買い物かご
ここでは、持っていたり、新しく買った本、ソフト、グッズなどについて、感想を書いていきます。
これからぼちぼちとね!
1. 恐竜っちを買ってしまった・・・
5月19日、下北沢(東京)の雑貨やで恐竜っちを見つけてしまった。ここは、今までも犬っちが2種類でてきたりして、職場の帰りに注目していた店。何しろミニスカートにルーズソックスの面々のメッカですから、目新しいゲームが入ると1日で売り切れてしまう。目についたら、その場で買うのが鉄則!
ゲームの世界では、鳥から恐竜が進化したようだ。
値段は、税込み2,300円。最初に時刻セットをしてから約5分後にダイノ・ベイビー誕生。時々呼び出し音が鳴ると、ご飯をやったり、ゲームをしたり(恐竜が勝つとごきげんが良くなる)しています。なお、糞の掃除、病気になったら注射など、ほかのゲームと同じです。今、セットして50分たちましたが、年齢は0歳、体重5g、しつけは0、おなかは4分の3といったところです。さて、どこまでそだつか?・・・
さて、翌20日。ダイノベイビーは3歳になりました。体重は17g。ご飯もゲームもしたのでごきげん。でもしつけがなってないぞ!
3日目にあたる21日、職場の帰りにご飯をたらふく食べさせ、遊んでやって、これで安心と帰宅して片づけものをし、8時ごろ気づいたら、すでにお墓の中でした。
こちらが恐竜っち様5歳の頭蓋骨でござい。ここが方形骨あちらが前眼窩窓などとふざけている場合ではない!かくしてリセットリターンマッチ。
2. 恐竜はタコ!恐竜っちその後5.30.97
その後、5、6匹の恐竜っちを殺し、やっと育てた丸い顔が6日目を迎えた今日の午後2時過ぎです。画面によこ縞が入って変態!・・・・・・クチバシのようなものが付いて左右に首を振っているが、どうも頭からアシのように見える折れ曲がった筋が出ている。首にしてはヘンだが、画面が小さいし・・・ とにかくあやしてやろうと、あっち向いてほい!のゲームをする。と、勝負がつくとイカに変身?!
イカに変身するっていうことは、やっぱりタコだったんだ。高等脊椎動物である恐竜から高等無脊椎動物であるタコに変化するのは進化なんだろうか、退化なんだろうか。でも、ごきげんもおなかも満タンだし、ウーン悩む。おやぢっちの一種なんだろうか・・・
どんな姿でも、ここまで育てた可愛い我が子なんだから、もうしばらく育ててみることにしよう(こう言ったら、職場の同僚の女性に笑われてしまった)。頼むから2・3日で別のものに変身してくれ!
3.
人類の起源6.1.97
日本経済新聞社から発売されている文字通りの中身のCDロム。本体5,800円。
以前、群馬県立自然史博物館に行った時、コンピューター検索による立体古人類化石表示の端末があり、これはCDロムにしたら結構売れるだろうと、思った。同じようなことを考える人はいるものである。これは、古生物関係のCDロムでは久々のヒットだよ!コンテンツとしては、次の10になっている。
と、長々と書いたが、ホントにこれはお薦めの一品です。原産地はフランスのようですが、いい仕事してます。
なお、 こちらでテクニカルサポートや新製品情報をしているそうです。
4.
生命 40億年はるかな旅 第1巻6.30.97
'94〜'95年にかけてNHKで放送されたシリーズのCDロム化。ハイブリッド版。本体8,800円。NECインターナショナル(株)発売。
この第1巻では「海からの創世」、「進化の不思議な大爆発」、「魚たちの上陸作戦」そして後に「科学朝日」で論争となった「花に追われた恐竜」を再構成した形で収められている。
全体の構成は仮想博物館の建物の中を探検していく形。半ば廃墟といった感じだが、クリックしてもなかなか前進しないのが少々まだるっこしい。上層部から中層部、下層部の3階建てだが、主な展示は下層部にある3つの部屋にある。
年表、これはビジュアルなもので、所々に生き物が出てくる。この表示窓をクリックすると、説明が出てくる。そんなに詳しいものではない。
ストーリーカードを選択すると、それぞれの項目を見ることができる。ちなみに「花に追われた恐竜」を見ると、裸子植物になじんでいた恐竜は、新しく出現した花をつける被子植物と、哺乳類ほどうまい関係をつくれなかった。被子植物の繁栄により衰退する裸子植物と運命を共にした。と、読みとれるようだ。
さてこれが科学朝日上の論争から変更があったかというと、私の目には変更があったようには見えない。恐竜はホントに花に追われたのかどうか。NHKの放映によって一般には通説になったが、どうでしょうか。
生物検索では、生物を時代別あるいは類別で検索できる。といっても恐竜は20種類強なので、恐竜辞典としては、あまり使えない。その時代の特徴的な種類を概観するのに適している。
そのほか2つの部屋もあるが、これは買った人のお楽しみ!
番組の映像を元にした部分も含まれているので、そういった映像を楽しみたい人にはいいでしょう。まじめにお勉強ではなく、楽しむソフトです。しかし、2巻目以降も同じコンセプトで出すのなら、ちょっと問題かな・・・解説部分と映像・グラフィック部分が何かちぐはぐな感じを受けました。
5.
ゴビ砂漠の恐竜たち11.18.97
マイケル・ノヴァチェック著、瀬戸口烈司+瀬戸口美恵子訳。青土社 本体3,400円
既にあちこちのホームページで書かれていますが、やっと私の住む町でも入荷しました。
まだ120ページしか読んでいません。それで評価など烏滸がましいのですが、あまりにあまりなのであえて書きます。
まず、最初の3行で「グルバンサイチャン」とあるのに(れれっ?)さらに「ツグルゲーンシレフ」(うーむ・・・)。前者はゴルバンサイハン山脈(これにちなんで名付けられたサイカニアは「サイチャニア」と表記)、後者はツグリギン・シレのこと。明らかに英語の綴りをそのままに読んでいる。ちょっと調べればわかることなのに、その手間を惜しんでいる。
よい翻訳というのは、1文法的に正確。2訳語が正確。3文章が日本語としてこなれている。なんていうのが最低条件ではないかと思います。これをこの本に当てはめてみるとどうでしょうか。1については、原著を持っていないのでなんともいえませんが、訳文から推測するに、翻訳者の英語力は一流大学の教養課程の学生とどっこいどっこい、へたすると劣るかも・・・と、なります。どうみても続けるべき文章が切れていたり、その反対に分けるべき構文をつなげているように思えます。
次に2訳語が正確かというと、専門家が監修しているはずなのに「獣脚類の初期の「枝」である角竜類」(げげっ!もし、使っている用語が違うのなら注を入れるべきでしょう)、「新生代−略−は三畳紀と第四紀とに分けられる」などという文章が堂々と出ている。その辺の中学生でも第三紀の誤りと気づくはず。
昆虫を対比するのに、片方をカブトムシといい、一方を膜翅類というのはいかがなものか(原著がそうなっているのならごめんなさい)。
3こなれた日本語かというと、「ソテツやイチョウは種子と花粉の球果を別々の植物で運ぶ」(いつからイチョウは宅配便を始めたんだ?)「最大の恐竜、地面を揺るがす首の長い竜脚類、アパトサウルスやバロサウルス、セイスモサウルス、ブラキオサウルスなどに匹敵する大型の動物がいた。」(どんな動物がいたんだ?)
と、あきれながら読み進めている理由は、私も'97年の夏にツグリギン・シレに行き、現場感覚で読めること。プロの仕事だから、きっとすばらしい発見の報告があるだろうという期待からです。
訳者あとがきは、最近のサイエンスライターによる質の低下した恐竜本を批判していると読めますが、最近の古生物学者も質の低下した仕事をしているという格好の証拠となっているようです。付け加えて、こういう翻訳の本を商業ベースで出版した出版社と担当編集者の感覚を疑ってしまいます。原著者がこれを知ったら泣くよ
6. 恐竜博士ディノ11.21.97
恐竜カード。本体2,300円
復元イラスト/小田 隆・北村雄一・本田成正・山本聖士
企画・考案/石塚幸雄・金田宏仁
発売元/奥野かるた店 東京都千代田区神田神保町2−26
рO3−3264−8031 FAX03−3230−1512
以前、本田氏からちらっと聞いていました。最近ちまたに出回っているようです。私は神保町の岩波書店で買いました。4氏の復元イラストによる恐竜60種、翼竜4種、魚竜4種、首長竜4種、トカゲ2種、ワニ4種、カメ2種、計80種のカードです。カード自体のサイズはふつうのトランプより1〜1.5cm大きくした程度。
イラスト以外には、全長=点数(単位:m)、時代、名前(学名のカナ表記)、分類(表記とカードの枠などの色)、分類(竜脚類、獣脚類など)、食性、産地及び学名の意訳(腕のトカゲなど)が記載されています。
遊び方としては、戦争の要領で「大きさくらべ」、ババ抜きの要領で「なかまさがし」、ページ・ワンの要領で「足元注意」、「恐竜博士」などが紹介されています。もちろんミニ図鑑として使えます。
まず、書き下ろしのイラストが正確でかつ美しい。近頃評判のどこぞの直立恐竜の図鑑とは天と地の差。また、特色のある恐竜が専門知識のある彼らによって選ばれている。あなた、ペレカニミムスがどんな格好か想像できますか?ヤンチュアノサウルスは?キンポスポンディルスは?シネミス・ガメラは?名前を少しあげただけで、相当恐竜を知っている人でも咄嗟に姿が思い浮かばない種があることがわかるでしょう。もちろんティラノサウルスやオヴィラプトルもいますが。
こういうカードは公文からも発売されていますが、こちらの方がオリジナリティの点で上。
なお、「環境激変カード」、「大絶滅カード(このカードは隕石説は採っていない)」というジョーカーの役をするカードもあるので、ほかのゲーム(恐竜版大貧民もできるかな?)もアイデア次第です。
と、いうわけで絶対のおすすめ!
7.CDロム
アメリカ自然史博物館 地球のたからもの12.6.97
Treasures of the American Museum of Natural History
CDロム 発売株式会社ボイジャー
翻訳 富田晶子、富田倫生 標準小売価格\5,000.(税別)
美術館のCDロムはよく見かけるが、自然史系の博物館のものは珍しい。これは、アメリカ自然史博物館のミュージアムショップで売られているものを翻訳したものらしい。
内容は、同博物館に展示されている50の収蔵品についてテキスト、ナレーション、ムービー及びQuicktimeVRで紹介するもの。恐竜関係は、恐竜の胎児、恐竜のミイラ、ティランノサウルス、グレンローズの通り道がある。ほかに博物館のモンゴル遠征や、ティランノサウルス骨格の組立パズルなどがある。QuicktimeVRで恐竜骨格展示室が360度見渡せるので、現地にいるような気分にさせてくれる。各項目の説明も文章、音声、写真、ムービーなどを効果的に使用している。出来は悪くない。
難点は256色表示なので予め画面のプロパティを変更すること。また、私のパソコンでは、このCDロムは頻繁にリードエラーを起こした。他のCDロムではエラーが起きないので、このCDロム自体に原因があるのかもしれない。それさえ起きなければ十分購入する価値がある。
なお、ボイジャー社のホームページを見ると、自然科学系の製品をいくつか出している。それらも面白そうだ。同社にはこの手のものを今後も出してもらいたいものだ。
8. 恐竜! 化石を求めて1.18.98
ナショナル ジオグラフィック ビデオ 製造・販売元:東和ビデオ(株)
カラー 二か国語、54分 1997年
今回は、借り物かごです。試写版を金子氏から借りました。たぶん4,000円台で販売しているはずです。中身は、アメリカ自然史博物館のマーク・ノレル、マイケル・ノヴァチェクらのモンゴルにおける恐竜発掘のドキュメンタリーです。解説書がついていなかったので(製品版にはついているのか不明)、いつの発掘か、私にはよくわかりません。
'20年代のアンドリュース探検隊の記録フィルムや、「恐竜百万年」の一シーンも交えながら、丹念に発掘行をカメラは追っていきます。ウカールゴットで彼らは2頭連れのオヴィラプトル(何というニックネームをつけたかはビデオをご覧ください)、巣を抱いたオヴィラプトルを発掘していきます。やがて自然史博物館での剖出により、その完全な骨格が現れてきます。
これは、アンドリュース探検隊以来の西側の学者による発掘記録であるというだけでも貴重なビデオだと言えます。翻訳も(内輪誉めかもしれませんが)金子氏の監修なので、安心して聴けます。
「ゴビ砂漠の恐竜たち」の理解を深めるためにも、とても役立ちます。お薦め。
9.
かたちの進化の設計図1.21.98
ゲノムから進化を考える2 倉谷 滋著 岩波書店 本体1,600円
松原謙一、中村桂子編の全5巻の1冊。
文豪、政治家であるとともに自然科学者であったゲーテから始まった「形態学」。それは脊椎動物の進化を骨の進化ととらえるところから始まった。頭蓋骨は脊椎骨の変形とする説から話は始まる。やがて、それは脊椎動物の2大骨格(肋骨を含めた脊椎骨と、内臓骨と言われるエラの骨格。ちなみに顎はエラが進化した)の進化の話。さらにそのような形を決める遺伝子の話へと発展していく。
私たちシロートは、ついつい目先の恐竜の骨格にばかり目を奪われがちだが、この本により、その骨格とはそもそもどのように進化してきたのか再確認するのにとても役立つ。
文章は平易(低レベルという意味ではない)、図版もわかりやすい。広く、骨格とは何かを考えるための好著。お薦め。
10.
恐竜復元2.6.98
岩波科学ライブラリー57 犬塚 則久著 岩波書店 本体1,000円
「骨学」を柱とした話である。「恐竜学最前線」で、伊藤恵夫氏が「恐竜の骨学」のシリーズを連載していたことを思い出される。
恐竜の属や種の分類には個々の骨の特徴から判断されるが、それを総合して復元するには、個々の骨がどこに位置しているか、脊椎動物の進化の中でその骨がどう変化してきているか、あるいは新しい骨が出来たり、反対に消えることもある。さらに、その動物の行動から骨の関節の具合はどうなるのか、初学者にもわかりやすく書いてある。
恐竜骨格復元の実際の諸説としてイグアノドン、ステゴサウルス、トリケラトプス、ディプロドクス、ティラノサウルスについて諸学者の復元図を入れて解説してあるので、これだけでもかなり参考になる。その他のイラストは、平田有佳さん。これを読めば、博物館の展示骨格が最新のものか、古い説のものかわかるようになる!お薦め。
11.
生物は重力が進化させた2.6.98
講談社ブルーバックスB1197 西原 克成著 講談社 本体800円
脊椎動物に限った進化の新理論。ホヤの幼形成熟から脊索動物の原型が誕生し、水流による流動電流の発生や、陸上での1Gの重力により、遺伝によらず力学的対応により変化し、それを遺伝子が後追いして進化するということなのか・・・
私には、流動電流のことや、変化した形が予め遺伝子にプリセットされていたかのように理解できる文章は、やや理解が難しかった。しかし、著者は、ホヤやサメ、イモリを使って、変化を実験により確認している(!)。
もし、重力が作用しないと進化が起こらないのなら、人類が宇宙に進出したらどうなるのか・・・と、よけいな想像もしてしまった。
なお、著者は、学研の最新科学論シリーズ 科学10大理論「進化論論争」特集(97年10月発行、本体1,800円)にも「重力ラマルキリズム」として12ページほど寄稿している。簡単に著者の説を知るにはこちらがいいかもしれない。
12.リチャード・ドーキンスの生命の進化3.8.98
CDロム。発行:主婦の友社 税込価格7,800円 FUMIホームページにて紹介。
「利己的な遺伝子」のドーキンスがエクトプラズマのように書斎に現れて、私たちを進化の旅にいざないます。
博士の書斎を出ると、東西4方向に道はのびます。それぞれ先端のハスのつぼみをクリックすると、博士の理論に基づいた説明の文章と画像が現れます。(たとえば「美しさはどのように進化したのか」など)
また、遺伝等のシミュレーションも楽しめます。博士の著書「ブラインド・ウォッチメイカー」からの引用で、各キーワードによる説明文もいつでも呼び出せます。完成レベルは非常に高いといえます。一つだけ残念なのは256色表示なので、映像が若干荒くなること。これだけ情報をつめこんでいるので、仕方ない事ですが。
何度でも楽しめるソフトです。お薦め。
13.
Encyclopedia
of DINOSAURS 4.28.98
洋書。発行:ACADEMIC PRESS 価格:本体99ドル95セント(参考価格:97年12月の紀伊国屋で18,290円)
菅原孝標女だったか、少女の頃、父の国司の赴任先である草深い田舎に住まいしていた頃、源氏物語のまだ読んでいない巻を貸してもらい、心も躍る勢いで家に帰り着くと脇目もふらず読みふけり、この気分に比べたら当時の女性の最高峰である皇后の位も何と言うこともないと述べていたくだりがあったように思います。
なぜこんなことをうだうだと書くかというと、今の私の気持ちがまさに同じだからです。昨年12月の紀伊国屋で手に入れ損なって以来、いつかは・・・と思っていました。たまたま
アマゾンに注文した人の体験を読み、そんなに難しいものでないことがわかったので注文してみたのです。4月19日に3週間以内配達のWorld
Mailというものでオーダーしたところ、27日に配達。不在だったので28日に郵便局に行ったという訳です。ちなみにこれで価格は112ドル。140円換算でも15,680円です。
さて、その中身は・・・まず、大きい重い。体重計ではかったら2.4kg。見かけだけでも大冊。目次の項目を見ても感激!私にとって身近なモンゴル関連をみると、バルン・ゴヨト層、バヤン・マンダフ、バヤン・ザク、ジャドクタ層、モンゴルの恐竜、ネメグト層、ウランバートル古生物学博物館、ポーランド・モンゴル発掘事業、
オヴィラプトル類、ウカー・トルゴッドと、こんなにある!目次はアルファベット順に275項目。それをみるだけでワクワクする。恐竜の解説にしても分類だけでなく、地域的になじみの薄いインドの恐竜や西アジアの恐竜についての解説、博物館についても金子隆一氏の紹介のほか一般には知られない南アフリカの博物館の紹介もある。
正直言って、私の英語力はノヴァの鈴木さん以下なので読みこなすのは結構しんどい。これの使い方は一般の百科事典と同じで最初からじっくり読むもよし、知りたい事がでる度にひくのもよしといったところでしょう。
いずれにせよ、しろーとが手にすることのできる恐竜本としては最高レベルであることは間違いない!THE
DINOSAURIA以来の恐竜バイブルとしてしばらくの間君臨するのかもしれない。
中身の感想はじっくり読んだあとで・・・
14.澄江生物群 寒武紀大爆發的見證
中華民国 国立自然科学博物館 ミネラルフェアでの売価3,600円
98年6月の国際ミネラルフェアに行かれた方なら、この本が平積みで、売られていたのを見たことだろう。
180冊限定と書かれている割には売れていない印象だった。
しかし、私にとっては今回のミネラルフェアでの一番の収穫はこれだった。
とはいえ、澄江(チェンジャン)生物群とは何か知らない方が殆どだろう。これは、グールドの「ワンダフルライフ」で有名な、バージェス頁岩生物群と同じ、カンブリア爆発の時代の生物群である。ただし、こちらの方が1千5百万年ほど古い5億3千万年ほど前の時代になる。産地は中国雲南省澄江県撫仙湖の東北数キロに数カ所ある。
図版を見ると、バージェスのものより遙かに鮮明に化石が識別できる。この本は220ページほどだが、その殆どのページがカラー図版になっている。化石図版、解説、右の表紙のような復元図など、たとえ中国語がわからなくても見るだけで楽しい。アノマロカリスの復元なども一般に知られているものより変化してきているようだ。
目玉はカニのようだし、触手が横方向に曲がるようになっている。うかつな私は、こ
んなことも知らなかった。
今では、奇妙奇天烈動物扱いから現世動物に子孫を残したものも多い、系統もかなりはっきりと解明されているそうだ。
しろーとにはこれらの動物の中国語名がすこぶる面白い。海怪蟲、奇蝦(アノマロカリスのこと)は、まだいいとして、周小姐蟲(どうやら中国の研究者、周桂琴女史にちなんだらしい。しかし小姐というと、北京や香港の食堂のウェイトレスを私など思い起こしてしまう。)、灰姑娘蟲(灰かぶり姫−シンデレラ虫。どこが一体シンデレラなんだ?)に至っては意味不明としか言いようがない。極めつけは中華謎蟲!そりゃね、研究途上でしょうが・・・
金子隆一氏におみやげに持っていったところ、あまりの名前にひくついていた。これで半年は楽しく生活できるそうだ。
でも、お断りしておくが、これは学術的に非常に貴重な本であることは間違いない。会場で買わなかった方、おあいにく様!
15.生命の起源 Ocean,Origins
of Life 〜海から生まれた古代の生き物たち〜11.30.98
CDロム。制作・著作:日本経済新聞社 価格:本体8,000円
日本経済新聞社は、これまでにも「人類の起源」など、良いソフトを制作している。だから、これにも期待していた。
期待は裏切られなかったようだ。興味が持続する非常に優秀なソフトである。
一応、ストーリーの設定は、海神ポセイドンから全ての海の知識を保管するよう命じられたイクティオスの神殿を探検するという ことになっている。神殿といっても内部は、古代そのままとはいえない。が、そんなことはどうでもよい。カンブリア紀から白亜紀
5億年の海の生物の進化を目の当たりに見ることができるのが眼目だからだ。
構成は例えばこうなっている。
1 資料室 解剖学講座:代表的な種と種を比較しながら体の各部(例えばヒレ)が
進化していった様子を観察できる。
海の生き物たち:我々が海の生き物に対して抱いた幻想、観察の歴史を振り返る。
レキシコン:解剖学用語や学名の語源を辞典で調べる。
読書ガイド:ジャンル別に入門書から専門書まで
動植物図鑑:アノマロカリスからモササウルスまで113種の古生物図鑑。
ほかにも観察室やタイムトラベル、パンテオン(!)もある(パンテオンは、古生物学に貢献した学者の殿堂です。)
私が感心したことは、こんなところだ。
@古生物の分類・系統をしっかり解りやすく説明している。
A個々の生物の説明が化石、復元図、骨格図及び説明文により、これも解りやすくなっている。
B普段あまり触れられない学名の語源についても学べる。
Cバーチャルで化石の研究ができる。
Dその他の部分も資料的にしっかりしている。
CGはそれほど細密というものではないが、生物の特徴をよくとらえている。
元々はフランスで作られたものの翻訳のようだが、科博の真鍋研究官の監修が入っている。
恐竜は出てこない(なぜ出ないか解りますね?恐竜は海の生物ではないから)。
小学生には大人の解説がいる部分もあるように思えるが、古生物ファンなら買って損はないだろう。
16.化石は愉しい!2.3.99
ニコラス・ウェイド編、冨田幸光監修、神保睦訳。翔泳社発行。328ページ。本体2,000円。
ニューヨーク・タイムズの科学欄に掲載された記事をまとめたもの。時期は'92年1月から
'97年7月までとなっている。一つひとつの記事の分量は、日本の新聞の科学欄の解説記
事よりは長めだが、ランダムにエッセイを読むようにページをめくることができる。内容も掲
載時を考えれば決して手を抜いてはいない。
書名にあるように、古生物学の分野の記事であるが、さらに分けると、「生命の起源」、
「恐竜から鳥へ」、「地球規模の大災害」、「進化の歴史を書き換えた出来事」、「次々と発
見される化石」、「人類の出現」と各章に全51編の記事がまとめられている。
例えば「恐竜から鳥へ」の中には、カルカロドントサウルス発見の記事、恐竜胎児の発見、
すごもりする恐竜たち、痛風持ちのスー、飛ぶことの起源などのトピックスが並ぶ。
インターネットで最新の報道に接している私には、'97年の記事でさえ歴史上のできごとの
ように感じられる部分もある。しかし、この本のよいところは、恐竜に限らず最近の古生物学
上の大きなトピックスを簡潔に網羅していることだ。監修者の冨田氏も初耳と驚く記事があっ
たようだ。挿し絵も適所にあるので、理解を容易にしてくれるだろう。枕元に置いて、寝しなに
一章を読むのもいいだろう。
なお、冨田氏は最近の特に恐竜本の翻訳についてあとがきで触れているが、このコーナー
を読んでいる方には、どういうことなのかわかると思う。
翔泳社といえば、グラハム・ハンコックの「神々の指紋」や、ポーラ・アンダーウッドの「一万
年の旅路」などを出版している。同じニコラス・ウェイド編では「ハチクイは旦那が実家に入り
浸り」が出版されている。