研究によ
 り、、ラミダス属の新種Ardipithecuskadabba となりました。
 サイエンス
 朝日 読売 毎日

260万年前最古の石器と使用跡、エチオピアで発見 10.27.03
  読売新聞 ヤフーニュース(読売)
  Journal of Human Evolution

欧州最古の現代人化石、ルーマニアで発見 9.25.03
  ヤフーニュース(読売)23日付
 ネアンデルタール人とのつながりも
 CNN MSNBC ワシントン大ニュース PNASアブストラクト

一夫一婦制は猿人から 7.15.03
  Australopithecus afarensis(アファール猿人)の腕や脚などの化
 石を詳細に分析したところ、従来思われていたよりはるかに性差
 が小さいことが判明したそうです。
 これにより、一夫一婦制に近い段階は猿人までさかのぼることに
 なるそうです。
 オハイオ州ケント州立大学のC. Owen Lovejoyらの研究。
 Proceedings of the National Academy of Sciences に論文が
 載るそうですが、まだ15日段階では出ていないようです。
 ヤフーニュース
 ケント州立大学ニュース1 ニュース2

北京、周口店近くの遺跡で2万5千年前の古人類化石発見
  7.09.03
  ヤフーニュース(共同) 人民日報日文版 人民日報
  中国科学院 人民日報日文版7.16.03

ジャワ原人は絶滅種 2.28.03
  朝日新聞 

2化石は実は同一種、「最古のヒト」論争に幕 2.21.03
  ヤフーニュース
  MSNBC BBC

Sahelanthropus or 'Sahelpithecus'? 10.10.02
  ネイチャー10月10日号掲載 Nature 419, 581 - 582 (2002);
  MILFORD H. WOLPOFF, BRIGITTE SENUT, MARTIN PICKFORD & JOHN HAWKS
  Brunet et al. reply
  7月11日付で紹介した、チャドで発見された600-700万年
 前のヒト科新属新種について、疑問を投げかけるディベート
 がブリーフコミュニケーションに掲載されています。
 表題でわかるように、ヒトの系統なのかどうか、疑問もつ研
 究者は、ゴリラやチンパンジーの系統でないかとしています。
 ABC BBC NSNBC ネイチャーサイエンスアップデート
 ネイチャーバイオニュース(日本語)
 参考:Tomai The face of The Deep

ジャワ原人はかなり“石頭”だった!?  9.24.02
  高精度のX線マイクロCTにより本物同様の精密なデジタル画像
 に。解析した結果、ジャワ原人の頭骨は密度が高く、厚さが1cm。
 ヤフーニュース
 参考:国際人類民族学会議

ネアンデルタールから最初のネアンデルタール人化石 9.11.02
  独デュッセルドルフ近くのネアンデルタール(タールはドイツ語で谷)
 から、最初に発見されたネアンデルタール人化石の残片が発見され
 たそうです。
 1856年にネアンデル渓谷の洞穴で、最初のネアンデルタール人化石
 が発見された時、大きい骨は保存されましたが、石切り場の労働者は、
 小さい骨や断片を20mほど谷底に投げ捨てたそうです。
 
 シカゴのロヨラ大の古生物学者、フレッド・スミスらは、歴史的な記録
 から、どこに投げ捨てられたか計算し、発掘しました。そこを4mほど発
 掘すると、最初のネアンデルタール人の大腿骨にあう断片や、未知の
 2人ネアンデルタール人骨断片など75の断片を発見したそうです。女
 性と12歳くらいの子供の骨なので、先のネアンデルタール人の家族
 かもしれません。
 石器、動物の骨も発見されたそうです。

 DNA分析からはドイツのネアンデルタール人より、東ヨーロッパのネ
 アンデルタール人に近いという結果がでたそうです。
 ネイチャーサイエンスアップデート CNN 

中国広西壮族自治区で80万年前の人類遺跡 9.11.02
  広西、百色盆地田東件祥周鎮百渡村では700平方メートルの試掘
 現場から、大量の石器が発見されています。1000点以上とのこと。
 新華社(写真2枚) 人民日報日文版

失われたネアンデルタール幼児骨格、90年ぶり再発見 9.05.02
  ネイチャー9月5日号掲載 Nature419, 33 - 34 (2002)
  A lost Neanderthal neonate found   BRUNO MAUREILLE
  'Le Moustier 2'として知られる、生後1カ月のネアンデルタール幼児
 骨格再発見が、ショートコミュニケーションで報告されています。
 
  1914年、フランス南部のMoustierで発見。が、1921年の記載後行方
 不明に。1996年にDordogneのLes Eyzies にある国立先史博物館の
 コレクションから発見。これをMAUREILLE は'Le Moustier 2'であると報
 告しています。

 骨格は骨盤など一部が欠けているだけで、これまででもっとも完全な
 ネアンデルタール幼児化石です。約4万年前のものだそうです。ネア
 ンデルタール人の進化や骨学研究のために重要な標本とのこと。
 ネイチャーサイエンスアップデート BBC ニューサイエンティスト
 ABC サイエンティフィックアメリカン
 ネイチャーバイオニュース(日本語)

猿人化石「ゴリラ」説に「明らかに人類祖先」と反論 仏教授7.13.02
  ヤフーニュース(毎日)

アフリカ中部のチャドの中新世後期層で出土した新しいヒト科化石 7.11.02
  A new hominid from the Upper Miocene of Chad, Central Africa
  MICHEL BRUNETほか
  ネイチャー7月11日号掲載 Nature 418, 145- 151(2002)

  アフリカ東部の大地溝帯から2,500km離れたアフリカ中部のチャドで発見された、
 6個のヒト科化石標本についての報告です。
 その中にはほぼ完全な男性の頭骨のほか、下あごの破片2個と遊離した歯3本が
 あるそうです。
 
 これに伴う動物化石から、年代は600-700万年前とされています。これらの化石は、
 原始的な特徴と派生的な新しい特徴とが他に見られない併存の仕方をしており、ヒ
 ト科の新属新種となるそうです。
 Sahelanthropus tchadensis gen. et sp. nov. と命名されています。属名はサハラ
 以南を示すサヘルを意味し、種名は全ての標本がチャドで発見されたことを表してい
 ます。

 原始的な特徴と派生的な新しい特徴とが他に見られない併存の仕方をしており、ヒト
 科の新属新種となります。
 大地溝帯からの距離と、化石の年代の非常な古さからすると、ヒト科クレードの最古の
 仲間はこれまで考えられていたよりも広く分布していたと考えられ、ヒト系統とチンパン
 ジー系統の分岐は大方の分子解析研究で示された年代よりも古いことが示唆される
 ということです。
 ネイチャージャパン(無料の登録をすれば関連論文もダウンロードできます)
 ネイチャーサイエンスアップデート
 朝日新聞 ヤフーニュース(読売) 毎日新聞 毎日フォトジャーナル
 BBC MSNBC
 La Cooperation francaise au Tchad (仏語)

 ヒト科化石が出土したチャドのToros-Menalla遺跡の中新世後期層の地質と古生物
 Geology and palaeontology of the Upper Miocene Toros-Menalla hominid locality, Chad
 PATRICK VIGNAUDほか
 ネイチャー7月11日号掲載 Nature 418, 152- 155(2002)
 Sahelanthropus tchadensis が出土した地層の解析について。
 魚類やワニ類、水陸両生哺乳類といった水生動物がかなり含まれ、加えて、拠水林や
 サバンナで見られる霊長類やげっ歯類、ゾウ、ウマやウシといった動物類も含まれる。
 こうした動物相は、生物年代学的に考えると、700万年から600万年前の間に相当する。
 堆積学的証拠と合わせると、この動物相から、サヘラントロプス・チャデンシスは湖沼に
 近いが砂漠からもそう遠くない環境で暮らしていたと示唆される。これはおそらく、アフリ
 カ中部の北側が新第三紀に砂漠であったことを示す最古の記録である。

英でネアンデルタール人の食肉解体遺跡発見 6.26.02
  BBCニュース ニューサイエンティスト

アフリカ多雨林でのチンパンジーの石器サイト発掘 5.27.02
  サイエンス5月24日号掲載 Science 2002 296:pp.1452-1455.
  Excavation of a Chimpanzee Stone Tool Site in the African Rainforest
  Julio Mercader, Melissa Panger, and Christophe Boesch

  チンパンジーにも地域により多様な文化があるそうです。シロアリ釣りをす
 る地域もあれば、石で硬い実を割って食べる地域もあります。この研究では
 コートジボアールのタイ森林で石を使ってナッツを割るチンパンジーのサイトを
 考古学的に発掘しています。
 特にPanda 100と呼ばれるサイトでは実を割るのに使った、石の破片4kg以上、
 それに木の実の殻40kg以上がでてきたそうです。ここでは100年以上ナッツ
 割りが継続されてきているのだそうです。

 実際に発掘された石の破片は、250万年以前の人類の祖先が使ったとされる
 オルドワン石器と大きさや形が似ているそうです。このことから、逆に、ヒトの
 祖先の石器使用跡とされたものが、実は類人猿のナッツ割りの跡だったかも
 しれないという、再検討の必要も示すそうです。
 ヤフーニュース(読売) CNNニュース ナショナルジオグラフィックニュース
 マックス・プランク協会リサーチニュース

ネアンデルタール人は道具を作るためににかわを使った 1.21.02
  BBCニュースです。

南アフリカで77,000年前の幾何模様石器発見 1.14.02
  これまで最古のものより2倍古いそうです。1999年と2000年にケープタ
 ウン東方約300kmのブロンボス洞くつで見つかったものだそうです。
 CNN ABC BBC サイエンスエクスプレス The Blombos Cave Project
 ヤフーニュース(読売) 毎日フォトジャーナル
 ネイチャーサイエンスアップデート

ホモ・エレクトゥス以前のヒト亜科と現生人類は歯の成長過程によって
  区別される 12.06.01
  ネイチャー12月6日号
  Growth processes in teeth distinguish modern humans from Homo
  erectus and earlier hominins
  CHRISTOPHER DEAN, MEAVE G. LEAKEY, DONALD REID, FRIEDEMANN SCHRENK,
   GARY T. SCHWARTZ, CHRISTOPHER STRINGER & ALAN WALKER


  歯の成長過程を調べると、私たちの初期の祖先には青春時代は無かった
 のかもしれません。
 研究者たちは、歯のエナメル質の日ごとに成長するパターンを調査しました。
 化石ヒト亜科標本としてAustralopithecus anamensis (420-390万年前)、
 Homo habilis(230-180万年前)、H. erectus/H. ergaster (190-80万年前)、
 ネアンデルタール人(30万-2万8千年前)、サルのProconsul(プロコンスル、
 1千8百万年前) などからです。

 Homo habilis の成長パターンはまだAustralopithecus に類似して早いもの
 でした。またHomo habilis (ツルカナ・ボーイの歯も調査されました)の場合は、
 その骨格構造はより現代のヒトに近いとされていましたが、歯のパターンは
 Australopithecus に類似したものだそうです。
 現代のヒトと同様な、遅いパターンになるのは、ネアンデルタール人からだそ
 うです。

 遅い歯の成長パターンは、引き伸ばされた成長期間を意味し、ヒトは複雑な
 社会生活や文化を学習するために生長期間を延ばしてきたのだそうです。
 ネイチャーサイエンスアップデート ネイチャーバイオニュース(日本語解説)
 BBCニュース MSNBCニュース
 ペンシルバニア州立大ニュース(エナメル質のパターン大きい写真あり)

多古人骨、古墳時代のものと判明 11.05.01
  その発見については今年8月にお知らせしました。国内最古の旧石器時代
 の人骨の可能性があるとされていたのですが、放射性炭素による年代測定
 では約1,600年前の古墳時代のものと判明したそうです。
 ヤフーニュース(毎日)

タイで初めての原人化石発見 10.31.01
  タイのマヒドン大などの研究グループは30日、2年前にタイ北部ランパ
 ン県で発掘した頭がい骨化石が約50万-100万年前の原人ものと発表
 しました。
 発掘した化石の部位は右眼窩上の骨(縦6cm、横8cm)。ジャワ原人や
 北京原人の特徴と類似しているそうです。
 同グループのワッタナ研究員によると「原人がアフリカからアジアに広が
 るルート上で、タイはインドから中国、インドネシアへの分岐点だった」と
 のこと。
 ヤフーニュース(読売) 東京新聞

20万年前の顎の骨から 10.14.01
  9月にお知らせしたニュースと同じですが、一応紹介。
 仏で発見された20万年前のネアンデルタール人の顎には歯がなく、そ
 れでいて数年は生きていたことが判明。社会的な集団の助け合いがな
 ければ生きられなかったに違いないとしています。
 ヤフーニュース ABCニュース(共にAP)

東北アジアから最古の人類遺物 9.27.01
  Earliest presence of humans in northeast Asia
  R. X. ZHU, K. A. HOFFMAN†, R. POTTS, C. L. DENG, Y. X. PAN, B. GUO, C. D. SHI,
   Z. T. GUO, B. Y. YUAN, Y. M. HOU & W. W. HUANG

  ネイチャー9月27日号掲載
  中国東北部Nihewan 盆地Xiaochangliang の湖成層から20年前に発見さ
 れた石器の年代の報告です。その層の古磁気調査から、年代は約136万
 年前を判明しました。
 
 この場所は北緯40度というかなり北の地域になります。Homo erectus
 この年代にすでに北の気候に適応して生活していたというのは、驚異的な
 ことです。
 BBCニュース ナショナルジオグラフィックニュース ヤフーニュース(読売)

最古の猿人化石は590万年前と特定 9.21.01
  ケニアで発見され、約600万年前の最古の人類化石として世界に発表さ
 れた猿人「オロリン」について、代測定を進めてきた日、仏、ケニアの国際
 チームは21日までに、化石の年代は590万―580万年前で「世界最古」で
 あることが裏付けられた、とする結果をまとめたそうです。
 今日から金沢市で開催されている地質学会で発表されます。
 ヤフーニュース

南アSterkfontein洞穴から350万年前のホミニド化石9.19.01
  これは13日付け、更新さぼっていた時のニュースです。この洞穴からは
 これまでにも数多くのホミニド化石が発見されています。今回の発見は、
 これまでと同様Witwatersrand大。Dr. Ron Clarke のチームです。この洞
 穴から発見された最古の化石になります。Australopithecus 属の肢骨と
 頭蓋骨の部分だそうです。
 ヤフーニュース MSNBCニュース

20万年前の顎の骨から社会的助け合い明らかに 9.11.01
  フランス南東部で発見された17.5から20万年前のプレネアンデルタール
 人に下顎骨には歯がありません。当時の食べ物を考えれば、すぐ飢え死に
 して当然なのに、少なくとも数ヶ月以上生きていたことが判明しました。
 これは、この当時すでにグループ内で助け合う社会的意識が形成されてい
 たことを示すものだそうです。
 MSNBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート ABCニュース
 サイエンティフィックアメリカン BBCニュース
 Lebel, S. et al.
  Comparative morphology and paleobiology of Middle-Pleistocene human remains from
 the Bau de l'Aubesier, Vaucluse, France.
 Proceedings of the National Academy of Sciences,


三ケ日人は縄文人 9.07.01
  静岡県三ケ日町で1959-61年にかけて発見された三ケ日人は、旧石器
 時代人とされてきました。が、お茶の水女子大の松浦秀治助教授らが放射
 性炭素による年代測定をしたところ、縄文時代の骨であることが判明したそ
 うです。
 ヤフーニュース

4万年前の北極圏から人類遺跡発見 9.06.01
  ネイチャー9月6日号掲載
  Human presence in the European Arctic nearly 40,000 years ago
  PAVEL PAVLOV, JOHN INGE SVENDSEN & SVEIN INDRELID
  ネアンデルタール人のものか、現生人のものか不明ですが、ロシア連邦
 欧州区域の北極圏に位置する旧石器時代の遺跡マモントワヤ・クリャで、
 およそ3.5から4万年前の人類の居住跡が発見されたということです。石器
 や動物の骨、ヒトがつけた印のあるマンモスの牙が発掘されたそうです。

 ネアンデルタール人だとすれば、今まで考えられていたよりかなり北方まで
 居住していた、現生人とすれば、最初にヨーロッパに現れてから数千年とい
 う短期間で北極圏に至ったことになります。
 MSNBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート
 ネイチャー門ホットトピックス(論文を読めます)

千葉県多古町の旧石器時代と見られる地層から人骨発見8.09.01
  歯のついた人の下あごや足の骨など約40点に上る人骨の化石が出土した
 そうです。本当に旧石器時代のものであれば、日本最古となります。
 ヤフーニュース 毎日フォトニュース

ネアンデルタール人の頭蓋の個体発生と後期人類の多様性における
  その意味 8.02.01
   Neanderthal cranial ontogeny and its implications for late hominid diversity
  MARCIA S. PONCE DE LEON AND CHRISTOPH P. E. ZOLLIKOFER
  ネイチャー8月2日号掲載
  コンピューターによる化石復元と幾何学的な形態測定法を使って、ネアンデル
 タール人と現生人類の頭蓋および下顎の形状に見られる特徴の違いが、発生
 のごく初期、おそらく出生前に生じ、出生後の成長を通じてそれが維持されたこ
 とが示されました。
 このことは、Homo sapien sとHomo neanderthalensisが形態的に離れた別々の
 種であるとする説を裏づけるものだそうです。
 BBCニュース
 Comparing Neanderthals and modern humans
  現生人類との比較や化石からの復元など興味深い画像があります。

チャドで600万年前の猿人化石発見8.01.01
  フランス隊が推定600万年前の猿人頭骨化石を発見したそうですが、詳細不
 明です。
 ヤフーニュース

180万年前のホミニド化石からDNA抽出8.01.01
  南アフリカのSterkfontein洞穴で発見された180万年前の化石からというの
 ですが、懐疑的な声もでています。
 BBCニュース

最初のアメリカ人は日本から?8.01.01
  MSNBCニュース
  ナショナルジオグラフィックニュース デイリーインサイト

エチオピアのミドル・アワシュで見つかった中新世後期のヒト科化石 7.12.01
   Late Miocene hominids from the Middle Awash, Ethiopia
  YOHANNES HAILE-SELASSIE ネイチャー7月12日号掲載
  エチオピアのミドル・アワシュ地区で520-580万年前の新しいヒト科化石
 が発見されました。歯のついた顎の骨、手足の骨、腕、鎖骨など断片的な
 ものです。少なくとも5個体からなるそうです。

 アルディピテクスArdipithecus 属のArdipithecus ramidus の新亜種
 Ardipithecus ramidus kadabba として記載しています。
 記載者は確実にヒト科である証拠としては最古であるとしています。
 歯の派生形質は、これより新しいヒト科とのみ共通しているため、ヒトとチン
 パンジーの祖先が分岐したあとに派生したヒト科分類群であることを示すそ
 うです。しかし、歯や頭部より後方には原始的な形質が残っていることから
 系統上ヒトとチンパンジーの共通祖先に近縁になるそうです。
 このことは、DNAの研究からヒトとチンパンジーは約500万年前に分岐したと
 いわれていますが、それ以前に共通祖先がいたことを示唆します。
 
 さらに、最近ケニアで見つかった約600万年前のものとされる
 Orrorin tugenensis がヒト科であるという主張に疑問を投げかけています。
 
 なお、生息環境についても別論文で比較的湿潤な森林環境に生息していた
 とし、ヒト科の起源において地球の気候変動やサバンナという生息域が重要
 な役割を果たしたとするモデルを根本から再評価することを求めています。
 イーストサイドストーリーはどうなるのでしょう?
 ABCニュース BBCニュース MSNBCニュース ワシントンポスト
 ネイチャーサイエンスアップデート ナショナルジオグラフィックニュース
 ナショナルサイエンスファウンデーション
 生息環境についてイリノイ大ニュース

葛生原人は室町時代の人骨と判明7.10.01
  「明石原人」の発見者でもある人類学者の故・直良信夫氏が発見、「葛
 生原人」と名付けたものです。しかし、お茶の水大学の松浦秀治助教授
 らが放射性炭素年代測定法などで鑑定したところ、15世紀頃のヒトの骨
 と判明。トラやクマなどの骨もまじっていたそうです。
 葛生町ではこの結果にかかわらず、毎年8月の「葛生原人祭り」などは
 開催する予定。
 ヤフーニュース

サルも道具を使うがヒトは道具を持ってくる5.30.01
  サンパウロ大のEuphly Jalles-Filhoによれば、オマキザルもナッツを割
 るのに岩を使うが、ナッツを岩まで持っていくのであり、石を探して持って
 きてナッツを割ることはしないそうです。
 道具を離れたところから持ってくるのは初期人類の指標であるとしていま
 す。
 また、彼らはオマキザルが道具を持ってこない説明として1、ナッツを置い
 て石を探しに行くと、その間に他のオマキザルにナッツを取られてしまう
 から。2、将来探した石をナッツ割りに使うという予測ができない。という
 2通りの説明をしています。
 ネイチャーアップデート

現生人類はイブの33人の娘から5.30.01
  Bryan Sykes教授によると、約20万年前のミトコンドリア・イブ以降、現
 生人類の祖先は約33の遺伝的集団に分かれるのだそうです。
 CNNニュース

骨の同位体組成から、ネアンデルタール人との食性の差を割り出す
                                        5.22.01
  Proceedings of the National Academy of Sciences.
  Michael Richardsほかの研究者たちはチェコ、ロシア、英国から出土し
 た約2から3万年前、5体ののネアンデルタール人及び9体の現生人類の
 遺骨のC13同位体とN15同位体の比率を比較しました。

 その結果、ネアンデルタール人の食性はほとんど中から大型の獣肉にか
 たよるのに対し、現生人類の祖先の場合は10から50%の割合で淡水魚や
 水鳥を捕獲して食べていたことが明らかになったそうです。

 ネアンデルタール人がもっぱら狩猟に頼り、その場で捕らえた獲物に食物
 を頼っていたのに対し、現生人類の祖先は魚を干物や塩漬けなどで蓄え
 る知恵をもち、また食物の多様性から、ある食物が少なくなっても対応でき
 た。さらに、トロント大のStephen Cunnaneは、魚に含まれるDHAが脳の能
 力をアップさせるのに役立ったと示唆しています。
 
 食べ物の違いも、片や絶滅、片や繁栄の一因になったのでしょう。
 MSNBCニュース BBCニュース

 ヨーロッパ人の祖先は数百人単位でアフリカから4.22.01
  ケンブリッジ大ホワイトヘッド研究所・MITゲノム研究センターのEric Lander
 らがHuman Genomu Meeting で発表したものです。彼らはスウェーデン、中部
 ヨーロッパおよびナイジェリアからの300のヒト21番染色体を比較しました。
 染色体のパターン比較の結果、ヨーロッパ人の祖先はアフリカ人より少ないこと
 がわかりました。ヨーロッパ人の祖先は数百人といえるそうです。
 CNNニュース

タンザニアで発見された150万年前の手斧4.21.01
  Journal of Human EvolutionVol. 40, No. 4, April 2001
  タンザニアのPeninjで150万年前ホモ・エレクトスが作った手斧が発見され
 た報告です。人類の祖先はこんな古い段階から木工具を使っていたのですね。
 サイエンティフィックアメリカンニュース

巨大隕石衝突が人類の進化に影響?4.12.01
  現在、ホモ・サピエンスのみが繁栄してほかのヒト科の生物が絶滅した理由は
 隕石衝突の影響で絶滅し、ヒトのみたまたま幸運に生き残ったという説が出され
 ています。
 BBCニュース

新種の原人の頭蓋骨 4.05.01
  ネイチャーバイオニュースです。先週発表されたケニアントロプス(Keyanthropus
  platyops
)について。

東アフリカで見つかったヒト科の新しい属追加情報3.24.01
  ユタ大ニュースに解説があります。
  Kenyanthropus platyopsのプレス用イメージをダウンロードできます。1MB以上
  毎日中学生新聞にわかりやすい解説があります。

東アフリカで見つかったヒト科の新しい属3.22.01
  ネイチャー3月22日号掲載
  New hominin genus from eastern Africa shows diverse middle Pliocene
   lineages
  MEAVE G. LEAKEY, FRED SPOOR, FRANK H. BROWN, PATRICK N.
  GATHOGO,CHRISTOPHER KIARIE, LOUISE N. LEAKEY & IAN MCDOUGALL
  Kenyanthropus platyops (平たい顔のケニアのヒト)という新しいヒト科の属につ
 いてアーティクルです。これまでヒト科の系統発生について、鮮新世初期から中
 期にかけてルーシーなどで有名なアウストラロピテクス・アファレンシスの単一の
 系統があったと解釈されてきました。
 しかし、ケニアのトゥルカナ湖西岸で発見された、この頭骨化石は、350万年前、
 同時代の前者とは明らかに違っていて、派生的な顔面と原始的な神経頭蓋とい
 う特徴の特異な 組合せが見られ、この時代のヒト科の系統が多様であったことを
 示すそうです。
 BBCニュース ニューヨークタイムズ(無料の登録必要) ワシントンポスト
 ケニア国立博物館リリース(文章のみ)
 ナショナルジオグラフィックニュース
  (ミーヴ・リーキーの発見についてのディスカッションや写真ギャラリーあり)
 参考:リーキー財団
 
 われわれの祖先はナックルウォークしたか?3.15.01
  ネイチャー3月15日号ブリーフコミュニケーション
 
 霊長類における三色視の生態的な重要性 3.15.01
  ネイチャー3月15日号掲載
 Ecological importance of trichromatic vision to primates
  NATHANIEL J. DOMINY AND PETER W. LUCAS
 霊長類の祖先に赤、緑、黄/青を見る三色視という能力が備わるうえで推進力に
 なったのは、好みの果実の色を認識することだったというのが、1世紀以上も前から
 の通説だったが、今回の研究では、果実を認識するには旧世界ザル3種と新世界
 ザル1種(別個に三色視を進化させた)を観察し、黄/青色視のみ(三色視より原
 始的な二色視)を使って果実を選べることを見つけたそうです。
 赤-緑の認識は緑色の背景の中で若い柔らかい葉を見つけるのに不可欠というこ
 と。若い葉の方が赤みを帯びているから。霊長類の祖先は葉も好んで食べたよう
 です。
 CNNニュース BBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート 
 ネイチャーバイオニュース

南京人の年代データが人類の起源論争に加わる2.21.01
  最近、人類の起源について単一アフリカ起源説に対する反証というべき研究が
 いくつか発表されています。
  中国、上海近くのTangshan洞穴で1993年に発見された南京人。この年代を
 クイーンズランド大のZhao Jian-xin らのチームが新しい方法で測定したところ、
 58万年から62万年前と測定されました。化石そのものでなく、その出土した上
 下の地層に含まれるウランの崩壊度からわかったものです。
 これまで見積もられた年代より20万年ほど遡りました。このことは、アジアの人
 類がアジアに分布していたホモ・エレクトスから直接に進化したという説を補強
 するものとしています。
 MSNBCニュース

ケニアで発掘された"最古の人類化石"2.7.01
  昨12月に報道されたニュース。BBCでなぜか今ごろ取り上げています。
 "Millennium Ancestor"と名づけられたこの化石。もっと詳しく研究後、本当に最
 古なのか確定するでしょう。
 BBCニュース 参考:all Africa com.

現代人の祖先はネアンデルタール人より器用な手をしていた2.6.01
  Niewoehner, W. A. Behavioural inferences from the Skhul/Qafzeh
  early modern human hand remains
   Proceedings of the National Academy of Sciences
 イスラエルのSkhul と Qafzeh 洞穴で出土した現代人の祖先の手の骨格を3D復
 元したところ、ネアンデルタール人より器用で、関節炎にもなりにくいことがわかっ
 たそうです。
 BBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート

 アウストラロピテクス・ロブストスはシロアリを食べた1.16.01
  PNAS1月16日号掲載
  南アフリカ、ワイトウォーターズランド大のDr Lucinda Backwellらの研究。
  アウストラロプテクス・ロブストスは現生人類の直接の祖先ではありませんが、
 ごく近い猿人です。これまでかれらは菜食と考えられてきました。しかし、かれらが
 使ったとされる長さ13から19cmの骨についた細かい傷を調べると、同様の傷は地
 中の根塊を掘るときではなく、シロアリ塚を崩すときにつくことがわかりました。
 また、このことから、ロブストスの骨にたんぱく質由来のC4同位体が高レベルかも
 説明できるそうです。
 BBCニュース ワイトウォーターズ大ニュース ABCニュース 
 ディスカバリーオンライン サイエンティフィックアメリカン

人類の起源はアフリカだけではない1.12.01
  サイエンス1月12日号掲載
  Milford H. Wolpoff (ミシガン大)
  世界各地の人類の頭骨の調査から。チェコと南オーストラリアからの頭骨からは
 異なった形質が認められるそうです。
  ユーレカアラート ナショナルジオグラフィック

オーストラリア6万年前の人骨から世界最古のDNA抽出1.10.01
  オーストラリア国立大のアラン・ソーンAlan Thorne らの研究。
 彼らは1974年にニューサウスウェールズ州Mungo湖地方で発見されたマンゴー
 人"Mungo Man"を含む10体の人骨からミトコンドリアDNAを抽出し、現代人と比較
 しました。マンゴー人は約6万年前とされています。
  結果はマンゴー人のDNAのみ現代人と関連しないということです。このことから、
 現生人類の単一アフリカ起源説に疑問を投げかけるものとなっています。
 一方、単一アフリカ起源を支持する研究者からは、抽出結果が正しいものかどう
 か疑問が出されたりしています。
 論文はProceedings of the National Academy of Sciencesに掲載されるそうです。
 CNN ABC BBC MSNBC デイリーインサイト サイエンティフィックアメリカン

600万年前の人類の祖先となる化石発見12.5.00
  フランスとケニアの合同チームが発表したもの。ケニアのBaringo地区にある
 Tugenの丘で10月25日に発見したもので、これまで最古とされる化石より150
 万年遡るそうです。"Millennium Man"と呼ばれています。
 
 ヤフーニュース ヤフーニュース ABCニュース 朝日新聞
 CNNニュース MSNBCニュース

上高森遺跡の旧石器、藤村調査団長が捏造11.5.00
  70万年以上前に日本に旧石器文化があったと大きく報じられていた上高森
 遺跡の石器が、藤村団長により予め埋められていたことが明らかに。
 毎日新聞がビデオ撮影したそうです。5日には宮城県庁で謝罪の会見をして
 います。
 毎日フォトジャーナル1 毎日フォトジャーナル2 毎日フォトジャーナル3
 BBCニュース

Genetic 'Adam never met Eve' 10.31.00
  人類の祖先はアフリカのミトコンドリアイブからと、一般に思われていますが、
 世界22地域、1,062人Y染色体を研究した結果によると、この系統は約59,000
 年前にアフリカにいたことになるそうです。すると、約143,000年前と言われる
 ミトコンドリアイブと時代がかなり隔たってしまいます。
 この理由はヒトの遺伝子はモザイク状になっていて異なるときに現れ広まった
 のだろうとしています。
 BBCニュース

宮城県築館町の上高森遺跡で最古の原人居住遺跡発見10.24.00
  約60万年前の地層から、原人が掘ったとみられる円形の生活遺構が発見さ
 れました。柱の穴とみられるものが5つ。これは埼玉県の小鹿坂遺跡から出土
 したものよりさらに古いものです。
 ヤフーニュース
 毎日フォトジャーナル
 参考:東北福祉大梶原研究室

ネアンデルタール人はやはり現代人の祖先ではない10.12.00
  ネイチャージェネティクスvolume 26 no. 2 pp 144 - 146
  A view of Neandertal genetic diversity
  M Krings, C Capelli, F Tschentscher, H Geisert, S Meyer, A von Haeseler,
  K Grossschmidt, G Possnert, M Paunovic & S Paabo
  BBCニュースです。
  Svante Paabo , Chris Stringer
  ネアンデルタール人のDNAの研究として3番目の結果が報道されました。それ
 によると、ネアンデルタール人のDNAのばらつきは他の類人猿に比べるとかなり
 小さく、現代人に似ている。このことは、ネアンデルタール人も小集団から進化
 したかボトルネック状態になったことを示唆する。一方、現代人と交雑した証拠は
 認められないとしています。
 このDNA研究は、昨年10月発表されたクロアチアの洞窟で発見された骨から採
 取された資料によっています。また、これ以前の研究は1977年にセル誌に発表
 された、1856年にドイツのフェルトホーフェル洞窟で発見された骨によるもの、2
 番目はネイチャー2000年3月30日号掲載のカフカス山脈で発見された幼児の骨
 によるものです(参考バイオニュース)。
 ディスカバリーオンライン

埼玉、長尾根遺跡 原人が掘ったとみられる穴を発見7.28.00
  秩父市の尾田蒔(おだまき)丘陵にある長尾根遺跡から、約35万年前の前期
 旧石器時代に原人が掘ったとみられる大きな穴を二つ発見したと埼玉県教委は
 発表しました。原人の墓の可能性も。
 毎日フォトジャーナル

ネアンデルタール人は狩猟による肉食を専らにした6.13.00
  Proceedings of the National Academy of Sciences6月20日号掲載。
  Erik Trinkaus,Fred H. Smith,ほか
 クロアチアの首都ザクレブから34マイルほど北方の Vindija 洞穴から発見さ
 れたネアンデルタール人2個体からの下顎骨や頭蓋骨の化学分析により、
 骨に含まれる炭素及び窒素の同位体から、彼らは肉食を専らにしていたこと
 が明らかになりました。
  これはネアンデルタール人が優秀な狩猟者だったのか、単なる腐肉食者だっ
 たのかという積年の論争に終止符を打つ決定的な証拠であると、研究者達は
 述べています。また、これほど肉を常食にできたことから、その社会も高度に
 組織的に狩猟をするに足るほど組織的であったことを示唆するとしています。
 このネアンデルタール人はおよそ28,000年前に生存していたもので、これは、
 最もおそくまで生存していた例となります。また、最近のイベリア半島での化石
 の発見や、ポルトガルで発見された、現代人の祖先との混血を示す骨の発見
 などとも合わせ、ネアンデルタール人は十分現代人の祖先と共存しうる可能性
 があったと、ワシントン大のトリンカウスは述べています。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 ユーレカアラート
 北イリノイ大プレスリリース
 同大プレス用写真
 ワシントン大プレスリリース
 PNAS
 参考:最古の衣服は27,000年前に遡る(BBCニュース)

グルジアから170万年前の原人頭骨化石5.12.00
  アフリカから世界に拡散した最初の例で、従来の学説よりかなり古いもの
 です。サイエンス5月12日号に掲載。
 サイアス6月号にはこの頭骨について詳しい記事(サイエンス論文以前の
 速報による)が掲載されています。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 ディスカバリーオンラインカナダ
 ユーレカアラート
 フロリダ大学プレスリリース
 ノーステキサス大プレスリリース

紅海沿岸から125,000年前の石器5.8.00
  ネイチャー5月4日号掲載。人類の祖先は海岸伝いにアフリカから各地に広
 がったのでしょうか。
 CNNニュース
 ABCニュース
 ディスカバリーオンラインカナダ
 ナショナルジオグラフィックニュース

最も完全なアウストラロピテクス類の頭骨発表4.27.00 4.28.00追加
  南アフリカ、ワイトイウォーターズランド大で、予告されたように発表がされま
 した。 Paranthropus robustusパラントロプス・ロブストスのメスの頭骨で、すぐ
 そばにはオスの下あごもあったそうです。発表ではこれを150-200万年前の
 オルフェウスとエウリディケになぞらえています。
 発見されたのは1994年、だそうですが、これまでで最重要な頭骨だそうです。
 また、この発表はナショナルジオグラフィックの5月号にも掲載されるそうです。
 同大プレスリリース
 South African Journal of Science発表論文2編がPDFファイルで全文可
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 ディスカバリーオンラインカナダ
 ナショナルジオグラフィックニュース
 参考:the Cradle of Humankind
     OUTPOST(ボツワナ、南アフリカでの探索)

これまでで最も保存のよいアウストラロピテクス類の頭骨、南アで発見
                                           4.24.00
  Witwatersrand(金子隆一氏によればワイトウォーターズランド)大のAndr
 Keyser博士により、Sterkfontein渓谷の洞穴から、非常に保存のよいアウスト
 ラロピテクス類の頭骨が発見されました。同大では、26日現地時間午後2時に
 発表を行います。また、その概要はSouth African Journal of Scienceの4月
 号に掲載されるそうです。
 Witwatersrand大プレスリリース
 ナショナルジオグラフィックニュース
 参考:これまでのSterkfontein洞穴での発見

人類の祖先は爪楊枝を使っていた4.18.00
  米アーカンサス大のPeter Ungarが、the American Association of Physical
Anthropologyの年会で発表したものです。10年前にタンザニア・オルドヴァイ渓
 谷でメアリー・リーキーによって発見されたホモ・エレクトスのものとされる歯か
 ら、平行に走る微細な溝が発見されました。電子顕微鏡で調べたところ、爪楊
 枝を使うときに出来る傷にそっくりということです。
 約180万年前のこの溝からは、この頃の人類の祖先が肉食をして挟まった筋を
 取り除くのに使ったことがわかります。また、この年代は、他の動物の骨から、
 肉を剥ぎ取った傷跡もみられるそうです。
 ディスカバリーオンライン

ネアンデルタール人は私たちの祖先ではない4.6.00
  ネイチャーバイオニュースです。先週のネイチャーアップデートの記事の日本
 語訳です。ネアンデルタール人のDNA分析について。

ネアンデルタール人のDNAはヒトとはかけ離れている3.2900
  ネイチャー3月30日号掲載。William Goodwin(グラスゴー大)ほか
 ネアンデルタール人のDNA分析が最初に発表されたのは1997年、"Cell"誌に
 おいてでした。ドイツのフェルドホーファー(Feldhofer)洞穴で1856年に発見され
 たもの(古さははっきりしない約4万年前?)からです。その結論は、ネアンデル
 タール人と現代人の間のDNAはかけ離れ、遺伝的な交流も無かったとしていま
 した。

  一方、その後ポルトガルから両者の特徴を併せ持つ子どもの骨が発見されま
 した。また、前記研究についても資料の汚染等を疑う研究者もいました。

  今回の研究は、ロシアのコーカサス山中Mezmaiskayaで発見された凡そ28,000
 から30,000年前の男性のミトコンドリアDNAを分析したものです。結果は、フェ
 ルドホーファーとコーカサスの資料のDNAは3.48%の違いがあったのに対し(この
 こと自体、かなり驚きですが、)現代人とは約7%の違いがあったそうです。

 このことから、現代人が単一起源で急速に世界に移住拡散していったという説に
 有利にはたらくのでしょう。
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンラインカナダ
 ネイチャーアップデート
 サイエンスデイリー

 人類はナックルウォークをする祖先から進化3.23.00
  ネイチャー3月23日号掲載。BRIAN G. RICHMOND AND DAVID S. STRAIT
 チンパンジーやゴリラはヒトと非常に近縁ですが、その歩行はヒトとは異なって
 います。「ナックルウォーク」といって、前肢の指の背面を地面につける仕方で
 地上を歩きます。
  人類の祖先が、樹上からいきなり二足歩行で地上に降りたのか、ナックル
 ウォークをしていたのか、二足歩行の起源が問題とされていました。
  今回、ジョージ・ワシントン大の研究者達は、アウストラロピテクス・アナメン
 シス(アナム猿人、KNM-ER20419)とアウストラロピテクス・アファレンシス(ア
 ファール猿人、AL288-1)と見られる化石に、ナックルウォークに伴う特殊化し
 た手根形態があることを明らかにしました。遠位橈(とう)骨の形態は、もっと
 後期のヒト科やナックル歩行をしない霊長目真猿類とは異なっており、ナック
 ルウォークがアフリカの大型類人猿と人類を含む分岐群に派生的な特徴であ
 ることを示しているそうです。
 アウストラロピテクス自体がナックルウォークをした訳ではありませんが、二足
 歩行するヒト科は、すでに部分的に地上生活をしていたナックル歩行をする祖
 先動物から進化したことが示唆されるとしています。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンラインカナダ
 ジョージ・ワシントン大プレスリリース
 ネイチャー
 ネイチャーアップデート
 参考:IN SEARCH OF HUMAN ORIGINS
     ape-man

4,200万年前のごく小さい真猿類のくるぶし3.17.00
  ネイチャー3月16日号掲載。DANIEL L. GEBO, MARIAN DAGOSTO,
  K. CHRISTOPHER BEARD, TAO QI & JINGWEN WANG
  中国で発見されたくるぶしの化石は、知られるうちで最古の真猿類であるエ
 オシミアス属のものだそうです。同属の化石は、これまで頭の一部や歯しか
 発見されていませんでした。足の骨が発見されれば、この動物の姿や生活
 様式を推定するのに役立つそうで、今回見つかった骨から、この小型の霊長
 類は一般にいう真猿類に似ており、キツネザルなどの原猿類に比べて足の
 つき方が水平で、水平面を歩く傾向があったことが示唆されるそうです
 ただ、このくるぶし骨は単独に見つかったため、本当に同属のものなのか、今
 後問題となる可能性はあります。
 ネイチャー
 ネイチャー門(日本語サマリーあり)
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ヤフーニュースライン
 北イリノイ大プレスリリース(イラスト、研究者の写真あり)

中国南部で約80万年前の石斧発見3.4.00
  米国立スミソニアン自然史博物館中国科学院の考古学チームが、ア
 ジアで最も古い約80万年前の石斧を、中国南部の広西壮族自治区の百
 色盆地、更新世の堆積層から発見しました。3月3日付のサイエンスに掲
 載されます。
 これまで50~100万年前の石斧はアフリカ・ヨーロッパから見つかっていま
 すが、アジアからはこれが初めてと言われます。デザインもこれらの地域と
 似ており、アジアの石器が孤立して成立したものでないと言われます。
 ヤフーニュース
 ABCニュース
 BBCニュース

いにしえの音が聞こえる3.2.00
  ネイチャージャパンのバイオニュースです。
 ネアンデルタール人は、クマの大腿骨で作った笛を奏でたそうです。これは
 1オクターブの音域だそうです。1995年にスロベニアの洞窟で4万5千年前
 のものが発見されているそうです。

埼玉県で50万年前の生活遺構を発見2.21.00
  埼玉県秩父市郊外の尾田蒔丘陵にある小鹿坂(おがさか)遺跡
 から、約50万年前の石器埋納遺構1か所、5個の穴が円形に並
 んだ状態の生活遺構2か所が発見されました。
 石器も30点発見されています。
 生活遺構は世界的にも最古級だそうです。50万年前といえば、北
 京原人と同時代になります。狩猟のための小屋だったのでしょうか。
 ヤフーニュース(毎日新聞)
 ヤフーニュース(河北新報)
 毎日フォトジャーナル
 読売新聞
 埼玉県県政ニュース
 秩父市ニュース(現地説明会26日開催)
 参考:北京原人ほかの化石写真

人類の進化に多地域進化説から反論2.5.00
  ナショナルジオグラフィックニュースです。
 長めに訳してみましたので最新ニュースに載せました。
 
人類の進化に多地域進化説から反論2.5.00
  ナショナルジオグラフィックニュースです。
  ホモ属の進化については大別すると、約20万年前のアフリカで
 進化し、拡散したという単一起源説と、100万年以前に分岐し、世
 界各地で進化したという多地域進化説が対立しています。
 今回のニュースは、多地域進化説からの反論を取り上げています。
 1月12日に一度紹介しましたが、面白い問題なので、再度とりあげ
 ました。

 二つの理論とも以下の前提をあげています。
 1.人類の起源はアフリカであり、各地への拡散も100万年以上前に
  始まった。
 2.人類の遺伝子上の多様性の小ささから、いずれかの時代に極端
  に人口が減ったボトルネックの時代があった。
 
 これに基づいた上の問題点として、
 1.いつ、ボトルネックが起こったのか。
 2.ホモ属には1種以上含まれるのか。
 という二つが提示されます。

 単一起源理論では、Homo archaic, Homo habilis, Neandertals,
 Homo sapiens
など6種を数え、"イヴ"は約20万年前にいたとされ
 ています。
 一方、多地域進化説ではミルフォード・ウォルポフ(Milford Wolpoff)
 とジョン・ホークス(John Hawks)の論として次のことを上げています。
 化石上の記録から、急進的な変化が約200万年前に起こったとして
 います。約200万年前のアウストラロピテクス属だと身長約1m、また
 雄は雌の約2倍の大きさの差があった。しかし、恐らく10万年後には
 新しい属ホモ族が進化し、身長は約2m、雄雌の体格の差は無視で
 きるほどになった。人類の進化史でこんなに大きな変化をした時は
 他にないと、ホークスは言います。

 また、肉体的に進化したこの同時期に行動的にも文化的にも変化
 した。道具が出現し、水から遠く離れたところまで行動域を広げま
 した。人類学的な証拠から彼らは集団で行動し、獲物を分配する
 狩猟・採集者だったとわかります。対照的にアウストラロピテクス属
 については食物を見つけるのに共同作業を行ったような社会構造が
 あった証拠は発見されていません。

 遺伝上の多様性についても、研究者は非常に古い、しかし200万年
 以上古くない多様性を発見したそうです。ごく最近の変化は20万年
 前だが、多様性は、200万年前から蓄積されてきたものとしています。

 ウォルポフとホークスの論文は"Molecular Biology and Evolution"
 の2000年1月号に掲載されています。
 ミシガン大プレスリリース

中国雲南省の元謀人の下顎骨は一層の調査を促進する。1.31.00
  
  元謀人とは、雲南省元謀で1965年に発見された古人類で、約170
 万年前に遡るそうです※。中国政府は、中国が人類の起源の地で
 あったかどうか究明するために、熱心に発掘をしているようです。その
 後1984年に下顎骨が発見されたそうです。

 中国科学協会(IVPP所属のようです)の古人類学者祁国琴(Qi Guo-
 qin)によれば、無傷の下顎の上反り具合から猿人の属の進化のプロ
 セスについて多く学ぶことができるそうです。この下顎に加え、80以
 上の歯、千を超える様々な動物の化石も発見され、当時の環境、気
 候、地勢、猿人と動物の関係を有る程度知ることができるそうです。

 ※当初古地磁気法で170万年前とされたが、最近では50-60万年前
  とされていると書いてある本もあるので、私には年代は判りません。
  いずれにしろ、新発見のニュースではなさそうです。
 myCNN(新華社)
 参考:Picture Gallery of Fossil Hominoids and Hominids from China

 
Kennewick Manの年代測定1.15.00
  Kennewick Manとは、1996年に米コロンビア川の浅瀬で発見さ
 れた、古人類遺骨です。北米最古の遺骨としてその年代調査が
 されました。炭素同位体を用いた結果は、9,320から9,510年前の
 間とされました。一方、Kennewick Manが何人種に属するのかは
 まだ論争があるようです。ヨーロッパ人説、ポリネシア人説、インデ
 アンの祖先とする説。特に、インデアン部族は自分達の祖先の遺
 骨であるとして、その返還を求めています。人類学者、政治家、イ
 ンデアン部族の三者があいまって研究とは別の次元でも問題になっ
 ています。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース

人類の進化はボトルネック後のビッグバンで1.12.00
  ミシガン大のジョン・ホークス(John Hawks)、ミルフォード・ウォルポ
 フ(Milford Wolpoff)他の研究。"Molecular Biology and Evolution"誌
 の2000年1月号に掲載。
 彼らは入手可能な古生物学、考古学、遺伝子学の広範囲の資料か
 ら、人類の進化がこうであったと論じています。
 それは、人類の「アウト・オブ・アフリカ」説を支持しています。
 まず、200万年前にアウストラロピテクスの小集団が他の集団と分離
 した中で革命的な進化が起こり、体の大きさや狩猟、屍肉あさりなど
 の習性が変化した。
 さらに、氷河期にアフリカの小集団が進化して現在のヒトの祖先となり
 世界に進出していったというものです。
 ミシガン大ニュースリリース

福島県安達町油井で60万年以上前の石器発見12.19.99
  報道は16日付と18日のものです。日本では酸性土壌のため骨は
 残りにくいのですが、これだけ古い石器が出る以上、世界的にも人
 類の進化を研究するためには無視できない地域です。
 ヤフーニュースライン(河北新報12月16日)
 ヤフーニュースライン(河北新報12月18日)

アウストラロピテクスの腕と手の骨発見12.16.99
  約330万年前に遡るもの。昨年、頭蓋が発見された南アフリカの
 Sterkfonteinの洞穴からです。発見自体は'98年ですが、発表は、
 今週の”the South African Journal of Science”でです(特集を、
 PDFフォーマットで読むことができます)。
 手の骨の発見は初めてです。あのルーシーも手はありません。
 手の解剖学的構造から、彼らは木に登るのが巧みだったことがわか
 るそうです。
 ヤフーニュースライン
 BBCニュース
 ABCニュース
 MSNBCニュース
 参考:Major fossil find at Sterkfontein Caves

ミャンマー、ポンダウンで約4000万年前の頭蓋骨発掘12.4.99
  12月3日付けの朝日新聞には1面で紹介されていました。
 京都大学霊長類研究所がこの11月に発掘したものです。発見され
 たアンフィピテクスはこれまで、アフリカで発掘されているが、上あご
 と前頭骨が発掘されたのは始めて。さらに、アフリカで発掘されたも
 のより200~300万年前の年代といい、真猿類のアジア起源説の
 有力な手がかりになるのではないかということです。
 昨年11月の同地の発掘でも歯の化石が出ているようです。
 ヤフーニュースライン(日本)
 参考:京都大学霊長類研究所の昨年度の発掘(英文)


北京原人消えた行方に新説12.4.99
  紹介するのが遅くなりました。12月2日付けの毎日新聞からです。
 沈没した阿波丸に載せてあったとか、日本にあるとか、発見70周年
 で、その行方探索で再び北京原人は脚光をあびているようです。
 ヤフーニュースライン(日本)


ミトコンドリアDNAにより初期人類のアジアへの移住時期
  明らかに12.2.99
 ネイチャージェネティックス掲載
  初期人類が6万年前にエチオピアからアジアに移住したことが、
 エチオピア人・インド・東アジアのヒトのミトコンドリアDNAの研究によ
 り明らかになったそうです。当時の紅海の地峡を渡ってアラビアへ、
 さらにアジアや太平洋へ移住したそうです。またこれでオーストラリ
 アのアボリジニがなぜ非常に早くオーストラリアに渡来したかも説明
 できるそうです。
 ディスカバリーオンライン


アルタミュラ人、ウェブカメラで公開へ11.25.99
  イタリア南部、アルタミュラ近郊の洞穴で'93年に発見されたアル
 タミュラ人は、40万~10万年前の古人類です。発見された洞穴に
 そのまま保存されていますが、2000年7月までにウェブカメラで公
 開されるそうです。
 ディスカバリーオンライン


イスラエルで70~80万年前のアウト・オブ・アフリカの
  ルートを示す跡発見11.24.99

 ヘブライ大学先史考古学部のNa'ama Goren-Inbar教授によると、
 ヨルダン川上流の岸(B'not Ya'akov bridge)でフリント(火打石のよ
 うな固い石をいうのでしょうか)と石器を発見したそうです。
 それは、アフリカのホミノイドが70-80万年前に使っていたものと、
 ほぼ同じものだそうです。
 この発見は、ヨルダン渓谷がアウト・オブ・アフリカのルートの一つ
 だったことを示すものだそうです。
 myCNN(新華社)


ネアンデルタール人が生き残れなかったのは狩猟コ
 ストが高くついたため?
11.21.99
  米デューク大の人類学者、 Steven Churchillの説。11月20日の
 米人類学会年次総会で発表。
 人類の手足の骨格解剖学のエキスパートである彼は、ネアンデル
 タール人の骨格が頑丈なのは、より厳しい狩猟の労働を反映して
 いると主張します。高度な狩猟技術はそんなに頑丈な骨格を必要
 としないそうです。
 また、クロマニヨン人はより言語が複雑だったため、高度な情報交
 換を狩猟の際にもできた。また高度な予想もできた、例えばカリブー
 の群れを発見しても、ネアンデルタール人にとっては今夜の夕食を
 意味するだけだが、クロマニヨン人にとっては今後数カ月の食料を
 意味するというのです。
 ディスカバリーオンライン


言語能力は二足歩行から11.21.99
  米メリーランド大バルティモア校のRobert Provine教授によれば、
 言語能力は二足歩行の調節からの生理的副産物だそうです。
 10月28日にマイアミで開催された神経科学協会第29回年次総会
 で発表したものです。

 話す能力は、力学的問題であるとともに神経学的な問題でもある。
 四足獣では呼吸するパターンと歩行の間に1対1の相関性がある。
 何故ならば肺は胸部の複合体(胸骨、肋骨および関連する筋肉組
 織)に固さを加えるために、完全に膨張しなければならないのだが、
 それによってランニング中の前肢の衝撃を吸収するのである。
 そのような同期なしには胸部は弱く、衝撃を吸収できない。

 霊長類が二足歩行を始めたとき、胸部は初めてこの同期する活動
 から解放されて、自由に呼吸を制御することができるようになり、
 言語に至ったそうです。

 彼はチンパンジーのあえぐような笑いを研究してこの相関を発見し
 たそうです。それは呼吸するパターンを操作することができない結
 果であり、チ ンパンジーを単純な吸入発散サイクルに制限してい
 ます。

 ヒトはより柔軟な呼吸のコントロールをして、ハ、ハ、ハという笑い
 をすることができるし、コントロールなしではチンパンジーのあえぎ
 笑いになる。まして言葉は話せないと彼は言います。

 人類に関する限り、初めに二足歩行ありきだったのでしょうか。
 サイエンスデイリー
 

ウガンダで1500~2000万年前に遡る霊長類化石発見11.16.99
  ウガンダ東北部、Karamoja州のケニアとの国境に近いナパク山
 (Mt Napak)麓のサイトで発掘していたフランス・ウガンダ合同発掘
 隊が、先週 Napak 1というサイトから大量の化石を発掘しました。
 わずか3平方メートルの広さから1000以上の化石の集積というので
 す。
 その中からプロコンスル・メジャーと呼ばれるゴリラ位の霊長類化石
 が発見されました。これは人類祖先の初期進化において重要な役
 割を果たしたかもしれないと考えられています。
 パリ大学のMartin Pickford博士は国立自然史博物館のBrigitte
  Senut博士と共に発掘リーダーを務めていますが、「これは大きな
 発見であるようだ。化石が沢山あるという意味において主要な集中
 だ。」と話しています。
 
 一方、ケニヤ国立博物館の研究者、Emma Mbua女史は「それは
 刺激的な発見だが、さらに証拠が必要だ。」と語っています。「私達
 もニャンザ(Nyanza)のルシンガ島(Rusinga)周辺やトゥルカナ湖南部
 のサイトでウガンダ人が示す1500~2000万年前の数種の霊長類
 化石を発見している。」
 さらに、2000万年前に遡る化石はヨーロッパやアジア(先ごろミャン
 マーで発見のニュースもありました)で発見されています。
 「確かに1500~2000万年前は遠ざかった時間枠です。また論点は
 人類の進化はそのはるか後になってきたということです。 1995年
 には、ケニア国立博物館のミーヴ・リーキー博士が、600万年前に
 遡る最初のヒト科の化石がケニアとエチオピアで見つかったことを
 発表しました。しかし、ヒトの揺りかごの捜索は終えられていません。
 科学者はなお探索しています。しかし、過去4年に著しい発見はあり
 ませんでした。」とMbua女史は言います。
 
 Napak 1で発見された化石には、1700万年前中新世に遡るプロデイ
 ノテリウムがあるそうです。下あごに下方に湾曲して伸びる牙を持っ
 たゾウのような動物です。
 myCNN(Africa News Online)



北京原人は阿波丸と共に?11.8.99
  中国紙・光明日報などは8日大戦末期に
 日本軍の捕虜らに対する救援物資輸送船として連合国側に安
 全を保障されながら、米潜水艦に撃沈された日本船「阿波丸」
 とともに沈んだとの見方を伝えました。
 同紙記者が米資料から同船の積み荷だった美術工芸品に原人
 の化石が含まれていた可能性が高いとした資料を発見したそう
 です。
 ヤフーニュースライン

宮城県高の森遺跡から80万年前?の石器出土11.3.99
  先に70万年前の石器が出た地層より下から、1点の石器が発
 見されたそうです。
 ヤフーニュースライン
 毎日新聞

最初のアメリカ人はヨーロッパから説11.2.99
  アジア説、アボリジニ説などある中で、今度は約18,000年前、
 イベリア半島からアメリカに到達したという説が唱えられています。
 ABCニュース
 ディスカバリーオンライン

インドネシアで発見された古人類化石について9.6.99再掲
  朝日新聞11月1日夕刊1面で大きく取り上げられています。
 そういえば、6月のミネラルショーで本物!というホモ・エレクトス
 頭骨化石が特別展示コーナーにありましたっけ。何でこれが?
 といぶかった人も多かったはず。その時撮った写真を見ると、確
 かに、連絡先HENRY GALIANO(Maxilla & Mandibleの店主)と、
 書いてあります。
 標本を扱っているG社の芝山社長から科博の馬場悠男人類研究
 部長さらに、インドネシア・ガジャマダ大のヤコブ教授に連絡がいっ
 て素性がしれたそうです。(ここまでは追加)
  ホモ・サピエンスとホモ・エレクトスの両方の特徴をもつそうです。
 脳容積はホモ・サピエンスの半分なのに額が後退していないとか。
 結構、他地域進化説には有利な標本なのかな。
 2年前に発見されたのが消えて、ニューヨークのマンハッタンの
 "Maxilla & Mandible"という店で発見されたようです。それを店主は
 インドネシアに返還したようです。
 ABCニュース
 CNNニュース
 BBCニュース
 ニューヨークタイムス
 "Maxilla & Mandible"
 参考:'99年6月のミネラルショー速報(問題の頭骨写真あり)

宮城県高の森遺跡から70万年前の石器出土10.30.99
  日本最古を更新するそうです。
  毎日フォトニュース

ネアンデルタール人は現代人と交流したか10.26.99
  クロアチアの洞穴で発見されたネアンデルタール人
 の骨の年代は、新しい測定により2万8千から9千年前
 とされました。現代人と数千年間、同じ地域に生息して
 いたのなら、交流や婚姻はあったのでしょうか。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ナショナルジオグラフィックニュース
 ユーレカアラート
 PNAS

最初のアメリカ人は誰だったのか?10.26.99
  ベーリンジアを渡ったモンゴロイドなのか、アボリジ
 ニなのか、さらにオルメカの文字は中国、商時代の文
 字に酷似しているなど、ニュースをまとめています。
 ABCニュース

ミャンマーから4千万年前の霊長類化石10.15.99
  サイエンス10月15日号掲載。
  Bahinia pondaungensisと命名された歯と顎の化石は、
 フランスのMontpellier-II大の発掘チームにより、ミャン
 マー中部ポンダウン地区で発掘されたものです。これに
 より、霊長類の起源がアジアにあることを支持するとされ
 ています。
 同地区では、日本の調査隊も昨年、約4千万年前の原
 猿類と真猿類の中間の特徴を示す化石を発見していま
 す。
 ヤフーニュースライン
 ABCニュース
 MSNBCニュース
 ユーレカアラート
 ナショナルジオグラフィックニュース
 
ジャワ原人のすねの骨と発表=22年前発見の化石
  -日本人研究チーム10.14.99
  北京で開催中の国際シンポジウムで'77年にジャワ島
 で発見された化石がピテカントロプスの右足のすねの骨
 と発表したそうです。すねの骨が確認されたのは初めて
 との事ですが、'96年に科博で開催されたピテカントロプ
 ス展図録にあるサンプンマチャン2号/脛骨破片('77年、
 インドネシア・日本合同発掘調査で発見されたそうです)
 というもののことなのかどうか、詳細はわかりません。
 ヤフーニュースライン

ネアンデルタール人が食人をしていた証拠発見10.1.99
  フランスのMoula-Guercyにある洞穴で発見された10万年前
 の少なくとも6個体のネアンデルタール人の骨には食人の跡が
 見られるそうです。これはヨーロッパで初めて発見されたもので
 す。サイエンス10月1日号に掲載。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 ユーレカアラート
 ナショナルジオグラフィックニュース

ブラジルの"Luiza,"続報9.22.99
  CNNニュース
  ABCニュースでも入りました。

ブラジルの"Luiza," 初めてのアメリカ人9.21.99
  先日、BBCニュースで初めてのアメリカ人はアボリジニからという
 ことをお伝えしました。その関連のニュースです。'75年に発見され
 た11,500年前の女性の化石は"Luiza," と名付けられ、研究がすす
 められているようです。BBCもドキュメンタリーを製作しているようで
 す。
 myCNN

北京原人の化石、日本に?9.19.99
  香港の文匯報は、第2次大戦中に中国で行方不明となった北
 京原人の頭がい骨の化石が、日本に存在する可能性があると
 報じました。
 日本で北京原人の化石だと、見せられた人がいるそうです。
 ヤフーニュースライン

インドネシアで発見された古人類化石について9.6.99
  ホモ・サピエンスとホモ・エレクトスの両方の特徴をもつそうです。
 脳容積はホモ・サピエンスの半分なのに額が後退していないとか。
 結構、他地域進化説には有利な標本なのかな。
 2年前に発見されたのが消えて、ニューヨークのマンハッタンの
 "Maxilla & Mandible"という店で発見されたようです。それを店主は
 インドネシアに返還したようです。
 ABCニュース
 CNNニュース
 BBCニュース
 ヤフーニュースライン写真
 ディスカバリーオンライン
 ニューヨークタイムス
 "Maxilla & Mandible"

台湾人のルーツ、台湾海峡で発見9.6.99
  台湾海峡の海底から発掘された人骨を鑑定したところ、1-3万年前に
 大陸から当時地続きだった台湾に渡った台湾住民の祖先であることが
 確認されたそうです。「海峡人」と命名されたそうです(人民日報)。
 ヤフーニュースライン

エチオピア大使館、ワシントンでルーシーを展示9.5.99
  在米エチオピア大使館の発表では、米・エ両国の貿易・文化交流
 フェアにアウストラロピテクス"ルーシー"の化石を出展するそうです。
 期間は9月5日から12日まで。
 ヤフーニュースライン
 在米エチオピア大使館


ケニアで発見された化石から新属の霊長類記載8.30.99
 サイエンス8月27日号掲載。Steave Ward,Barbara Brown,Andrew Hill,
Jay Kelley,Will Downs
話がちょっと込み入っていたので私の語学力ではよくわからず、掲載が
遅れました。

 ケニアのバリンゴ盆地にあるバリンゴ湖ほとりのTugen丘陵の北の頂、
キプサラモン(Kipsaramon)という発掘サイトで、'93年に発見されたおよそ
1,500万年前の霊長類の化石です。発見されたのは歯、顎、後頭の一部、
肩甲骨の一部、上腕骨、橈骨そのほかです。

 その化石は、これまでケニアピテクス(Kenyapithecus africanus)とされ
たもので、この記載は30年前にルイス・リーキーがしています。ケニアピ
テクス属には2種あるのですが、(K.wickeri ,K.africanus)今回発見の化石
の歯と顎をよく調べると、K.africanusはK.wickeriより原始的な特徴を備え
ていて、新しい属に分類し直すのがふさわしいとされました。
その結果、K.africanusはEquatorius africanusとして記載されました。

では、Equatoriusはどのような類人猿だったのか。研究者達によれば、
類人猿の起源に非常に近いところに位置するそうです。樹上より地上で
かなりの時間、生活をした最初の類人猿だといえます。"stem hominoid"
として紹介されています。しかし、Equatoriusの系統が後の”ルーシー”
などに続くのではなく、途絶えてしまうそうです。

 一方、K.wickeriの方は、これまでヒトにつながるものとは考えられて
いませんでした。しかし、K.africanusより進歩的な特徴から後代のヒトを
含む類人猿につながるものと考えられます。
 また、研究者達はこの全体の歯のパターンがトルコのPasalarのmiddle
mioceneで発見された未記載の類人猿の歯にも見いだされることに気づ
きました。K.africanusはアフリカからユーラシアに分布していたのでしょう
か。これは研究が進まないと何とも言えませんが。
 ABCニュース
 ユーレカアラート
 ヤフーニュースライン(AP)
 ヤフーニュースライン(ロイター)
 ヤフーニュースライン(化石写真)

ケニヤで発見された1,500万年前の類人猿化石8.27.99
  サイエンス8月27日号に掲載です。Equatorius africanusという類
 人猿化石から、ヒト、大型類人猿双方の起源を解明するものだそう
 です。これについてはよく論文を読まないと理解できないのであとで
 書きます。
 ABCニュース
 ユーレカアラート
 ヤフーニュースライン(AP)
 ヤフーニュースライン(ロイター)
 ヤフーニュースライン(化石写真)

最初のアメリカ人はアボリジニから8.27.99
  ネイティブアメリカンといえばアジアからベーリング地峡を渡って来
 たと一般に言われています。しかし、ブラジル北東部のSerra Da
 Capivaraの洞穴から発見された壁画や炭化物から、50,000年前に
 ヒトがこの地にいたそうです。また、9,000から12,000年前の頭蓋骨
 から復元するとネグロイドの特徴をもつそうです。では、どうやってア
 メリカに来たのかというと、オーストラリアの洞穴壁画にあるように、
 小舟で渡ってきたのだろうということです。彼らはその後北から来た
 モンゴロイドに滅ぼされたのだろうとの事。
 BBCニュース

ハンガリーで発見のドリオピテクスはヒトと類人猿双方の祖先か?
                                    8.23.99
  ブタペストから200kmほど離れたRudabanyaでは、カナダのトロント大
 とハンガリー地質博物館の共同発掘作業が行われています。そこで
 発見されたドリオピテクス(dryopithecus brancoi)の頭骨化石から顔面
 を復元することができました。この復元からドリオピテクスの系統的位
 置づけを評価することができるとしています。

  ドリオピテクスといえばオランウータンの祖先に近いと私も思っていま
 したが、トロント大のDavid Begunによれば、アフリカの類人猿とヒト双
 方の祖先に近く、オランウータンの祖先とはかけ離れているそうです。
  彼らは約1,200万年から900万年前にヨーロッパや西アジアの当時、
 亜熱帯だった森林で主に果実を食べて樹上で暮らしていたそうです。
 気候の変動による寒冷かで絶滅したそうです。

  発見された頭骨はメスで体重23から28kg程度だったろうとのこと。
 標本は発見者のアマチュア古生物学者Gabor Hernyakにちなみ、Gabi
 と名付けられたそうです。
 ナショナルジオグラフィックニュース
 トロント大人類学部 The Rudabanya Field School
 David BegunのBIOGRAPHY

人類の進化は火を使って植物を調理してから始まった8.12.99
  米ミネソタ大のGregory Ladenの研究によると、ルーシーのような
 アウストラロピテクスの頃は、歯が大きく顎も頑丈でした。これは、
 彼らが粗食を長時間かけて食べていたことを示す。ところが190万
 年前にホモエレクトゥスが登場すると、彼らの歯は小さく、顎も華奢
 になる。雌雄の体格差は縮まり、脳・体の大きさは発達する。
 これは、彼らが火を発見し、使って植物を調理して食べやすく、より
 栄養になるようにしたためだ。というのです。人類の祖先を変えたの
 は、肉ではなく植物の調理という研究です。
 CNNニュース
 ABCニュース
 サイエンスデイリー
 ミネソタ大Gregory Ladenのページ

ヨーロッパ最古の現代人の足跡6.11.99
  南仏アヴィニヨンから北西にあるChauvet caveで、ヨーロッパ最古
 の現代人の足跡が発見されました。年代は23,000から32,000年前
 の間。約25,000年前と研究者達は推定しています。
 足跡の大きさは21cm。8から10歳の子供のものと考えられます。
 これまで最古の足跡は15,000前のラスコー洞窟ものだったそうです。
 ABCニュース
 CNNニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン

スペインで20万年以上前の人類の完全な骨盤発見5.20.99
  ネイチャー5月20日号に掲載。マドリード大学のJ-L Arsuaga他の報告。
 スペイン北部のシエラ・デ・アタプエルカにあるシマ・デ・ロス・ウエソス
 (骨の洞窟という意味)では、少なくとも33体分の約2,500個以上の人類
 化石が発見されているそうです。これらは、ネアンデルタール人の祖先と
 考えられています。
  今回報告された骨盤は男性のもの。幅広く頑丈で推定体重95kg。長い
 恥骨上枝、著しい腸骨の張り出し、長い大腿骨頸が見られます。これは、
 恐らく原始的な特徴であり、現生人類と峻別されるものです。
  男性ですが、産道は現生人類の新生児が通過できる大きさで、このこ
 とは、同じ種の女性の産道はもっと大きかったことを意味します。
  ここから発見された3つの標本の頭蓋の容積から、体重に対する脳容積
 の比率が、実質上ネアンデルタール人や現代人より小さかったことが判明
 しています。これは、現生人類に比べて、新生児の脳容積が成人の脳容
 積に近かったことを示唆しています。
 ネイチャー
 ネイチャー門
 ディスカバリーオンライン 
 CNNニュース
 マドリード大学
 A Hominid from the Lower Pleistocene of Atapuerca, Spain:
 Possible Ancestor to Neandertals and Modern Humans


原アメリカ人の故郷はバイカル湖周辺5.20.99
  ベーリング地峡を渡ってアジアからモンゴロイドがアメリカ大陸に渡っ
 たのは、およそ12,000年前と言われています。では、彼らの故郷はど
 こだったのか。アリゾナ大学のMike Hammerほかの研究です。
  彼は世界中の60の人口集団から2,198人のY遺伝子(女性にある)を
 サンプリングし、原アメリカ人(アメリカインディアン)の半数から、ある変
 異を発見しました。さらに5つの変異が発見されましたが、それを元集団
 と比較するため、さらにアジアの1,000人からサンプリングしたところ、こ
 れら6つの変異が北東及び北西シベリアから発見されました。しかし、こ
 の地方の集団は、バイカル湖周辺から移住したと考えられます。
  別の研究では、さらに東のアムール川沿いというものもあります。
  考古学的な研究や言語の研究など多方面から原アメリカ人の故郷が
 つきとめられようとしています。
 デイリーインサイト

  
When Did We Split from the Apes?5.13.99
  ガルヒ猿人を発見したチームの'81年からの発掘の概要。面白いが
 長文なので訳したくないな・・・
 CNNカスタムニュース

234万年前の石器の製造技術5.6.99
  ネイチャー5月6日号に掲載。フランスにあるCNRS技術先史学のH Roche
 らの報告です。
  ケニヤ、トゥルカナ湖西岸で発見された石器群は、石器だけでなくその製造
 所とも言えるそうです。
  石器と一緒に魚や哺乳類の骨も発見されていて、石器は肉を切るために使わ
 れたのだろうと推定されています。卵の殻も発見されていて、食物の多様さを
 示しています。
  見つかった石器は2,000以上、石器と剥離された石片を合わせて復元できる
 ものが60組以上あるそうで、どのように石器が作られたか過程を再現することが
 できたそうです。
  このことから、当時の人類の祖先は、これまで考えられていた以上に認知能
 力や手の器用さがあったとわかりました。
  石器の作り手がホモ・ハビリスだったのかアウストラロピテクスの段階だったの
 かわかりませんが、ちょっとすごいですね。
 BBCニュース

エチオピアで発見された250万年前の古人類化石4.24.99
  1996年から1998年12月までエチオピア、中部アファール州、アワシュ渓谷の
 村落ブーリ(アジスアベバから北東約250km)で発掘をしていた13か国40人か
 らなる調査隊が、6体分の頭部、腕、脚の骨などを発掘し、アルゴン-アルゴン
 同位元素法による年代測定の結果、約250万年前のものであることが判明しま
 した。
  調査隊を率いていたのは米カリフォルニア大バークレー校のティム・ホワイトと
 エチオピアのDr. Berhane Asfaw。日本の東大博物館の諏訪 元助教授も参加
 しています。
  この化石は新種としてアウストラロピテクス・ガルヒ(Australopithecus garh),と
 命名されました。属名は現地の言葉で"驚き"を表すそうです。
  新種とされた根拠は頭蓋骨の下の部分が前方に突出し、下あごが発達してい
 るほか、臼歯や小臼歯が非常に大きいなど同時期の他の猿人にない特徴を持っ
 ていたためです。
  この発見が重要である理由は3つあります。
 第一に、人類の祖先につながる有力な候補である点、
 第二に、大腿骨の伸長が250万年前から(腕が短くなる100万年前から)である点、
 第三に、石器を用いて大型動物の肉を削いだり、骨を割って骨髄をとった跡が発見
 された点です。

 第一の点では、ガルヒ猿人の頭骨や歯の化石は、それより古く(400から300万年
 前)東アフリカにいたアファール猿人(アウストラロピテクス・アファレンシス。ルーシー
 が有名です)の特徴を残していたことです。これまで人類の祖先につながる候補とし
 て、南アフリカにいたアフリカヌス猿人(アウストラロピテクス・アフリカヌス)がありま
 したが、今回の発見でアフリカヌス猿人は傍系に属することとなりました。

 第二の点では、この猿人の腕の長さはアファール猿人と同じだが、大腿骨が長くな
 り、腕と大腿骨の長さの比はホモ・エレクトス(180から30万年前)に近いそうです。
 このことは、骨格が2足歩行に適するようになり、行動範囲がかなり広がっていたこ
 とを推測させます。

 第三の点では、これは猿人化石が石器を握っていたわけではありませんが、同じ地層
 水準からアンテロープやウマなどの骨と石器が発見されています。骨には肉をそぎ取っ
 た時に付く傷や骨髄をとるために両端をつぶした跡もあります。
  狩猟をしたのか、腐肉食(スカベンジャー)だったのかは不明ですが、道具を使い、肉
 食をしていたのは確かです。

  この地域では、1月のニュースでは500万年前に遡る古人類化石も発見されているそ
 うです。さらなる研究発表が期待されます。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ユーレカアラート
 米カリフォルニア大リポート(リアルプレイヤーで発掘の様子やティム・ホワイトのインタビュー)
 サイエンス(4月23日号表紙)
 毎日フォトジャーナル
 毎日新聞


ポルトガルで発見された幼児化石、
  現代人はネアンデルタール人との混血から発祥を証拠づける?4.20.99
   昨年11月にポルトガルの首都リスボンから北へ80マイルほどのLeiriaに近い
  Lapedo Valleyで発見された、およそ2万4千5百年前の4歳の幼児の骨には、ネア
 ンデルタール人の特徴と現代人につながる特徴の両方が見られるそうです。
  このことは両グループに混血につながる交流があった証拠と主張されています。
 イベリア半島にはクロマニヨン人はおよそ2万8千年前から3万年前にやってきたと
 考えられています。ネアンデルタール人とは約4千年間同じ地域に生存していたこと
 になりますが、これまで両者の混血を裏付ける化石は発見されていませんでした。
  「Lapedoの子供」として知られるようになった化石は、6年前に地元の農夫が、ブル
 ドーザーを使っていて偶然破壊した現場から発見されました。その時に頭骨は破壊
 されてしまいました。しかし、よく保存された下顎や腕や胴体が地表から数インチ下
 の赤土の中にあったそうです。ウサギ穴の中に手をつっこんで左腕の骨を引っぱり
 出したともあります。
  骨は、顎の骨や歯は現代人の特徴を有しますが、短い腕や太めの胴体は、ネアン
 デルタール人の特徴を示すそうです。
 1997年にドイツで、1856年に発見されたネアンデルタール人のDNAを分析した結果
 が公表されました。そこでは、現代人とは遠い間柄で、直接の祖先とは言えないと、
 されています。現代人の祖先は「アウト・オブ・アフリカ」から世界中に広がる過程で
 ネアンデルタール人を結果的に淘汰していったとされるのですが、今回の発見はその
 理論に一石を投じたものとなっています。
  この研究はポルトガルのJoao Zilhaoと米ワシントン大のErik Trinkausがしているよ
 うです。標本自体はリスボンの国立考古学博物館で研究されています。
 ABCニュース(AP)
 ABCニュース(ロイター)
 BBCニュース
 CNNニュース
 ディスカバリーオンライン
 ワシントン大学ヘッドラインニュース
 参考:ネアンデルタール人のDNA分析(CNNニュース)

最初のアメリカ人は13,000年前4.13.99
 米カリフォルニア州サンタロサ島で'59年に発見された女性の
 脚の骨、通称Arlington Springs womanの年代を新技術で調
 査したところ、13,000前という結果が出たそうです。これまで
 アメリカに最初に人が到達したのは11,500年前と考えられて
 いました。今回の結果はそれを1,400年以上遡るとともに、氷
 河期にベーリング地峡を歩いて渡ったのでなく、船を使って来
 た可能性、ポリネシアや南アジアからの可能性もあると報じら
 れています。
 CNNニュース
 CNNニュース6.9.99追加
 ABCニュース
 参考:サンタバーバラ自然史博物館

弥生人のルーツは長江下流3.19.99
 渡来系弥生人のルーツは中国の長江下流の江蘇省であった可能性が
 高いことが日中共同調査団の調査で解りました。両国の古代の人骨の
 DNA分析や、鼻根部から前歯のつけ根までの高さを顔の最大幅で割った
 「面長度」、また身長などの形質面、さらに抜歯の風習など共通するもの
 があります。
 ヤフーニュースライン

ネアンデルタール人は話すことができたか?2.17.99
  ネアンデルタール人はマンモスや天気の話をすることができたでしょうか?
 昨年4月、デューク大の研究者は、ネアンデルタール人の舌下神経管が太いこと
 から 舌を複雑にコントロールすることができ、彼らが話すことが出来たかもしれな
 いと、発表しました。が、最新の研究では、これと真っ向から対立する見解となって
 います。
  カリフォルニア大バークレー校のDavid DeGustaらのチームは、ヒト以外の30種の
 類人猿の舌下神経管の大きさを計測しました。すると、そのうち15種はヒトより大き
 いことがわかりました。テナガザルのその平均サイズはヒトの2倍の太さになるそう
 です。彼らは、話す能力を測るために舌下神経管の太さを用いるべきでないと言っ
 ています。もちろんデューク大の研究者も反論していますが、あなたはどう考えます
 か?
 CNNニュース
 CNNカスタムニュース1
 CNNカスタムニュース2
 ABCニュース

ネアンデルタール人の新たな化石発見1.27.99
 1856年に最初に発見されたネアンデルタール人に属する新たな20個の骨が
 発見されたそうです。最初の発見場所はその後どこなのかわからなくなった
 そうで、ドイツのケルン近くのネアンデル川の土手に沿った、その場所の再発
 見ということになります。
 発見したのはJuergen Thissen と Ralf Schmitzの率いたチーム。
 発見された骨は右脛骨の破片、また左脛骨の膝関節部のギャップにはまる
 破片、また肋骨から足指までの骨の断片などです。
 約40,000年前に遡るこの化石は3月に展示されるそうです。
 CNNカスタムニュース
 参考:ネアンデルタール博物館 ネアンデルタール人の頭蓋骨の成長

人類の祖先はかなり初期から肉食をしていた1.18.99
 アウストラロピテクス・アフリカヌスは、約300万年前に生息していまし
 たが、その歯のエナメル質の科学的組成の分析により、彼らが肉食も
 していたことが、明らかになりました。これまでの骨格の研究からは、
 森林で植物食をしていたとされていたのです。最新の研究では、草原
 で小動物を捕らえて食べることも多かったことを示唆しています。この
 研究はサイエンスに発表されています。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 アウストラロピテクス・アフリカヌス
 サイエンス

人類の到達がオーストラリアの大型動物の絶滅をもたらした1.11.99
 人類がオーストラリアに到達したのは約5万3,000年前から6万年前と考えられ
 ていますが、火を狩猟の道具として使う彼らのために当時の体重約45キロ以上
 の大型動物のうち85%が絶滅に追いやられたことが研究の結果わかりました。
 Genyornis newtoniという大型の鳥の化石化した卵の研究から年代がわかった
 ようです。これは、サイエンスに発表されるそうです。
 ヤフーニュースライン
 CNNニュース
 BBCニュース
 ABCニュース
 サイエンスデイリー

エチオピアで500万年前の古人類化石発見1.10.98
 現地の英字新聞の報道によると、エチオピアのアファール州アワシュ渓谷-
 '74年にあのルーシー(アウストラロピテクス・アファレンシス)が発見された地
 域ですが-中部のAldyaという所でで13か国からの合同調査隊が約500万年
 前に遡る人類の祖先の化石を発見したそうです。調査隊の一人、米カリフォル
 ニア大バークレー校のティム・ホワイトは、この発見を”並外れたものだ”と説明
 しています。
  さらに250万年ほど前の別の古人類頭骨化石も発見され、このことは、人類の
 別の種が存在したことを指摘し、また早期の石器の使用についての研究者間の
 意見の不一致を解消するだろうと、エチオピアのトップ研究者Berhane Asfaw博
 士は述べています。 
 NANDO
 CNNカスタムニュース(新華社)
 CNNカスタムニュース(AP)
 CNNカスタムニュース(PANA )
 朝日新聞
 ディカバりーオンライン

南アフリカで320~360万年前の殆ど完全な猿人化石発見12.10.98
 発見された場所はヨハネスブルグ郊外のSterkfonteinというところで、
 ここは、74年前に最初の猿人頭蓋化石が発見された場所でもあります。
 また、これはかのルーシーよりも古い完全な化石である点、最初の成人
 化石であることなどが強調されています。本日発行のネイチャーに掲載
 されるそうです。
 CNNニュース
 ヤフーニュースライン
 ワイトウォーターズランド大学のプレスリリース
 ABCニュース
 BBCニュース
 MSNBCニュース
 サイエンスデイリー
 ネイチャー

ルーシーは男だった?12.2.98
 ”ルーシー”といえば、アウストラロピテクスの有名人で、ビートルズの
 "Lucy in the Sky with Diamonds"にちなんで名付けられたものですが、
 スイスの古生物学者Peter Schmid と Martin Hauslerは、ルーシーは
 男性だったと主張しています。骨盤が狭すぎるということのようです。
 CNNカスタムニュース

ミャンマーで4,000万年前の霊長類化石発見11.29.98
 ミャンマー日本ポンダウン地区化石調査隊(隊長、茂原信生・京大
 霊長類研究所教授)は28日、ミャンマー中部のポンダウン地区で
 約4,000万年前の地層から原猿類と真猿類の中間の特徴を示す化
 石を発見しました。サルの進化はアフリカでというのが、今までの通
 説でしたが、今回発見の化石はその研究により、一石を投ずるもの
 になるかもしれません。
 共同通信社
 朝日新聞(新聞記事は1日で消えます)
 日本経済新聞
 京都大学霊長類研究所

中国で240万年前の古人類化石発見11.8.98
 CNNカスタムニュースによると、中国安徽省で240万年前の
 大量の古人類化石と180個に達する石器が発見されました。
 これはアジアで最も古い人類化石となるそうです。同時にゾウ、
 ウマ、ネズミなどの化石も発掘され、当時この地が豊かな環境
 であったことを示すそうです。 
 CNNカスタムニュース

スペインで78万年前の古人類化石発見10.29.98
 ミシガン大学のプレスリリースです。

タンザニア・オルドバイで180万年前の人類の歯発見10.28.98
 パラントロプスの歯がこの8月に発見されたそうです。
 CNNカスタムニュースです。