マダガスカルの哺乳類は大陸から漂着 1.21.10
ナショナルジオグラフィック(日) Purde大ニュース
マダガスカルの哺乳類といえば、ワオキツネザルなど、独特の種類という感じが
します。これらの祖先は丸太などの漂流物に乗ってマダガスカルにたどり着いた
とする論文が発表されました。
アフリカ大陸とマダガスカル島の間に陸橋があって渡ったという説もありましたが、
現在のマダガスカルには主に4種類の哺乳類しかいないことから、断続的に漂着
したと見られるそうです。また、現在の海流は島から大陸方向に流れていませんが
5000万年前には大陸から島に流れていたこともコンピュータシミュレーションで判
明したそうです。
Jason R. Ali & Matthew Huber
Mammalian biodiversity on Madagascar controlled by ocean currents
ネイチャー1月21日号 doi:10.1038/nature08706 アブストラクト
クジラ類の系統、明らかに 9.25.09
ユーレカアラート
最初のクジラ類の祖先はいつ、何からか、これまで議論が続いていました。肉食のメソ
ニクスが祖先とする説や、カバが最も近縁とする説など聞いたことがあります。
今回PLoS One に掲載された論文では、80以上の現生及び化石分類群について661の
形態及び行動の形質をとり、またDNA解析による47,000以上のデータを加え、その系統
を解析しました。
その結果、クジラ類の最初の祖先の系統には偶蹄類Indohyus が含まれるが、メソニクス
類はクジラ類に含まれないことが明らかになったそうです。
Michelle Spaulding, Maureen A. O'Lear3, John Gatesy
Relationships of Cetacea (Artiodactyla) Among Mammals: Increased Taxon
Sampling
Alters Interpretations of Key Fossils and Character Evolution
PLoS ONE 4(9): e7062. doi:10.1371/journal.pone.0007062 論文
哺乳類は同時に枝分かれ、東工大教授ら遺伝子で解明3.10.09
読売新聞
遺伝子解析から、北方獣類、貧歯類、アフリカ獣類は同時に分岐し
たことが判ったそうです。
PNASに掲載されます。
参考:岡田研究室
“空飛ぶサル”は2種だけではなかった 11.11.08
ナショナルジオグラフィック(日) ユーレカアラート
ヒヨケザルは2種と考えられていましたが、そのうちマレーヒヨケザルはDNA分析に
より3種以上になることがわかりました。
パンダのゲノム解読 10.12.08
朝日新聞 サーチナ 新華社(英文)
深セン華大基因研究院は、11日、パンダのゲノムの解読に成功したと発表しました。
パンダは系統的にイヌに近いそうです。イヌとクマは近い動物なので、パンダはクマ科の
動物という説の証明にもなるそうです。
カモノハシゲノム塩基配列を解読 5.09.08
カモノハシゲノムが解読・解析され、他の哺乳類やニワトリのゲノムと比較されました。
カモノハシには毒爪があります。カモノハシと爬虫類の毒素蛋白質は、同じ遺伝子ファミ
リーから別々に生じたそこと。ヒトを含む哺乳類と同じ性決定遺伝子はカモノハシにもあるが
カモノハシでは性決定の役割を果たしてなく、この役割は単孔類と他の哺乳類が分岐した
1億66百万年前よりあとに生じたものだそうです。一方乳汁蛋白質遺伝子は我々と同じも
のがあり、これは分岐以前からあるものだそうです。
ネイチャー5月8日号
Wesley C. Warren他
Genome analysis of the platypus reveals unique signatures of evolution
4億年前に入り込んだ遺伝情報、哺乳類の脳生成に深く関係 3.05.08
読売新聞
脊椎動物の祖先のゲノムに4億年前入り込んだレトロポゾンが、ゲノム上の領域を刺激し、
約2億年前、哺乳類の共通祖先の中で、高度な脳を発達する機能を獲得したのだそうです。
PNASに掲載されたそうですが、Early Edition にはまだ出ていないようです。
Sasaki T, Nishihara H, Hirakawa M, Fujimura K, Tanaka M, Kokubo N, Kimura-Yoshida
C,
Matsuo I, Sumiyama K, Saitou N, Shimogori T, Okada N.
Possible involvement of SINEs in mammalian-specific brain formation.
参考:東京工業大学岡田研究室
イエネコの祖先はリビアヤマネコ、遺伝子解析で解明 6.30.07
読売新聞、毎日新聞 オックスフォード大ニュース
The
Near Eastern Origin of Cat Domestication
Carlos A. Driscoll et
al. Science DOI:
10.1126/science.1139518
世界のイエネコ979匹と、世界各地の野生のネコの遺伝子系統を解析したところ、イエネ
コはリビアヤマネコに最も近く、少なくとも5つの母系から家畜化されて人の手により、世界
に広がったそうです。イエネコ、中東・アジアのヤマネコ、リビアヤマネコなどの共通祖先は
13万1000年前に遡るそうです。
タスマニアデビル「謎のがん」で激減 保護策で議論 4.10.07
CNN.co.jp
「デビル顔面腫瘍性疾患」このままでは20年後には絶滅とみられています。
タスマニアタイガーの撮影に成功と主張、豪州で論争 3.03.07
CNN.co.jp
ドイツ人観光客カップルが撮影成功と主張しているそうです。
なぜライオンはゾウより小さいか 1.16.07
ネイチャーニュース ニューサイエンティスト ユーレカラート
肉食獣の体重20kg程度を閾値に、対象となる獲物や狩の方法がかわるそうです。
小さい肉食獣は無脊椎動物や小さい獲物、大きい肉食獣は自分と同じくらい大きい
獲物。ただ、より大きいサイズでは狩猟に要するエネルギーも大きくなり、限界は、
約1tだそうです。恐竜では、代謝が哺乳類より低いので、体重5tのT-REXが1tの哺
乳類に相等するそうです。
Chris Carbone, Amber Teacher, J. Marcus Rowcliffe
The Costs of Carnivory
PLoS Biol 5(2): e22 doi:10.1371/journal.pbio.0050022
ヨウスコウカワイルカが絶滅 12.17.06
CNN.co.jp 神戸新聞 ネイチャーニュース 参考:baiji.org blog.baiji.org
中国と海外の共同調査隊が、事実上絶滅したと14日発表したそうです。
和歌山県太地町で腹びれを持つイルカ発見 11.05.06
毎日新聞 朝日新聞 読売新聞 東京新聞 NHK動画
体長2.72mのバンドウイルカだそうです。腹びれは後ろ脚のなごりの先祖がえりでしょうか。
参考:太地町立鯨の博物館 (財)日本鯨類研究所
ゾウは鏡を見て自分を認識する 10.31.06
読売 朝日 西日本 ネイチャーニュース ニューサイエンティスト ナショナルジオグラフィック
Yerkes National Primate Research Center サイエンスナウからハッピーのビデオ
ヒト、類人猿、イルカは鏡を見て自己を認識する認識能力があります。ゾウにもこの能力があるという
研究が出ました。ニューヨークのブロンクス動物園で飼育されている、3頭のメスのアジアゾウに対し、
実験は行われました。研究者たちは、互いに助け合ったりする高度な社会性があるゾウには、自己認
識能力があると仮説を立て、行ったものです。ゾウたちは、鏡なしでは見えない身体の部分を見たり、
口を開けて鼻をその中に入れた姿を見たりしたそうです。中でもハッピーという名のゾウは、右眼の上
につけられた×印に、鏡を見ながら鼻でさわる行為を何度もし、鏡を見て自己を認識する能力があると
認定されました。
Self-recognition in an Asian elephant
Joshua M. Plotnik, Frans B. M. de Waal, and Diana Reiss
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0608062103
徳之島で新種のトゲネズミ 7.11.06
読売新聞
京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀教授らにより新種と確認されました。
Tokudaia tokunoshimensis (和名トクノシマトゲネズミ)
同研究所ニュース
記載論文はMammal Study Vol. 31 (2006) , No. 1 pp.47-57 論文ダウンロードできます
A new species of Ryukyu spiny rat, Tokudaia (Muridae: Rodentia), from Tokunoshima Island,
Kagoshima Prefecture, Japan
Hideki Endo and Kimiyuki Tsuchiya
コウモリはウマやイヌ・ネコの近縁 6.21.06
朝日新聞 読売新聞
岡田典弘東工大大学院教授らによる遺伝子(DNA)分析です。
レトロポゾンという遺伝子の配列により系統を分析したものだそうです。
馬・食肉目・コウモリの共通祖先から分化したという結果が出ているそうです。ウマのひづめは、独自
の起源をもつというのも驚きです。
この共通祖先を持つグループを、翼のある馬、ペガサスからPegasoferaeと呼ぶことを提唱しています。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0603797103 オープンアクセス。論文ダウンロードできます。
ラオスの生きた化石、ビデオに 6.15.06
Laonastes aenigmamus というこのげっ歯類、1100万年以上前に絶滅したと思われていたそうです。
ラオスでフロリダ州立大チームにより発見され、2005年に記載されました。もっとも現地ではガヌーと呼
ばれ、狩猟対象で、市場で食用に売買されているようです。
ユーレカラート フロリダ州立大ニュース 同ビデオ Wikipedia MSNBC
カーネギー自然史博物館ニュース
ライブドアニュース
霊長類の新属新種発見 5.12.06
Lophocebus kipunji といいます。タンザニアで。体長90cmほどです。
サイエンスエクスプレス
フィールド博物館ニュース アラスカ大ニュース Wildlife Conservation Society
ライブサイエンス BBC
有袋類のゲノム解析発表 1.30.06
Monodelphis domestica (ハイイロジネズミオポッサム)の遺伝子を解析。組織適合性複
合体(MHC)ゲノムの複雑さは真獣類と鳥類の間。
Reconstructing an Ancestral Mammalian Immune Supercomplex from a Marsupial Major
Histocompatibility Complex
Katherine Belov 他
PLoS of Biology
パンダは白黒だけじゃない 「毛色の違う」亜種も 1.12.06
人民日報日文版
四川系パンダと秦嶺系パンダは系統の違う亜種なのだそうです。
「イッカク」の角はセンサー…米大学が突きとめる 12.24.05
約1千万本の神経が通り、水温や水圧、塩分濃度の変化などを敏感に
感知できるそうです。
読売新聞 NIST
イヌの全ゲノム解読 12.08.05
雄ボクサー犬のターシャ。犬種ごとの違いはヒトの個人差程度だそうです。
cnn.co.jp 朝日 読売
ネイチャーニュース ニューサイエンティスト
NCBI Dog Genome Resources
Dog Genome Sequencing Project news news
Dog genome
release, Institute of Genomic Research
ボルネオで未知の肉食獣(?)発見 12.06.05
イエネコより、やや大きく、濃い茶色の毛皮と長い尾、小さい耳、大きい後ろ
脚をしています。森林に仕掛けられたカメラにより、2003年にボルネオ島のカ
ヤン・メンタラン国立公園で撮影されました。
本当に全く新しい肉食獣であれば、同島では1895年以来の発見だそうです。
朝日 読売 BBC ニューサイエンティスト WWFニュース
イルカ母子にカイメンを使う知恵の継承 6.08.05
オーストラリア・シャーク湾のイルカにはオコゼのトゲなどから鼻先を
守るため、鼻にカイメンをつける集団があります。この集団は15頭で
すが、オスは1頭だけで残りは全てメスです。研究者がこの集団のう
ち13頭のミトコンドリアDNAを調べたところ、共通の祖先をもつことが
明らかになりました。
この行動はイルカの子が母から学習したものでないかとしています。
これはクジラ類で道具を使う例の初めてのものだそうです。
CNNジャパン 朝日新聞
ネイチャーニュース ニューサイエンティスト
PNAS
DOI: 10.1073/pnas.0500232102
タンザニアで新種のサル 5.20.05
ハイランド・マンガベイ 学名をLophocebus kipunji といいます。
昨年二つのグループが全く別個に発見し、今日のサイエンスで共同で記載論
文を掲載しています。
The Highland Mangabey Lophocebus kipunji: A New Species of African Monkey
Trevor Jones, Carolyn L. Ehardt, Thomas M. Butynski, Tim R. B. Davenport,
Noah E. Mpunga,
Sophy J. Machaga, and Daniela W. De Luca Science 20 May 2005: 1161-1164
CNN BBC ネイチャーニュース ジョージア大ニュース
CNNジャパン 読売
カモノハシの性染色体は10本 10.27.04
カンガルーの有酸素作業能力は有胎盤哺乳類類と同じ 8.04.04
リチャードソンジリスは超音波のささやきで警報を出す 7.29.04
ボルネオゾウ 独自の進化 2.17.04
朝日新聞 ユーレカアラート PLoS Biology(PDFファイル)
ヒゲクジラの新種、90年ぶりに確認 11.20.03
1998年9月11日、山口県豊北町の角島(つのしま)沖に漂着したクジラ
が、新種だったことがわかりました。骨の形態やミトコンドリアDNAの研究
によるものです。
11月20日付けネイチャーで発表されました。
A newly discovered species of living baleen whale
SHIRO WADA, MASAYUKI OISHI & TADASU K. YAMADA
Nature 426, 278 - 281 (20 November 2003)
ナガスクジラ属の新種 Balaenoptera omurai sp. nov.と命名されました。
ヤフーニュース(読売) 朝日新聞
参考:水産研究総合センター 海棲哺乳類情報データーベース
日本海セトロジー研究会第11回大会 ポスター発表
イヌの起源 11.22.02
イヌの起源は東アジアで家畜化されたオオカミという研究。
サイエンス11月22日号に掲載
朝日新聞 MSNBC ネイチャーサイエンスアップデート
ニューサイエンティスト
漂着クジラは超レアもの? 珍種か新種か再調査 8.04.02
鹿児島県川内市の西方海岸に7月26日に漂着したクジラが珍種か新
種の可能性。
朝日新聞 かごしま水族館
国立科学博物館ストランディリング情報20020726
マッコウクジラは石頭 6.24.02
ネイチャーバイオニュース メスを獲得するための武器として使われる可能性に
ついて
1kg 対111kg 4.11.02
ネイチャーバイオニュースです。哺乳類の場合、肉食動物がその命を支えるた
めには、体重1kgあたり111kgの獲物の生息が必要という研究の紹介。
こんな法則、肉食恐竜にもあれば、古環境の復元にも資することでしょう。
"ベイズの推論"を用いて有胎盤哺乳類の早期の放散を解決12.19.01
サイエンス12月14日号掲載
Resolution of the Early Placental Mammal Radiation Using Bayesian Phylogenetics
William J. Murphy, Eduardo Eizirik, Stephen J. O'Brien, Ole Madsen, Mark
Scally,
Christophe J. Douady, Emma Teeling, Oliver A. Ryder, Michael J. Stanhope,
Wilfried
W. de Jong, Mark S. Springer
これまで、哺乳類の系統については、分子的な方法を用いて、4つの
大きいグループに分かれることが解明されています。
この報告では、"ベイズの推論"にそれらのデータを用いて、その系統を
明らかにしたものです。
"ベイズの推論"は、ベイズ統計学で用いられるもので、私には全くわか
りませんが、「不特定の条件下における特定の事象の発生確率を予測
する全く新しい統計技法」であるそうです。「これは、過去の事象を考慮
に入れながら、新しいデータが入るに応じて確率を計算し直すことができ
るというものだ」そうです。
ただし、これを考えたベイズは18世紀の人間で、この考え方は200年間
眠っていたのですが、最近では人工知能の開発などに応用されている
そうです。
その結果、有胎盤哺乳類は4つのグループからなることが確認されま
した。最も古いグループAfrotheria(象、ツチブタ、およびイワダヌキなどを
含む)はローラシア大陸に起源をもつが、およそ1億3千万年前にほかの
グループと分かれています。これはアフリカと南米の大陸分離によるもの
かもしれないそうです。
Xenarthra(アルマジロ、ナマケモノ、アリクイを含む)は南米起源で、さら
にLaurasiatheria(肉食動物、クジラ、牛、および馬などを含む)、
Euarchontoglires(齧歯動物、ウサギ、および霊長類などを含む)と分かれ
たそうです。
Euarchontoglires は北半球起源とこれまで考えられてきたのですが、そ
れと対立する結果となっています。
また、哺乳類の放散は大陸の分離により6千5百万年前よりかなり以前に
遡ることも驚きですね。
参考:人工知能とコンピューターの未来を握る『ベイズ理論』
ベイズの推論の基礎(英文)
カンガルーとカモノハシは結局無関係7.03.01
Mammalian Genome 7月1日号
Marsupials and Eutherians reunited: genetic evidence for the Theria hypothesis
of
mammalian evolution
J. Keith Killian, Thomas R. Buckley, Niall Stewart, Barry L.
Munday, Randy L. Jirtle
哺乳類の分類の仮説として、獣亜綱仮説と有袋類仮説があるそうです。
前者は真獣類と有袋類が共通祖先から進化し、単孔類は別の祖先から別
の大陸で進化したとするもの。一方後者は有袋類と単孔類が共通祖先から
進化したとするものです。
今回、デューク大の研究者たちは、"IGF2R"と呼ばれる核遺伝子を用いて、
これら3つのグループの動物の系統を比較しました。すると、真獣類と有袋
類が共通祖先をもち、単孔類は別系統であることが判明したのだそうです。
ミトコンドリア遺伝子を用いた研究では有袋類と単孔類を関連づけていたそ
うです。
このことは、これまでミトコンドリアDNAを用いて行われた研究、例えばカバと
クジラは近縁とか、ミトコンドリアイブ仮説に疑問を投げかけるものとなってい
ます。
BBCニュース デューク大メディカルセンターニュース
A Dolphin Joins the Whales 3.23.01
東工大の岡田典弘教授らが、3月12日にEvolution and Adaptation of Marine
Mammals conference で報告したもの。
カワイルカにはガンジス、揚子江、アマゾン、ラ・プラタと、その生息する河の名が
ついています。これらの類縁関係について同教授らがDNAを調べたところ、カワイ
ルカ間に近い類縁関係はなく、ガンジスカワイルカはマッコウクジラに近いことが
わかったそうです。
デイリーインサイト 参考:東工大大学院分子進化学講座
Reading Evolutionary Road Map For Placental Mammals 3.02.01
有胎盤哺乳類の進化に関してサイエンス3月2日号掲載。
Molecular and Morphological Supertrees for Eutherian (Placental)
Mammals
Fu-Guo Robert Liu, Michael M. Miyamoto, Nicole P. Freire, Phong Q. Ong,
Michele R. Tennant, Timothy S. Young, and Kikumi F. Gugel
フロリダ大ニュース
系統樹を揺さぶるもの有胎盤類の進化と分類に関する新しい研究 2.8.01
ネイチャー門バイオニュースです。先週発表された、哺乳類の進化に関して
遺伝子塩基配列を解析した論文2編をまとめて紹介しています。
両編とも有胎盤類を4つの大きなグループに分類しています。
Afrotheria:ゾウ、ツチブタ、海牛類(ジュゴンなど)、イワダヌキ類ほか
Xenarthra:アルマジロ、ナマケモノなど
霊長類、げっ歯類など
食肉類、有蹄類、クジラ類、翼手類など
そして、有胎盤類では水棲ら飛行性のものまで、多くの適応形態があるが、
それらはそれぞれ独立に、多数回にわたって進化したものであるとわかったそう
です(例:海牛類とクジラ類)。
また、現在ゲノム解読が進められているヒトとマウスがこの大きなグループ分け
では、一つのグループに共に含まれることになります。他のグループは手付かず
ということです。
今週のネイチャー2.1.01
有胎盤哺乳類の系統分析について論文2編、
Parallel adaptive radiations in two major clades of placental
mammals
有胎盤哺乳類の2つの主要分岐群における平行適応放散
Molecular phylogenetics and
the origins of placental mammals
有胎盤哺乳類の分子レベルの系統発生学とその起源
ネイチャー門(今週のハイライトに解説あり。要登録)
シンシナティ大ニュース
九州中部山域でニホンオオカミ?撮影11.20.00
県立小倉高校長の西田智氏が今年7月8日に九州山間部で近接撮影した
ニホンオオカミの可能性が高い山犬について今月12日京大で開かれた野生
生物保護学会で報告したそうです。
本当にニホンオオカミならばビッグニュースです!
ヤフ−ニュース
知床のヒグマのDNA配列 アラスカ東部のクマと一致3.12.00
北大などの研究調査です。北海道のヒグマのDNA配列の系統は3種類
あることが知られています。そのうち知床のヒグマについてはDNAが世界
でもアラスカ東部でしか見つかっていない珍しいタイプであることが6日ま
でに新たに突き止められました。
道内他地域のヒグマよりかなり早い時期に大陸から来て知床にすみ着き、
古いDNAの型が受け継がれた可能性が強く、アラスカ西部やシベリアを
挟んで離れたアラスカ東部のヒグマと型が一致した理由が分かれば、世
界のヒグマの進化解明の手かがりになりそうだということです。
ヤフーニュース
ペルーで全く新しいげっ歯類発見3.1.00
現生の哺乳類の話ですが、ペルーにあるインカの遺跡マチュピチュの近郊
で、木に登る大型のげっ歯類が発見されたそうです。発見者はスミソニアンの
研究者Louise Emmons博士。協会イエネコほどの大きさ。
Cuscomys ashaninka,と名づけられました。
かわいい感じの写真。本文を見ると、これに最も近い仲間はマチュピチュの
人々にペットとして飼育され、遺跡の墓から発見されているそうです。現在は
絶滅したと思われていました。
BBCニュース
ディスカバリーオンライン
ウマの頭に冷却機構1.28.00
時間がないのでリンクのみ。恐竜にもそんな構造があったという報
告をした研究者がいます。
ABCニュース
BBCニュース
ディスカバリーオンラインカナダ
コウモリのエコロケーション(反響定位)と飛行の起源1.14.00
ネイチャー1月13日号掲載。報告者はEMMA C. TEELING, MARK
SCALLY, DIANA J. KAO, MICHAEL L. ROMAGNOLI, MARK S.
SPRINGER & MICHAEL J. STANHOPE
一般にコウモリと呼ばれる翼手目は、反響定位を行う数少ない目の
一つであり、自力で飛行する唯一の分類群です。この目は、さらに
小翼手亜目と大翼手亜目に分かれ、小翼手亜目は喉頭を使った複
雑な反響定位システムを使い、大翼手亜目は視覚能力が高いそう
です。これまで各亜目は、それぞれ単一起源と考えられてきました。
しかし、4つの核内遺伝子と3つのミトコンドリア遺伝子から得たDNA
塩基配列を解析したところ、小翼手亜目のキクガシラコウモリ上科に
入る仲間がほかの小翼手亜目の仲間に比べて大翼手亜目に近縁な
ことがわかりました。したがって、反響定位は、キクガシラコウモリ上
科で独自に進化したか、大翼手亜目では進化の途中で失われた事
になります。
また、このデータは皮翼目(ヒヨケザルの目)が翼手目の姉妹群とす
る見方を否定するものであり、皮翼目と翼手目で起源が共通だと考
えられていた特徴が、それぞれ滑空と飛行に伴って収れん進化して
きたものであることを示しているそうです。
ネイチャー
ネイチャーバイオニュース10.21.99
進化:このモグラの鼻の周りはイソギンチャクそっくり
という面白いニュースがあります。
star-nosed mole(Condylura cristata)というモグラの
鼻の周囲の触手は、その発生パターンがこの種でしか
見られない特殊なものだそうです。
クジラに最も近いのはカバ8.31.99
クジラが偶蹄目に近いことはかなり知られるようになりました。ラクダ
に近いとか、いろいろ言われています。既に分類上はセトアーティオダ
クティア(鯨偶蹄目)という分類も提唱されているようです。
東京工業大学生命理工学部生体機構学科分子進化学講座の岡田
典弘教授らとペンシルバニア州立大のAlejandro Rooneyの 共同研究
カバ、ラクダ、ブタ、ウシ、カバなどのレトロポゾンと呼ばれる遺伝子と、
ミンククジラやイルカなどクジラ目のレトロポゾンの配列を比較分析しま
した。レトロポゾンは同じ祖先から枝分かれすると、遺伝子の同じ場所
に現れるそうです。これを利用した結果クジラは偶蹄目の中でもカバに
最も近いことがわかりました。この研究結果は31日付の米サイエンス
アカデミーの紀要に報告されています。
クジラの祖先はテチス海の淡水域から進化したそうですが、一方は
淡水に止まり、一方は海に進出していったのですね。でも、カバにメロ
ンはできなかったのかな?
CNNニュース
ABCニュース
BBCニュース
ヤフーニュースライン(日本語)
東京工業大分子進化学講座
PNAS
チンパンジーは英語のセンテンスを話す7.26.99
ジョージア州立大ランゲージセンターのボノボ(ピグミーチンパンジー)
"カンジ"は、数百の異なった記号のタッチパネルから成るボイス・コン
ピュータを使って、英語を話すことができます。例えば、
"I want a cup of coffee, please, now,"
別のボノボ"パンバニシャ"は3,000以上の単語を知っているそうです。
音声言語の能力をサポートされれば彼らには構文を組立て理解する能
力があるということなのでしょうか。
BBCニュース
ジョージア州立ランゲージリサーチセンター
チンパンジーカルチャーズ
参考:京都大学人類進化論研究室
京都大学霊長類研究所
チンパンジーに地域差のある文化−文化霊長類学の時代6.18.99
ネイチャー6月17日号掲載。西田利貞京都大理学研究科教授、杉山幸丸
京大名誉教授ほか欧米の研究グループ
チンパンジーの行動には、シロアリ釣りや油ヤシの種割りなど、テレビな
どで紹介された有名なものもあります。しかし、どの地域でも同じ行動が見
られるわけではありません。これまで各国の研究者により151年間、チンパ
ンジーの研究がされてきました。その個々の研究の集大成ともいえるもので
す。
研究方法は、タンザニアのマハレ、ゴンベ、ウガンダのブドンゴ、キバレ、
ギニアのボッソウ、コートジボアールのタイフォレストの6地域のチンパンジー
の計65種類の行動について、他地域でも見られるか、その頻度などをまとめ
上げたものです。
その結果、ある地域では見られ他地域では見られない行動が39種類あり、
大きな地域差が確認されそうです。
たとえば、道具を使ったアリ釣りはマハレでは常に行われるが、タイ・フォレ
ストやキバレにはないそうです。
この研究によってチンパンジーには地域差のある文化が伝承されていること
が明らかになりました。なお、論文では、イモを洗う幸島のサルの例も引かれ
ています。
ネイチャー
CNNニュース
ABCニュース
BBCニュース
ヤフーニュースライン(日本語)
関連:チンパンジーにおける親子の認識に関して
ネイチャー門(日本語サマリーあり)
ディスカバリーオンライン
LIVING
LINKS
参考:京都大学人類進化論研究室
京都大学霊長類研究所
ジェーン・グドール インスティテュート
The
Budongo Forest Project
タスマニアタイガー、クローン再生へ5.15.99
既に絶滅した肉食の有袋類、タスマニアタイガーをクローン再生する
研究が進んでいるようです。1866年にアルコール漬けになった標本か
らだそうです。
CNNニュース
ABCニュース
BBCニュース
ゾウの鼻はなぜ長い?5.11.99
ゾウは鼻をシュノーケルとして使っていたという研究が発表されました。
オーストラリアのメルボルン大のAnn Gaethは、南アフリカのクルーガー
国立公園で'93年に間引き計画により殺されたゾウの胚と胎児を贈られた
同僚、Roger Shortから見せてもらう幸運に見まわれました。
彼女は全てのゾウの胎児に腎口(前腎や中腎の体腔への開口部)とい
う生理学上珍しい組織を発見しました。それは、漏斗状の腎臓の導管で
すが、淡水魚、カエル、卵生の爬虫類と哺乳類にのみ見られるものです。
”子孫を残しているどの哺乳類にも腎口はみられない点でゾウは非常に
特異です。”と彼女は語っています。
腎口は発生の初期に現れ、そして消えてしまいます。このことは、ゾウの
進化の初期に現れたことを示唆します。Ann Gaethはゾウの祖先が水生か
ら陸生になったのは、化石の証拠からおよそ3,000万年前と示されると言っ
ています。
ゾウの長い鼻はその胚の最も初期の段階から現れています。このことは、
ゾウの祖先が水生だったころ、鼻をシュノーケルとして使っていたことを示唆
します。現代のゾウも例えば島から島に泳ぐときに鼻を上げて泳ぎます。
さらにゾウがかつて水生であったことを示唆する胚の証拠としては、体内
に睾丸があることがあげられます。アザラシやクジラは体内に睾丸がありま
すが、陸生の哺乳類はそうではありません。
ゾウの祖先についての近年の化石の研究は、DNA、生科学的、免疫学的
証拠により補われてきました。その全てはゾウの水生起源が本当らしいと示
しています。現在のゾウに最も近縁の動物はジュゴン、マナティーといった海
牛類です。
この研究はゾウの最もユニークな特徴である鼻の起源を明らかにしています。
The Proceedings of the National Academy of Sciences に掲載されています。
BBCニュース
ABCニュース
CNNニュース
The Proceedings of the
National Academy of Sciences
参考:メルボルン大学
哺乳類の起源に関して新しい研究3.3.99
2.26付のサイエンスに発表された研究です。昨年、遺伝子の分析から哺乳類の
起源を約1億2千万年前とする研究が発表されています。しかし、化石証拠からは
ここまで遡れないないため、この両者の年代のギャップが問題になっていました。
新しい研究では225種類以上の哺乳類化石の種の分化の数学的分析により、哺乳
類の起源を恐竜絶滅と同時期の約6千5百万年前としています。
サイエンスデイリー
ディスカバリーオンライン(1日で消えます)
皮膚呼吸をする哺乳類2.27.99
哺乳類は肺で呼吸するが当たり前ですが、オーストラリアのJulia Creek dunnart
(Sminthopsis douglasi)というネズミのような有袋類の新生児は皮膚呼吸を行っている
ことが発見されました。最初の3週間では呼吸の50%が皮膚を通してということです。
ネイチャー2月25日号に掲載されています。
BBCニュース
白象クローン計画開始1.3.99
朝までMr.ビーンなんて見てて生活時間が狂っています。
正月らしくおめでたいネタはないかと探すと、ありました。
白象もめでたいものとされていて、江戸時代享保年間だったか来日した象は
御所から白象の位を賜ったという話を聞いたことがあります。
さて、タイのバンコック、Mahidol大学のチームが、19世紀ラーマ3世の御代に
生きていた白象のアルコール漬けの遺体からクローンを再生する計画を始動
したそうです。日本のマンモス再生プロジェクトにヒントを得たようです。
BBCニュース
ABCニュース
参考:鹿児島大学のマンモス蘇生についての記事
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