戻る

白亜紀獣脚類恐竜、TROODON FORMOSUS の胎児と卵 10.27.02追加
  EMBRYOS AND EGGS FOR THE CRETACEOUS THEROPOD DINOSAUR TROODON FORMOSUS
  DAVID J. VARRICCHIO, JOHN R. HORNER, and FRANKIE D. JACKSON
  Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 22, No. 3, pp. 564-576.
  細長く、非対称な卵標本Prismatoolithus levis はモンタナ州西部、上部白亜系
  Two Medicine 層から常に産出する。こららの卵はこれまで鳥脚類
  Orodromeus makelai の卵に充てられていた、というのは幼体および成体の両者
  の遺物ともに典型的にこれらの卵と関連していたからである。胎児の再検査により
  少なくとも24のクレード恐竜類、獣脚類およびParaves類の派生形質が示された。
  胎児は、含気化した方形骨、近接した基盤隆起、多い歯の数、第二中足骨は第四
  中足骨よりはるかに狭い、強度に収縮した第三中足骨等、すべてトロオドン科とす
  ることのできる共有派生形質を示している。大きい基盤隆起の存在および幅広く丸
  くなった上顎窓の前縁から、Troodon formosus に充てることが認められる。全て
  ではないが殆どの骨は骨化しており、鳥類の胎児のステージ35-38の発達レベル
  そして孵化に至る時に比較できることを示唆する。胎児たちは同じ発達レベルにあ
  り、一かえりの卵の同時孵化を示している。Troodon 胎児は、長い遠位部および、
  成体と比較して根本的に異なる後肢のプロポーションを示している。Troodon 卵と
  同じ層準に関連づけられる、Orodromeus や他の小型脊椎動物の遺物は、産卵お
  よび育児期間の成体の獲物を表しているのかもしれない。
  Troodon 卵は、いくつかの鳥類と共有するか収束するかどちらかの、いくつかの側
  面を示し、さらにトロオドン科と鳥類との近縁関係を立証している。これらの特徴には
  非対称な卵の形、無分岐性狭管系気孔、乳頭とその上に重なる稜柱の層とのはっ
  きりした構造上の相違、ずんぐりした方解石へき開面のある樽形の乳頭垂体および
  第二構造を通して見ることの出来る稜柱構造が含まれる。