17 中国古鳥類図鑑
   2000年4月刊。著者 侯連海ほか 雲南科技出版社 168元 ISBN 7-5416-1383-5/Q・53
中国古鳥類図鑑   2000年12月、池袋の国際化石鉱物ショーで買いました。台湾の業者が販売していたのですが、
  なんと6,000円。その翌日、恐竜倶楽部年末集会で見せたら、迷って結局買わなかった人が何人
  もいました。(ちなみに書虫では9,230円!!)
   でも、これは私には絶対必要な本。「中国旅行するより安い」と変な理屈で自分を納得させまし
  た。始祖鳥と15種の中国産化石鳥類について、1種につき4ページを費やして紹介しています。
  最初の2ページで簡単な紹介と化石写真。次の2ページで小さな骨格図と生態復元図。化石写真
  とイラストは勿論カラー。
  紹介は、論文と同じ形式で学名、その由来、産地と時代、保存現状、基本特性が中・英2カ国語
  で。
   というわけで、中国古鳥類を知るには絶好の図鑑になっている。イラストもすばらしい。さらに中
  国の本とは信じられないほど印刷・製本がいい。ぜひとも揃えたい1冊だ。
   金子隆一氏によれば、2000年6月の国際古鳥類学会ではこのハードカバー版が配られたという。
  何ともうらやましい話だ。


18 恐竜大百科事典
   2001年2月20日刊。
   小畠郁生監訳。加藤珪、池田比佐子、舟木嘉浩、舟木秋子、乾睦子、永峯涼子翻訳。
   朝倉書店 本体22,000円 ISBN4-254-16238-3
   インディアナ大出版部から1997年に出版された、THE Complete DINOSAUR の完訳本。

  大きく6つのパート(恐竜の発見、恐竜の研究、恐竜の研究、恐竜のグループ、恐竜の生物学、
  変わりゆく中生代に生きる恐竜の進化、恐竜とメディア)に分かれます。パート中の各章をそれぞれ
  研究者や専門家が執筆する形をとっています。例えば獣脚類についてはフィリップ・カリー執筆。
   翻訳をほんの少しですが、原著と対照して見てみました。ほぼ正確に読みやすく翻訳されていま
  す。かなり専門的な内容も含まれるので、訳された方々の苦心があったでしょう。一般読者が入手
  できる日本語の恐竜本としては、最高レベルにあるものの一つです。恐竜研究の各分野について、
  基本的な事項をおさえるためにも役立つでしょう。

   欲を言えば、1冊でかなり広い分野をカバーしているため、各章それぞれについては、量的にもの
  足らない気がするかもしれません。さらに調べたり勉強したい方は、掲載されている参考文献に挑戦
  してみてください。

  価格は、専門書レベルの値段なので、なかなか手が伸びない方もいると思います。が、恐竜に対す
  る関心を、単なる興味からもう一ランク学問的なものへアップしようとする方には、必携の一冊です。
  対象としてはぎりぎり高校生以上かな?寝る前に枕元で読めるほどの本ではありません。
  最後に、装丁はいかにも朝倉書店という地味に見えるもの。同書店のポリシーなんでしょうが、もう少
  し視覚的にアピールするものでもよかったのでは?
  

19 遼寧北票鳥化石群国家級自然保護区図片集
  范国清編著 遼寧民族出版社 A4版77ページ ISBN7-80644-367-3/Q・1図片集表紙
  2000年4月刊 現地価格60元 書虫では3,340円

  2000年5月に中国で開催された第5回SAPE(古鳥類学会)を記念して制作
 された本です。著者略歴はついていませんが、写真などから遼寧省現地の
 研究者、それも地質に詳しい方であることが推察されます。

 内容は、鳥類の起源に始まり、遼寧省の化石鳥類の紹介、その他無脊椎、
 脊椎動物化石の紹介、地質構造、発掘地や周囲の景観など多岐にわたっ
 ています。もちろん化石鳥類について大部分を割いています。

 この本の第一の特色は、オールカラーページであることです。しかも写真枚数
 がとても多い。250枚以上にもなります(化石以外の写真も多数あり)。中国の
 書籍でこれは非常に珍しいことです。化石写真の中には、ぼやけたものも含
 まれますが、外に見ない貴重なものも多数あります。

 第二の特色は、地質資料が比較的豊富なことです。産地の地質図、柱状図
 があり、どの化石がどこで産出したかわかりやすくなっています。

 第三に、鳥類以外の熱河生物群の化石も紹介されていることです。これによ
 り、遼寧省のトータルな古環境に触れることができます。

 第四に、英語も併記されているので、中国語が読めない方でも内容を理解す
 ることができます。

 一方、不思議に思うことは、いわゆる羽毛恐竜については全くといっていいほ
 ど触れていない、写真もないことです。あとがきによれば、著者は羽軸、羽枝
 がある真の羽毛をもつものは鳥類という見解をとっているようです。ちなみに、
 シノサウロプテリクス、カウディプテリクスおよびプロトアーケオプテリクスは鳥
 類として紹介されています(16ページ)。

 こんな点もありますが、カラー写真、外にみない資料の豊富さそして、日本円
 でも3千円台で購入できる点。これらをあわせれば、遼寧省の化石鳥類に興
 味をもつ方にはマストアイテムといっていいでしょう。熱烈におすすめします。