驚異の大恐竜博
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徐星教授、「鳥類の飛行起源や翼の進化を明らかにする新説」発表

 次に、標本前で質疑応答が行われました。
とても残念なのですが、用意されたイヤホン用トランスミッターの調子が悪く、
ほとんど聞き取ることはできませんでした。写真左の女性記者のような位置
にいれば聞き取れたのでしょう(真ん中は通訳)。

断片的に聞いたことを書いてみます。
・飛行時の後肢は固定状態。
・ドロマエオサウルス類は我々が思っている以上に走らない動物。

わたしがした質問と答えを下に書きます。

質問:飛行時に後肢が斜め後方に開くというが、羽毛は後肢に対しどの位置
に生えているのか。横方向に生えているなら、樹上でも地上でも移動時に
邪魔になるのではないか。
答え:おそらく後ろの内側に生えていて、筋肉を使って羽毛(の方向)を動かし
たのではないか。

質問:羽ばたきと滑空を繰り返したというが、はばたきの強さや時間的な長さ
はどのくらいだろうか。
答え:羽ばたきの能力は始祖鳥と同程度だっただろう。しかし始祖鳥より体
が小さいので、力も小さくなる。その分後肢と尾で補うので全体として同程度
だっただろう。

質問:はばたく場合、ミクロラプトルの肩関節はどの程度上まで腕が上がった
のか。
答え:現在の鳥類ほど上までは上がらなかったと思う。

質問:この仮説はどこかのジャーナルで発表する予定はあるのか。
答え:ここ1・2か月のうちに、「二つの恐竜」という題で論文を発表する。標本
と直接関連しないが、その中でふれていく。(あとで別の記者が質問したことと
総合すると、JVPの10月号のようです)