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  特別展示「世界最小ナウマンゾウ」
2012年04月13日 (金)

群馬県立自然史博物館
2000年に栃木県栃木市で発見された世界最小のナウマンゾウの化石を展示し、絶滅ゾウの「進化の旅」へ、あなたを誘います。

会期:平成24年4月13日(金)〜30日(月・祝)9:30〜17:00(入館は16:30まで)
会場:自然史博物館エントランス(無料ゾーン)
解説: 2012年3月、当館の長谷川名誉館長は、栃木県栃木市の葛生層から見つかったゾウ化石を研究し、世界最小のナウマンゾウとして自然史博物館研究報告書16号に発表しました。
 この化石は、2000年に吉澤石灰工業(株)が同社の石灰岩採掘地(鉱山)の堆積層で発見し、佐野市立葛生化石館に寄贈したもので、同化石館から依頼を受けて共同研究を進めてきたものです。
 長谷川は、ゾウ化石に付着した鉱物を取り除き、ゾウ化石が頭部、頸椎、胸椎、大腿骨など32個の部分骨からなること、肩甲骨など同一部分の部分骨が2セットあるものがあること、どちらの臼歯も生涯に6回生え替わる6本目の臼歯が摩耗していること、臼歯の摩耗した模様(咬合面)など歯の特徴がナウマンゾウに似ていること、この臼歯を含む化石が今までに報告されているどのナウマンゾウより小さいことなどの特徴から、世界最小サイズのナウマンゾウのメスが少なくとも2体、石灰岩層によりできた縦穴に落ちて化石になったと結論づけました。
 今回の化石の展示は、佐野市葛生化石館の協力により行うものであり、研究のために預かっていた化石を研究成果と共に展示し、県民の皆様に最新の自然科学の現状と同一種の変異(バリエーション)の多様性について紹介するものです。
 なお、展示にあたっては、ナウマンゾウの近縁種であるヨーロッパで棲息していたアンチクスゾウの下顎骨化石とそれと同等の大きさの瀬戸内海産のナウマンゾウ下顎骨化石も展示しますので、世界最小のナウマンゾウを実感していただくと同時に、ヨーロッパと東アジアで別々の繁栄を遂げた絶滅ゾウの進化の旅について思いを馳せていただくことができます。

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