日本の恐竜図鑑 じつは恐竜王国日本列島 1.27.12
宇都宮聡+川崎悟司著 築地書館 A5 160ページ オールカラー 2月発行予定
ISBN978-4-8067-1433-0 本体2,200円
恐竜ハンターとして有名な宇都宮氏と、古世界の住人の川崎氏がタッグを組んで、日本の恐
竜ほか古生物41種を紹介。恐竜化石発見の極意も伝授。発見記つきとのことです。
読んでみました。
日本の恐竜についてまとめた本といえば、1990年にどうぶつ社から日本にも恐竜がいたという
好著が出ています。各恐竜の発見のいきさつなど、興味深くかつ客観的に紹介していたと記憶
しています。
さて、日本の恐竜図鑑の方、対象は似通っていますが、コンセプトはだいぶ異なります。
「図鑑」というとおり、見開き左ページに各恐竜などの復元図。右ページに分類から共産化石ま
でのデータ、さらに発見の経緯や国内他産地の似通った化石の産出状況等、簡潔にまとめて
いる。化石標本や発掘状況の写真も組み込まれている。これ1冊で、現時点での産出・研究等
の状況は、大体把握することができます。
さらに、著者宇都宮氏が採集した各標本について、別ページにその発見記が、写真も添え、詳
しくまとめられている。理解が深まること、この上ない。ちりばめられているコラムでは、周辺知
識が読者に吸収しやすく紹介されている。巻頭には地質年代、日本の恐竜産出地層、恐竜の
分類など。巻末には恐竜や化石が見られる主な博物館のデータがまとめられています。
アマチュアが書いた本の信頼性を低く見る方がいるかもしれませんが、謝辞を見る限り、国内有
数の研究者の手が入っているので、信頼性は確保されているようです。
各恐竜の分類が、リンネ式の上目、目等を使った書き方であること、一方、一般書にはふつう使
われないVelociraptorinae等の名称も掲載してある点など違和感が感じられるところもありますが、
手元に置いておけば楽しく便利な本と断言できます。