中国雲南省から産出した最も完全なピストサウルス上科 5.20.08
ZHAO Lijun, Tamaki SATO(佐藤たまき) and LI Chun
The Most Complete Pistosauroid Skelton from the Triassic of Yunnan, China
ACTA GEOLOGICA SINICA(地質学報英文版) vol.82 No.2 pp.283-286
ピストサウルス類は鰭竜類 (Sauropterygia)に含まれる海生爬虫類です。この論文では、
Yunguisaurus属の殆ど完全な骨格のうち頭蓋について記載しています。Yunguisaurus属の
模式種 Yunguisaurusl iae Cheng et al. 2006 と異なる特徴があるが、新種かどうかは今後の
詳細な研究にまつとしています。
故Elizabeth L. Nichollsに献名されたプレシオサウルス 3.24.08
カルガリー大ニュース 写真
故Elizabeth L. Nicholls博士は、ロイヤル・ティレル博物館で海生爬虫類を研究して
いた高名な研究者です。2004年10月18日に逝去しました。国立科学博物館にその
後頭部が展示されている巨大魚竜Shonisaurus sikanniensis の記載論文は真鍋真
博士との共著で逝去の数か月後に出版されました。アブストラクト
今回献名されたプレシオサウルス Nichollsia borealis は、北米で発見された最も完
全な骨格の標本であり、白亜紀でこれまで発見された最古のプレシオサウルスという
ことです。約1億1200万年前に生息していたそうです。これはプレシオサウルス類の
4千万年の空隙を埋める存在ということです。1994年Syncrude Canada Ltdの鉱山採
掘中、地下60mの地点で偶然発見されたそうです。
Palaeontographica Abteilung Aに論文は掲載されたそうです。
死後数年たっても献名されることは、なお本人にとっても遺族にとっても意義あること
といえます。
ノルウェー、スヴァールバル諸島で過去最大のクビナガリュウ類発見 2.27.08
BBC ナショナルジオグラフィック
北極圏のバレンツ海にあるスヴァールバル諸島のスピッツベルゲン島で、オスロ大自然史
博物館のチームが2006年に発見し、2007年に発掘した標本です。
約1億5千万年前のその標本、体長15mと推定されています。これまで最大のプリオサウルス
類は、オーストラリア産のKronosaurus 。体長10から11mです。かなり違いますね。
前肢のヒレは3mにもなります。
オスロ大ニュース 大きい写真 The Plesiosaur Site
「海のティラノサウルス」と呼ばれる爬虫類の化石、北極圏で発見 12.07.07
AFPBB News
ロシア、ボルガ川流域でプリオサウルス類化石 9.04.07
RussiaToday Capital Online
モスクワから東に893km、ボルガ川流域の都市ウリヤノブスク近郊で約1億2千万年前
から1億4千万年前のプリオサウルス類後ろ足断片が発見されたそうです。現地の地質
学者Vladimir Yefimov によると、その地方で最古の爬虫類標本であり、また体長は12か
ら15mと見積もられているそうです。
参考:プラウダ21.06.05
南極からプレシオサウルス骨格発見 12.13.06
National Science Foundation
米とアルゼンチンの共同発掘チームが、南極ヴェガ島で発掘したものです。約7千万年前のプレシオサウ
ルス幼体骨格、これまで発見されたプレシオサウルス骨格で最も完全であり、南極で発見された骨格とし
て最もよく関節した骨格だそうです。
体長1.5mのエラスモサウルス科ということです。特に腹部が良好に保存され、腹肋骨は枝分かれし、ある
ものは三叉に分かれているそうです。腹部からは胃石も発見され、幼体の時からバラストあるいは消化の
役に立っていたことが示唆されるそうです。この化石の頭部は体部から離れてしまい、未発見です。
当時の火山の大噴火により爆発物や火山灰が海中に押し寄せ、幼体を死に至らしめたそうです。発掘現場
はヴェガ島の標高200mの地点で、浅海だったと考えられています。他にプレシオサウルスや水鳥の化石も
発見されているそうです。
NSF記者会見の模様(動画)
30年前発見のクビナガリュウ全身化石 実は大小2体分! 中川 12.08.06
北海道新聞
中川町の白亜紀の地層から30年前に発見されたクビナガリュウ化石は、成体と亜
成体の2体だったことがわかりました。
中国貴州省三畳紀中期アンシュンサウルスの新種 11.21.06
貴州中三畳世安順竜(爬行綱:海竜目)一新種
オリバー・リッペル他
古脊椎動物学報第44巻第4期pp.285-296
Anshunsaurus wushaensis sp. nov. 記載
論文(PDF)
米モンタナ州で最良のプレシオサウルス類頭蓋発見 11.04.06
モンタナ州立大ニュース
約7千万年前の、クビの長いプレシオサウルス類の頭蓋と下顎が発見されました。クビの
長いプレシオサウルス類(エラスモサウルス類)の完全な頭蓋はこれまでなかったそうです。
頭蓋長は約40cmあり、クビはその7から10倍の長さだっただろうとのことです。
ネス湖の怪物はなぜプレシオサウルスではないのか 11.03.06
ニューサイエンティスト
SVP総会でケンブリッジ大Sedgwick地球科学博物館のLeslie Noèが発表したことについて、
紹介しています。彼はMuraenosaurus というプレシオサウルス類の隣接する頚椎の椎体、神
経弓および頚肋骨の関節状態を調べてみたそうです。すると、クビは腹側(下方)に最もよく曲
げやすく、他の方向へ曲げるには制限があることがわかりました。このことから、プレシオサウ
ルス類の食性は、海底のエサを食べることを示唆し、頭蓋や歯の適応もこのことを反映してい
るそうです。プレシオサウルスは沈殿した堆積物を濾して食べる、いわば水中に浮かぶ電気
掃除機だったようです。というわけで、水面からクビを上に上げるような真似はできず、ネス湖
の怪物にはなりえないのだそうです。
参考:Loch Ness Monster
ノルウェーの研究チーム、巨大な首長竜の化石を発見 10.06.06
朝日新聞
オスロ大Jørn Hurum と Hans Arne Nakrem らのチームにより、北緯78度、北極点から約1300kmの所
にあるスピッツベルゲン島のジュラ紀(約1億5千万年前)の地層から、海生爬虫類の化石が発見されまし
た。2週間の調査で、28個体の化石が確認されました。21個体のクビが長いプレシオサウルス、6個体の
ギョリュウ、1個体のクビの短いプレシオサウルスです。
その中最も特筆すべきものは巨大なプリオサウルスです。皿のような頚椎、バナナのような歯があるそ
うで、推定体長10m以上とされています。“The Monster” とニックネームをつけられました。
オスロ大Pliosaurus 2006
新種魚竜は卓球台の下から発見された 9.24.06
ディスカバリーチャンネルカナダ ライブサイエンス
Palaeontology Volume 49(5) pp.1043 - 1068 で記載された魚竜Maiaspondylus lindoei の標本が入った箱は、
発掘以来25年間、アルバータ大の学部学生の研究室にある卓球台の下に置かれていたそうです。
記載者の一人、 Michael Caldwell が2000年に大学に着任し、研究室を片付けていて発見したそうで
す。
Maiaspondylus とは、Paratype UALVP 45639標本の脊椎近くに2つの胎児化石があったため、ギリシャ
語のmaia(良い母親)とspondylus(脊椎)をあわせたものです。
中期三畳紀ネヴァダ産出Cymbospondylus の新種 8.21.06
A new species of Cymbospondylus (Diapsida, Ichthyosauria) from the Middle Triassic of
Nevada and a re-evaluation of the skull osteology of the genus
NADIA B. FRÖBISCH, P. MARTIN SANDER and OLIVIER RIEPPEL
Zoological Journal of the Linnean
Society Volume 147 Page 515 - August
2006
doi:10.1111/j.1096-3642.2006.00225.x
Cymbospondylus は中期三畳紀によく知られた魚竜です。ネヴァダ州オウガスタ山脈Favret層産出の
立体的に保存された頭骨部分を含む骨格により新種が記載されました。
CYMBOSPONDYLUS NICHOLLSI SP. NOV.
Cymbospondylus petrinus に比べ長い吻部をもつことなどが特徴となっています。
.
Australian 'Nessie' fossils found 8.02.06
BBC
最近記載された2つのプレシオサウルス類を取り上げています。
Umoonasaurus は既に紹介しました。
もう1つ、Opallionectes andamookaensis は体長6mに達し、針状の歯を持ち、魚やイカを
捕らえていたそうです。両者とも1億1千5百万年前に生息していたそうです。
参考:Umoonasaurus demoscyllus について記載論文
An archaic crested plesiosaur in opal from the Lower Cretaceous high-latitude
deposits of Australia
Biology Letters ISSN: 1744-9561 (Paper) 1744-957X (Online)
DOI: 10.1098/rsbl.2006.0504
Opallionectes andamookaensis について
MARINE REPTILES FROM THE LOWER CRETACEOUS OF SOUTH AUSTRALIA: ELEMENTS
OF A
HIGH-LATITUDE COLD-WATER ASSEMBLAGE
BENJAMIN P. KEAR
Palaeontology Volume 49 Page 837 - July 2006
doi:10.1111/j.1475-4983.2006.00569.x Volume 49 Issue 4
7千万年前のプレシオサウルス、発見者の電気工に献名へ 7.22.06
BBC
2002年ヨークシャーのScarborough という所でアマチュアのNigel Armstrong が崖に突き出ている骨を
発見したもの。この人は電気工なんですね。種小名に"Armstrongi" とつけられるようです。
この時代のプレシオサウルスはその前後の時代のプレシオサウルスのギャップを埋めるものだそうです。
2007年にはRotunda博物館が再開館する時に展示されるそうです。
参考:DINOSAUR COAST NEWSページ2002年10月24日に、その発見の記事があります。
オーストラリア高緯度の下部白亜系産出のオパール化したプレシオサウルス 7.05.06
中国発現三畳世奇特初竜 6.06.06
中国恐竜網から、Qianosuchus mixtus のページを紹介します。
三畳紀中期、貴州省に生息していた、海生環境にモザイク的に適応した原始的主竜類で
す。3月末に記載が発表されました。張宗達の復元画、どうでしょうか。
フタバスズキリュウ記載 5.15.06
クビナガリュウ西日本で初、下あごの化石発見 鹿児島・東 1.30.06
同島で昨年見つかった化石はエラスモサウルスの下顎だったそうです。香川大仲谷教授
鑑定。「サツマウツノミヤリュウ」
毎日新聞 読売新聞 南日本新聞
参考:南日本新聞7.24.05付(獅子島で発見の化石、エラスモサウルスの頚椎、歯と判明)
獅子島で発見の化石、エラスモサウルスと判明 7.23.05
南日本新聞
東町獅子島で2004年2月に発見されたクビナガリュウとみられる骨の
化石は、白亜紀後期初め(約9800万年前)のエラスモサウルスと判明
HALISAURUS STERNBERGI 大陸間に分布した小型モササウルス
6.21.05
HALISAURUS STERNBERGI, A SMALL MOSASAUR WITH AN
INTERCONTINENTAL DISTRIBUTION
JOHAN LINDGREN and MIKAEL SIVERSON
Journal of Paleontology: Vol. 79, No. 4, pp. 763?773.
Halisaurusはモササウルス科の中でも最も基盤的な属だそうです。
ここではスウェーデンKristianstad盆地産の標本について記載してい
ます。今年3月に記載発表されたばかりのEonatatorを新参無効同物
異名としているのが興味深いところです。
参考:Kansas Mosasaurs in Sweden:
BARDET et al., 2005
貴州省盤県から三畳紀魚竜などの化石群 5.25.05
最近2.3億から2.5億年前の三畳紀中期海生動物群化石が大量に出土して
いるそうです。
新華社
カナダ、ブリティッシュコロンビア州三畳紀後期PARDONET層産出の
巨大SHONISAURUS 新種 12.28.04
三畳紀の海生爬虫類は子どもを生んだ 11.18.04
Triassic marine reptiles gave birth to live young
YEN-NIEN CHENG, XIAO-CHUN WU & QIANG JI
ネイチャー11月18日号 Nature 432, 383-
386(2004)
鰭竜類(Sauropterygian)は中生代を通じ規模も多様性も最大の爬虫類
ですが、その繁殖がウミガメのように卵生なのか、魚竜やモササウルス
類のように胎生なのか、直接的な証拠はまだありませんでした。
今回、中国産のKeichousaurus hui の標本2体が報告されています。
それぞれ胎児が体内腰部の両側にいます。
NMNS-cyn2002-01では2匹の胎児が左右に、NMNS-VL191では少なく
とも3匹のつぶれた胎児が両側にあります。
このすばらしくよく保存された標本は、鰭竜類における繁殖様式や性的
二型の初の決定的な証拠となるだけでなく、Keichousaurus が含まれる
パキプレウロサウルス類では可動性のある骨盤の進化によって胎生が
促進された可能性があることも示している。これは見方を広げれば、可
動性の骨盤をもった他の鰭竜類や中生代の海生爬虫類の繁殖様式に
も関わってくるとしています。
ヤフーニュース(共同)
参考:Genus Keichousaurus
三畳紀の海生爬虫類オムファロサウルスその骨学、顎の
解剖学、および魚竜類との類縁関係の証拠 1.08.04
The Triassic marine reptile Omphalosaurus: osteology, jaw anatomy, and
evidence for ichthyosaurian affinities
P. Martin Sander and Christiane Faber,
Journal of Vertebrate Paleontology, 2003, 23(4):799-816
Omphalosaurus ってギョリュウだっけ?と首をかしげてしまう存在
ではないでしょうか。ネバダ、スピッツベルゲンなどから化石は産出
していますが、それらは断片的なものだそうです。この論文ではア
ルプス北部で1995年に」発見された、胴部と頭蓋部の2つに分かれ
た岩板の標本を記載しています。これにより、今までより詳細に各部
の記載ができました。
その胴部、頭蓋部の4つの共有派生形質は魚竜類の中に位置づけ
させるものであり、5つの形質は魚竜類との類縁関係を示唆するもの
だそうです。よって、古生物的記載では、?付きの魚竜類で、かつて
消滅したともされたオムファロサウルス科、オムファロサウルス属と
なっています。
鳥類の進化:魚竜の外皮繊維はドロマエオサウルス類の原
羽毛と一致する 7.28.03
Evolution of birds: ichthyosaur integumental fibers conform to dromaeosaur
protofeathers
Theagarten Lingham-Soliar
Naturwissenschaften DOI: 10.1007/s00114-003-0448-x
onlinefirstで全文見ることができます。
ホルツマーデン産のStenopterygius quadricissus 、英国産
Ichthyosaurus 最良標本に見られる外皮および真皮下繊維
の観察から、現在主流とされている羽毛の進化仮説について
一石を投じています。
アブストラクトほにゃ訳
繊維状外皮構造は、原羽毛としてドロマエオサウルス類(非
鳥恐竜)で報告されている。この仮説は、現生および絶滅動物
で広く一般的な皮膚と真皮下コラーゲン性繊維の複雑な構造
に関するデータに対して考えられる。ドロマエオサウルス類の
”原羽毛”のように、魚竜類の外皮繊維は保存される最も外部
の構造である。ドロマエオサウルス類のSinornithosaurusのも
のと比較すると、これらの繊維の分岐パターンには著しい類似
性が示される;したがって、異常な特徴と主要な特徴を識別す
ることは難しい。翼竜標本の分析からは、翼の曲がった、また
直線状の繊維には機能的な意味があることが示される。
繊維はコラーゲンの二つの形にしたがっている、そしてそれは、
恐竜Sinornithosaurus にある曲がった外皮構造は柔らかさと
しなやかさを示すという概念に矛盾する。またSinosauropteryx
に関する示唆は、中央部と比較してより暗い縁がある外皮構
造はそれらがくぼみであることを暗示しているということである。
魚竜の同様の状態の調査からは、おそらくそれが鉱化作用の
結果であることが示される。例えば、サメ、イルカ、ヘビおよび
カメの皮膚のコラーゲン繊維は、様々なサイズの束で集まって
いるのが見られる。真皮の劣化は、腐敗したイルカの皮膚で留
意されたように、繊維束の破壊と分裂した繊維の無数のパター
ンをもたらす。この研究の全般的な発見は、恐竜の”原羽毛”の
テーゼが現在あるよりもしっかりしたサポートを必要とするという
ことである。
白亜紀魚竜の稀な消化管内容物 7.22.03
Unusual gut contents in a Cretaceous ichthyosaur
Kear, Boles and Smith
Proceedings: Biological Sciences DOI:10.1098/rsbl.2003.0050
アブストラクトほにゃ訳
魚竜は、最も広範囲に研究された中生代海生爬虫類の
グループの一つであるにもかかわらず、ほとんどの分類群
で食性に関する直接証拠は僅かしか記録されていない。
ここに我々は、オーストラリア下部白亜系から産出した、妊
娠中の魚竜(Platypterygius longmani) 胴腔内に、孵化サイ
ズの海生Protostega科カメの遺骸とエナンティオルニス類
鳥類(条鰭魚類、燐酸ノジュールとともに)の発見を報告する;
これは、我々の知る限り、魚竜によりカメと鳥類をともに摂食
された最初の証拠である。非常によく保存された消化管内
容物にはほとんど消化の形跡がなく、魚竜の死の直前の消
化であることを示唆している。貧弱な遊泳能力から、孵化後
のカメは、丸呑みされたりshake feedingにより処理されただ
ろうたやすい餌食になったかもしれない。鳥類の摂食はお
そらく腐肉食を通して生じたものだろう。脊椎動物の日和見
主義的な食性は、白亜紀魚竜食性について主に頭足類の
捕食を支持する、現在の解釈と争うものである。このような
特殊化は、グループ全体の絶滅における貢献要素であると
考えられる。しかしながら、少なくともいくつかの形態が広範
囲の手に入る食物のタイプを利用することができたという、こ
の証拠から、白亜紀中ごろの魚竜の衰退が、生態学的に類
似する追求捕食者との競争などの他の要素にリンクされる
かもしれないことを示唆する。
参考:魚竜類の食性
ネイチャーサイエンスアップデート
ネス湖でプレシオサウルス化石発見 7.16.03
現代のものならネッシーの骨!と大ニュースになるところですが
年金生活者であるGerald McSorley (67) という方がネス湖岸の
浅い水中に潜った際に発見したのだそうです。 石灰岩中に4個の
完全な脊椎骨が保存されているそうです。
エジンバラのスコットランド国立博物館では、1億5千万年前、体長
35フィートのプレシオサウルスの化石であること。またそれはスコッ
トランドでは1世紀以上の間で初めて、ネス湖でも初めての発見で
あるとしています。
BBCニュース ヤフーニュース ヤフーニュース(共同)
淡水性のプレシオサウルス類Bishanopriosaurus の再研究2.20.03
重慶侏羅系楊氏璧山上竜(一淡水蛇頸竜)的再研究
佐藤たまき、李淳、呉肖春
RESTUDY OF BISHANOPLIOSAURUS YOUNGI DONG 1980, A FRESH WATER
PLESIOSAURIAN FROM THE JURASSIC OF CHONGQING
古脊椎動物学報第41巻第1期pp.17-33
プレシオサウルス類といえば海に生息していたと普通思いますが、
ここで扱っているBishanopriosaurus youngi は非常に稀な例として、
堆積物から淡水に生息していた事がわかっています。
この再研究では、原記載論文でプリオサウルス類のロマレオサウル
ス科に位置づけていたのを再検討し、プリオサウルス類だが、科の
決め手になる頭蓋部分が欠失しているので、科レベルの位置づけは
不確定としています。
中国恐竜網(図)
NEW MATERIAL OF QIANICHTHYOSAURUS LI, 1999 (REPTILIA, ICHTHYOSAURIA) FROM
THE LATE TRIASSIC OF SOUTHERN CHINA, AND IMPLICATIONS FOR THE
DISTRIBUTION OF TRIASSIC ICHTHYOSAURS 1.10.03
ELIZABETH L. NICHOLLS, CHEN WEI, and 真鍋真
Journal of Vertebrate Paleontology Vo.22, No.4 Dec. 2002 pp.759-765
三畳紀後期に中国南部に生息していた魚竜 Qianichthyosaurus zhoui
の新標本について、 Toretocnemus californicus と比較しています。
Toretocnemus californicus もよく知られていないようなのですが、両者とも
遠位が膨大した大腿骨をもち、3本の一次指と1本の付加指が前後肢にある
(このへんの言い方は知らないので適当です)。鰭脚の前後縁には、陥凹が
あるそうです。そのため、Qianichthyosaurus はToretocnemus 科と関連が
あるものとしています。また、この2つの分類群の近縁関係から、三畳紀期
における魚竜群の太平洋にまたがる分布を示唆するとしています。
メキシコの"リオプレウロドン" 1.07.02
すでにニュースはご存知でしょう。1月1日に流れたニュースです。
ディスカバリーニュースによれば、独シュピーゲル誌の報道として、ドイツ
の古生物学者がメキシコで体長18m、体重50トン以上の”海のT-REX”を
発見したというもの。シュピーゲルを見ても、プリオサウルス類以上の事は
よくわかりません。
BBCニュースではLiopleurodon ferox の学名を使っています。が、これも
その巨大さをイメージさせるために使われているようです。
メディア報道については The Plesiosaur Siteで紹介しているリンクが詳し
いです。
カナダ・バンクーバー島Nanaimo層群(上部白亜系)の海生爬虫類11.20.02
Marine reptiles from the Nanaimo Group (Upper Cretaceous) of Vancouver
Island
Elizabeth L. Nicholls and Dirk Meckert
Can. J. Earth Sci./Rev. Can. Sci. Terre 39(11): 1591-1603 (2002)
同層群の海生爬虫類動物群について報告しています。Haslam および
Pender 層(upper Santonian)で産出するのですが、エラスモサウルス科の
プレシオサウルス、カメ、モササウルスが含まれるそうです。
英ヨークシャーでプレシオサウルス発掘 10.25.02
Scarborough という所でアマチュアのNigel Armstrong が崖に突き出て
いる骨を発見したもの。ここではDinosaur Coast というプロジェクトが進め
られており、発掘された化石はScarborough博物館にあるそうです。
BBC
スピッツベルゲンからの下部三畳系魚竜頭蓋 10.24.02
Lethaia Vol.35 No.3 pp.250-256
The skull of a large Lower Triassic ichthyosaur from Spitzbergen
and its implications for the origin of the Ichthyosauria
Michael W. Maisch ; Andreas T. Matzke
下部三畳系(Spathian)から発見されたもの。最古の魚竜化石のひとつ。
基盤的な魚竜の中で最大なもののひとつ。頬の部分は原始形質を示し
ている。魚竜の祖先はDiapsida内に属したかもしれない重要な証拠を
示す。
アラスカで海生爬虫類化石発見 9.24.02
タルキートナ山地のふもと、ユーリカEurekaという町の近郊で、
海生爬虫類化石が発見されたそうです。脊椎骨やヒレと思われる
ものなど。種類はまだよくわかっていません。
アラスカで海生爬虫類化石が発見されるのは、非常に珍しく、モサ
サウルスは未だ発見されず。プレシオサウルスは、80年前にアラス
カ半島から肢骨断片が発見されたのみだそうです。
アンカレッジデイリーニュース
参考:アラスカ博物館 アラスカの恐竜と海生爬虫類
※Eurekaの位置はよくわかりませんが、マイクロソフトエンカルタ
世界地図では、タルキートナ山地の南東にEureka Roadhouse
という町があります。そこは北緯61度56分西経147度10分です。
中国貴州省でシャスタサウルス化石 8.05.02
貴州石文化芸術宮に最近、従関嶺で発見されたシャスタサウルス(薩
斯特魚竜)化石が収蔵されたそうです。吻部先端から尾まで約9m。これ
まで貴州省で発見された最大かつもっとも保存のよい化石だそうです。
新華社貴州頻道
絶滅海生爬虫類の遊泳速度見積もり:エネルギー的アプローチの再検討
5.30.02
Swimming speed estimation of extinct marine reptiles: energetic approach
revisited
Paleobiology: Vol. 28, No. 2, pp. 278-296. 藻谷亮介(ホームページ)
アブストラクトほにゃ訳:中生代の海生爬虫類の巡洋速度は、これまで安定
した遊泳中のエネルギー的均衡の数学モデルを用いることにより見積もられ
ていた。
この方法は、はっきりした理由なしに現生クジラ類のスピードを過大評価する
著しい傾向が欠点であったが、そのことから、アプローチの正当性自体に疑問
が寄せられた。現在の研究はこの欠点をひき起こした要素を確認して、修正と
いくつかの付加的な変更を提案する。これらには、より正確な体形モデル、最
新の新陳代謝率モデル、臨界であるよりむしろ最適のスピードモデルが含まれ
ている。
修正された方法は、首尾よくクジラ類を含むいくつかの現生海生脊椎動物の出
版された最適速度に近似し、エネルギー的アプローチの基本的枠組は正当で
あることを表している。
この確認のもと、この方法は現生遊泳脊椎動物に知られる3つの代謝率(すな
わち平均的変温動物、高くなった変温動物および海生恒温レベル)を仮定して、
中生代の海生爬虫類に適用された。
結果は、中生代海生爬虫類の相対的巡航能力に関するこれまでの推測(すな
わち、魚竜>プレシオサウルス>モササウルス)を支持する。
マグロ形の魚竜、Stenopterygius はおそらく、同様な食性をもついくつかの現
生マグロ形真骨魚類と、少なくとも匹敵する速度で巡航することができただろう
(~1 m/秒).。
中国貴州省興義から発見されたLariosaurus 新種 5.12.02
古脊椎動物学報第40巻第2期 pp.114-126
貴州興義中三畳統法郎組竹杆坡段 Lariosaurus 一新種
A NEW SPECIES OF LARIOSAURUS (SAUROPTERYGIA: NOTHOSAURIDAE)
FROM TRIASSIC OF GUIZHOU, SOUTHWEST CHINA
李錦玲, 劉 俊, RIEPPEL Oliver
Lariosaurus は三畳紀中期に生息していた海生爬虫類で、ノトサウルス科に
属しています。体長20-60cm程度の比較的小型のノトサウルス類です。
ヨーロッパでは産出していますが、当時のテチス海西部以外で初めて発見された
ものです。新種、Lariosaurus xinyiensis sp. nov. として記載されています。
ほとんど完全に関節した骨格の写真が掲載されています。
概要についてはDinosaurMLにポストしたので、後ほどリンクします。
トレーシー・フォードによると、この標本はツーソンミネラルショーにここ何年か出品
されていたようです。彼は、しかるべき機関に収められ記載されてよかった!とポ
ストしています(IVPP V 11866 として中国科学院古脊椎動物與古人類研究所
に収蔵されました)。
中国貴州省三畳紀後期からキンボスポンディルス新種 3.20.02
貴州関嶺晩三畳紀世一大型魚竜類頭骨
CYMBOSPONDYLUS FROM THE UPPER TIRASSIC OF GUIZHOU, CHINA
古脊椎動物学報第40巻第1期 pp.9-16
李淳 尤海魯
キンボスポンディルスはシャスタサウルス科に属する比較的原始的な魚竜
です。これまで三畳紀中期の北米とヨーロッパから産出しています。
頸部が長く体全体も長い、おそらく体全体をくねらすように泳いでいたと、いう
ことです。
本種はキンボスポンディルス属として最後期であるばかりでなく、アジアから
初めて産出したところに意義があります。
貴州省関嶺県新舗郷 上部三畳系 法郎層から産出した2個の比較的完全な
頭蓋骨によりキンボスポンディルス属の新種として記載されています。
Cymbospondylus asiaticus sp. nov.(亜州杯椎魚竜)
この標本の明確な特徴には、下顎の歯が歯骨の前半にしかない、大型の上顎
骨と既知の魚竜の中で最小の眼窩をもつことがあげられています。
米モンタナ州白亜紀後期(ALBIAN)、THERMOPOLIS頁岩層から産出した
新属のプレシオサウルス 3.06.02
OSTEOLOGY OF A NEW PLESIOSAUR FROM THE LOWER CRETACEOUS
(ALBIAN) THERMOPOLIS SHALE OF MONTANA
Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 22, No. 1, pp. 29-42.
PAT S. DRUCKENMILLER
白亜紀の首の短いクビナガリュウ、Edgarosaurus muddi, gen. et sp. nov.,が
記載されています。完全な頭蓋骨、26個の頚椎骨を含む34個の脊椎骨及び
ほとんど完全な前肢がある標本です。
Thermopolis 頁岩 (late Albian)の海成堆積物から産出したもので、西部の内
海の初期の海進の時期に堆積したものだそうです。
その頭蓋骨は、白亜紀の北米西部内陸部で産したプレシオサウルスのうち
これまで記載されたなかで最も古く、最良の保存状態です。
Edgarosaurus は系統的および層位学的に、最も近縁な首の短いプレシオサ
ウルス Plesiopleurodon wellesi と、多くの頭蓋骨の形質により区別される
そうです。
確立した系統の構成はないが、Carpenter 1996により明らかにされたように、
Edgarosaurus はポリコティルス科に位置づけられる。他のポリコティルス科と
比べ、比較的頑丈で中程度に長い肋骨、松果孔、犬歯状の歯、短い下顎結
合および比較的多数の頚椎骨がある点で、原始形質である。
モササウルス上科の胎生化石 2.13.02
Live birth in Cretaceous marine lizards (mosasauroids)
Michael W. Caldwell; Michael S. Y. Lee
The Royal Society Proceeding B Vol.268 No.1484 Issue 7Dec. 2001 pp.2397-2401
アブストラクト
モササウルス上科アイギアロサウルス科(aigialosaur)Carsosaurusの胎生化石を
報告しています。少なくとも4体の成長した胎児がメスの長い胴の後部2/3に入っ
ている(第9-21胴椎)そうです。これは有鱗目(トカゲ類とヘビ類)で唯一の胎生化石
記録であり、このグループで最古の例であり、魚竜以外で唯一の胎生化石でもあ
るそうです。
その胎児の方向から、尾から先に生まれたことがわかるそうです。これはクジラ類
カイギュウ類や魚竜などの水生有羊膜類と共通する特徴で、出産時に子が溺れる
可能性を減らすためということです。頭が先でないので、食べられたものでないこと
もいえるそうです。1体の胎児は出産途中だったのか骨盤の中途にあります。
初期の中型で水陸両性のaigialosaurが胎生になったことで、卵を産みに陸に戻る
必要から開放され、巨大な完全に海洋性のモササウルスにその後進化するのを
可能にしたのかもしれないとしています。
残念ながら、アブストラクトでは産地、層準などはわかりません。
最古の魚竜の吐き戻し物、英で発見 2.12.02
英、ケンブリッジ州ピーターバラPeterborough付近で発見されたものです。約1億
6千万年前の頁岩層からです。ベレムナイトの殻が集まって固まっています。
発見者はGreenwich大のPeter Doyle ら。魚竜に食べられた証拠として、これを顕
微鏡で観察すると、酸で侵食されたあとが見られるそうです。糞として排泄するには
殻が捕食者の腸を傷つけるだろうと述べています。
ピーターバラ付近は当時、ベレムナイトの多い浅海で、魚竜は捕食後に現在のマッ
コウクジラがカラストンビを吐き出すように、ベレムナイトの殻を吐き戻したのだろうと
いうことです。
ニューサイエンティスト ネットスケープ ヤフーニュース(ロイター)
ヤフーニュース(ロイター日本語) BBC MSNBC
ネイチャーサイエンスアップデート ナショナルジオグラフィックニュース
魚竜類の尾びれの推進力と遊泳速度に見られるスケーリング効果1.17.02
藻谷亮介(オンタリオ博物館)
Scaling effects in caudal fin propulsion and the speed of ichthyosaurs
ネイチャー1月17日号 415pp.309-312
系統的に全く関係のない4つの脊椎動物〔マグロ類、クジラ類、ネズミザメ類、
小骨盤類(PARVIPELVIA)の魚竜類〕は、マグロ型の体型を進化させています。
これは、周囲の流体によって課される厳しい物理的な制約から生み出された
収斂です。
この研究では、こうした制約を特定して定量化するための、遊泳動力学および
流体力学を取り込んだ数理モデルを提示し、実験データでこのモデルを検証し
ました。
その結果、これらの大型回遊脊椎動物では形態、運動、生理が実際に密接に
相関して変化することが、定量的に明らかになりました。
このモデルによって、外寸測定から最適な遊泳速度を算出することが可能にな
り、また、マグロのような形をした遊泳動物に典型的な幅広の尾びれが、大型
回遊動物に必要なものであるという予測もできる。この知見は、マグロ型の尾
びれが選択されたのは尾びれの縦横比が大きくなって推進効率が上がったた
めだとする、ポピュラーであるがかなり目的論的な説とは相入れない。
この研究では計算をもとに、ジュラ紀魚竜類であるステノプテリギウス
(Stenopterygius PARVIPELVIAの中に入ります)の最適回遊速度および基礎
代謝率が、現生マグロ類のものに近かった可能性が大きいことも示しています。
(現生マグロ類の基礎代謝率はオサガメを除く爬虫類より高い領域にあります)
ネイチャージャパン今週のfeature(論文全文読めます)
参考:ICTHYOSAUR PAGE RURES of the JURASSIC SEAS
ジュラ紀の海の支配者──魚竜(日経サイエンス2001年3月号)
魚竜オプタルモサウルスの大きな眼について12.16.99
ネイチャー12月16日号のBrief Communications欄に、カリフォルニア
大バークレー校の藻谷亮介氏らが報告しています。
大きな眼は光を多く集めるために必要で、それは深海に潜ったためだ
ろうと、その証拠を化石に求めたところ、潜水病の症状があったもので
す。以前、SVPほにゃ訳で紹介しました。
ネイチャー門(紹介あり)
ディスカバリーオンラインカナダ
藻谷亮介氏の魚竜のページ
魚竜オプタルモサウルスの大きな眼について12.17.99
ネイチャー12月16日号のBrief Communicationsをほにゃ訳してみ
ました。
BBCニュースでも紹介しています。12.18.99
カナダで発見された世界最大の魚竜化石について
10.26.99
国立科学博物館の真鍋研究官に私もしろーとの質問を
してみました。ここをご覧になる方からすれば、ごくごく初
歩的なものと思われるでしょうが、私のレベルはこんなもの
です。
質問 この魚竜の分類上、何科とか何類に近い、これまで
発見されている○○と類似しているなど新聞では詳
しく報道されていませんが、そのあたりは判明してい
るのでしょうか。魚竜化石が数体分埋もれていたそう
ですが、それは全て同じ種類なのでしょうか(よく同
種が複数発見されることはありますが)。
答 ショニサウルスとは異なるとおもわれますが,それ以
上のことは剖出が終わって,研究してみないとわかり
ません.数種類いるのかどうかも,この標本の剖出が
すすまないと解からないところです.
質問 また、この産地ではほかに何かの化石は発見されて
いるのでしょうか(動物、植物も含め)。発見された地
層はどういう地層なのでしょうか。
答 三畳紀後期の石灰岩ですが,それ以上のことは今後
の研究課題です.
質問 報道では、側頭窓が大きいとなっている一方、歯が小
さくプランクトン食だったかもしれないとあります。
しろーとにはプランクトン相手に顎を動かす強い筋肉が
必要なのかとも思えますが。
答 私も最初はろ過食のことは思いもつかなかったのです
が,ろ過食には,強力でかつ巧みな顎の動きが求めら
れます.新館1階のミンククジラのロボットを見ていただ
くとイメージが沸くと思います.
質問 プランクトン食だったので現在のヒゲクジラのように巨大
化したのでしょうか。(新聞に出ている想像図を見ると、
尾鰭のほかは比較的原始的であまり高速遊泳はしなかっ
たとも見えます。)
答 新聞に出ている想像図は,まだまだ検討しなくてはなり
ません.
なお、真鍋研究官は、来月発行される「国立科学博物館ニュー
ス」第368号にこの魚竜に関する文を掲載します。
「カナディアンロッキーの三畳紀の調査:
魚竜の初期進化を探る」
というもの。以下にその抜粋を掲載します。なお、これは真鍋研
究官のご好意によるものなので、真鍋研究官の承認なしに転載
しないでください。
「国立科学博物館ニュース」は1部310円。国立科学博物館地下
ミュージアムショップで販売しています。科博友の会会員には郵
送されます。もちろんこちらには全文掲載になります。ご購入を
おすすめします。
前略-地学研究部では,魚竜の初期の進化を明らかにするた
め,カナダのロッキー山脈の三畳紀の海の地層の調査・研究を
行っています.
-魚竜の進化史をたどると,三畳紀にはいろいろな姿形の種が
いて最も多様性が高く,ジュラ紀以降は少数のグループが世界
的に繁栄したことがわかります.進化の初期に,進化の実験が
行われていたようにも解釈できます.魚竜の進化史,そして爬虫
類の海生適応を理解するには,三畳紀を研究することが重要な
のです.
- 平成10年,11年夏は,ワピティ湖の北に約260キロの,ピン
クマウンテン付近の約2億2000万年前(三畳紀後期)の地層を調
査しました.平成3年,このあたりの調査をしていた考古学者が,
シカニーチーフ川の河岸に大きな骨を発見し「恐竜化石」としてロ
イヤルティレル博物館に報告しました.
翌年,同博物館のベッツィー・ニコルス博士が,現地に行き,大き
な魚竜の化石であることを確認しました.平成9年夏,ニコルス博
士と私は予備調査のために現地に行き,河岸に露出する石灰岩
には,魚竜の肋骨や脊椎骨などがいたるところに散乱していて,
巨大な魚竜の化石が何体分もあることを確認しました.
- 河岸の土手の下には頭骨が埋まっている可能性が高いことも
わかりました.ショニサウルスの場合,頭骨はばらばらに見つかっ
た数個体分の骨を組み合わせて復元したものでした.私たちの目
の前にある大型魚竜は,胴体の骨の関節具合からして,頭骨が関
節して残っていることが期待されました.頭骨は魚竜の系統進化の
研究には非常に重要な部位です.
魚竜が海への適応を高めるにつれて,体が流線型化するのに伴い,
吻部も細長くなり,先端にあった鼻孔が後方に移動する,目が大型
化する,後頭部(脳頭蓋)が短縮化するなど数多くの変化が起こりま
した.これは,陸から海へ適応する過程で,魚竜は体の前進方法,
呼吸の仕方,エサの探し方,食べ方などにおいて,大きなモデルチェ
ンジをしなければならなかったからです.平成10年夏,頭骨の有無を
確認するため,河岸の土手の部分を発掘することになりました.
-平成10年夏,岩石ドリルと岩石カッター,チェーンソーなどをヘリコ
プターで運び込み,平均6名のチームで2ヶ月間の発掘を開始しまし
た.
州政府の許可を得て土手の木を何本か伐採し,表土をはぎ取り,石
灰岩を電動ドリルで掘削すること約1ヶ月,頭骨の存在を確認すること
が出来ました.頭骨の幅は1.8メートルに達することがわかりました.
前方に1メートル掘り進んだところで時間切れ,発掘は翌年に持ち越
されることになりました.
-平成11年夏,頭骨をさらに前方に掘り進むと,後頭部から目のあた
りまではほぼ完全な状態で骨が保存されていたのに対し,吻部は骨
がこなごなに壊れた状態になっていました.
-石膏を浸した厚い布でギブスのようにブロック全体を覆います.-
-後頭部を含む塊は長さ3.5メートル,幅2.5メートル,推定重量が約4
トンにもなってしまいました.これだけの重さを持ち上げるには,大型
のヘリコプターが必要でした.
-ヘリコプターで吊り上げたブロックはそのまま,トレーラーに下ろして
もらい,ロイヤルティレル博物館まで2000キロを陸路で輸送しました.
この冬から同博物館で剖出作業が始まります.
- まだ頭骨の全容が見えない状態ですが,頭骨の長さは約5.5メート
ルと推定できました.
他の魚竜に比べると,後頭部が長く側頭窓と呼ばれる穴が大きいことに
気がつきます.この穴は,あごを動かす筋肉が収まる場所で,この魚竜は
力強い顎を持っていたことが想像されます.力強い顎というと大きな歯を
想像しますが,これまでに見つかっている歯は,長さ1センチ程度と頭骨
の大きさからすると著しく小さいのです.シロナガスクジラやマッコウクジ
ラといった大型の海生哺乳類は,ヒゲクジラ類でろ過食の動物です.この
魚竜も体の大きさ,力強い顎,著しく小さな歯から,ろ過食であったこと可
能性も考えられます.
ディスカバリーオンラインのニュース3点10.26.99
時間がないのでリンクのみ。
Big-Eyed
Dinos Dove The Deepest
昨日ほにゃ訳で紹介した魚竜の眼についてです。
イクチオサウルスの20%に潜水病の症状を発見した
そうです。減圧症の最も重いものに、無菌性骨壊死
というのがあるそうなので、化石骨にその跡があった
のでしょうか。
参考:減圧症の病型
Ancient
'Jaws' Had Mosasaur Meals
Mammoth
Cloning In Doubt
カナダ、ロッキー山脈から世界最大の魚竜10.24.99
既に10月13日に紹介していますが、マスコミで大きく
報道されていますので、再度紹介します。
ロイヤル・ティレル博物館に、発掘のエピソードのページ
があります。それによると、頭蓋骨だけで5.5mあり、体
の他の部分は18mなので、間違いなく世界最大です。
今回は頭蓋骨のみの発掘で、あとは来年以降になりま
す。
ロイヤル・ティレル博物館
朝日新聞(たぶん1日で消える)
オーストラリアでプレシオサウルス発見10.18.99
クイーンズランド博物館の発掘です。Carpentaria湾の
川沿いからで、約1億1千2百万年前のプレシオサウルス
の頭蓋骨、肩帯、肋骨、骨盤などがあるようです。
オーストラリアABCサイエンス
myCNN
イスラエルから新タイプのモササウルス9.16.99
'93年にネゲブ砂漠で発見された化石は、当初 Prognathodonと
呼ばれる種の大きいものと考えられていましたが、その後の研究で
新しいタイプとされOronosaurusと命名されたそうです。
ディスカバりーオンライン
南極でモササウルス、プレシオサウルスの化石発見7.9.99
7月5日から9日までニュージーランド・ウェリントンのヴィクトリア大で行
われた南極の国際シンポジウムでの発表です。
米サウスダコタの地質博物館のジム・マーティンらがVega島、 Seymour
島と南極半島で発掘をし、この1月に発見したそうです。この発見で、少な
くとも4つのタイプのモササウルスが南極にいたことが判ったそうです。
脊椎や歯、顎の骨などがあり、今後同博物館で研究されるそうです。
CNNカスタムニュース
ヤフーニュースライン
参考:国際シンポジウムのお知らせ
サウスダコタ地質博物館
北海道穂別町で発見された頭蓋骨は新種のモササウルス3.18.99
穂別町で4年前に発見された化石が、モササウルスの新種であることが、
同町立博物館の調査で明らかになったそうです。
新種と特定されたのは'82年に同町内で発見されたモササウルス・ホベツ
エンシスの化石に続き、東アジアで二例目とのこと。
同博物館学芸員桜井和彦氏の調査で、頭頂骨、後頭部、頭骨のそれぞれ
一部と、歯であることが判明。また、新種であることは、ホベツエンシスの
歯が滑らかなのに対して、今回の化石の歯は、食生活の形態が異なることを
示唆する多面体であることから。
約7,000万年前に生息した体長5~6mの成体のものらしいとのこと。
ヤフーニュースライン
参考、穂別町立博物館の紹介(ここの”化石”をクリックしてください)
歌津魚竜、世界に!5.21.98
ネイチャー5月21日号では、letteres
to Natureでウタツサウルスが紹介されています。
歌津魚竜(Utatsusaurus hataii)は,1970年に宮城県歌津町で発見されました。
およそ2憶4000万年前の三畳紀中期のもので,世界最古の魚竜のグループであると考えられている
そうです。
カリフォルニア大学古生物博物館の藻谷亮介氏と北海道大学の箕浦名知男助手と安藤
達郎氏からで、ウタツサウルスの原始的特徴を明らかにしたそうです。
また、分岐分類学的解析から、魚竜は双弓亜綱の爬虫類だが、恐竜やヘビ、トカゲ、
クビナガリュウなどを含む竜群(Sauria)には入らないことを示しているのだそうです。
日本語訳については、ネイチャー日本版でごらんください。(ネイチャーは、いずれも無料
ですが登録が必要です。)陸上祖先生物の名残が見られるというのはすごい!
恐竜の楽園の水上さんのメールによれば、河北新報に解説がのっています。ただ、こちらを
見ると、「1982年、宮城県雄勝町で発掘」とあるので、いわゆる「雄勝魚竜」のことを言って
いるようです。ウタツサウルス・ハタイイの模式標本より古いタイプという扱いなのかな?
「雄勝魚竜」については、金子隆一氏の「翼竜の謎」P231に若干の説明があります。
「まだ記載されていないが、宮城県雄勝町から発見された、体長3m弱の中型三畳紀魚竜、
仮名「雄勝魚竜」も、やはり8個前後の頸椎をもつ。体全体のプロポーションはシャスタサウ
ルス科のメンバーにそっくりだ。しかし、前足や後ろ足の構造は、記載予定者による図版で
見るかぎりきわめて原始的で、ひょっとしたらこれは、シャスタサウルス科の起源にかなり
近い位置にある動物なのかもしれない。詳細は、記載が発表されるまで待つより他はない。」
と、あります。
追記:ネイチャー本文によると、「雄勝魚竜」は二次元的につぶれているので三次元的に復元
したところ、歌津魚竜と同種であることがわかったそうです。ただし、歌津魚竜が1.5m程度なの
に対し、「雄勝魚竜」は3m程度。その他、ウナギ型に体をくねらせて泳いだとか・・・いろいろ新
知見があるようです。5.23.98