31 恐竜の復元 LIFE RESTORATIONS
OF DINOSAURS
監修 小林快次、平山廉、真鍋真
イラスト・造形 小田隆、田淵良二、徳川広和、
GARY
STAAB, KAREN CARR, TOOD MARSHALL, TYLER KEILLOR
学習研究社 192ページ ISBN:978-4-05-403622-2 本体4,500円
2008年8月26日発売
「この本は、芸術と科学という二面から、恐竜などの絶滅した動物を
見つめるものです。」この本の「はじめに」冒頭の文章です。本書の特
質はこれに尽きると言っていいものです。
日本から3名、海外から4名のアーティストの作品35点。それぞれの作
品について、登場する恐竜などを専門とする研究者により解説やトピッ
クが執筆されています。恐らく日本で初めてアーティストと研究者のコ
ラボレーションによって生まれた、とても魅力的な本です。
魅力その1:内外のアーティストによる復元画や造形を、美しい印刷
で楽しむことができる。ただ眺めているだけでも十分楽しめます。その
2:テーマとなった恐竜などについて、研究者の視点から最新のトピッ
クスや議論となっている事について解りやすく知ることができる。これ
もかなり大きいポイントで、恐竜図鑑類が「恐竜紳士録」以上の領域に
踏み込めない、その空白を埋める位置を占めています。その3:復元の
裏ではこんな研究や表現上の過程を経ていると具体的に知ることができ
ることです。それも研究者、アーティスト両者の視点からです。
復元画や造形について、その恐竜などの研究成果を取り入れて作る二
次的な生産物とする見方があるかもしれません。しかし、「古生物の復
元には、あらゆる証拠を矛盾なく説明できるようなモデルを構築する、
推理小説家のような想像力が必要」であり、「情報を復元画という一つ
の形につくり上げていくにつれ」、研究に「落ち度がある」ことがわか
ることもあるといいます。両者は、相互に影響しあい共に「進歩しあえ
る関係」にあるのです。そんな関係まで読みとることができれば、かな
り高度な読み方をすることもできます。
しかし、最初からそんな読み方をする必要はありません。ただ眺める、
恐竜の骨格や姿の素晴しさに惹かれる、それで十分です。興味を持った
ら何度でも読み返してください。何度でも読み返せるおいしい本ですから。